リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

日本初の「中絶薬」は経腟薬のプレグランディン

日本初の”経口”中絶薬という表現に留意せよ

後にプレグランディンとして発売された試験薬は、1977年に初期中絶の臨床試験で93%の成功を収めながら 1984年に中期中絶専用薬として発売されることになり、今も日本でのみ中期の主流。いったいなぜそんなことになったのか? そこを解明していかないと、今後の初期中絶薬がどんな方針で提供されるのかが危ぶまれる。


1988年 世界初の”経口”中絶薬ミフェプリストンが中・仏で承認されて一世を風靡した。


やっと日本にやって来た初期中絶薬がどう使われていくのか、今後も目を離せない。日本では避妊薬も緊急避妊薬も高額でアクセスが悪い。三度目の正直として、中絶薬こそ安価でアクセスの良い薬にしてほしい。


それに、ミフェ-ミソの登場で経腟薬プレグランディンは駆逐されていた可能性が高いとはいえ、先に経腟の妊娠初期中絶薬として世界にデビューしていたら、歴史は塗り替えられていたはずだ。日本で初期妊娠中絶薬の開発がもっと進んで、世界をリードしていたかもしれないのに……。


今や世界では、妊娠初期も中期も、薬で中絶を行うのならミフェ・ミソのコンビ薬かミソプロストールの反復服用が主流。


搔爬だけの話ではない。日本は中期中絶もガラパゴスなのだ。