リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

「中絶」と「少子化」で国会議事録検索システムを使って検索したら

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第210回国会 衆議院 文部科学委員会 第2号 令和4年10月26日
菊田真紀子立憲民主党・無所属
秋田県は、二〇〇〇年に全国平均より高かった十代の人工妊娠中絶の実施率を、県を挙げて性教育を継続的に実施することによって全国平均より下回って、この十代の人工妊娠中絶を減らしたんですね。その中の取組では、中学校に産婦人科医を派遣して、命の大切さ、性感染症、男女交際、妊娠、出産、避妊、中絶、こういった講義を行ったと聞いています。こういう取組がしっかりできているところもあれば、プリントを配るだけの学校もあるので、地域や学校によって違いが大きいのが現状です。
 二十年ほど前に、性教育バッシングとも言える動きが国会や地方議会でありました。山谷えり子議員は、国会での質問で、学校での性教育が行き過ぎていると批判を繰り返していました。また、自民党内では、安倍晋三元総理を座長、山谷議員を事務局長とする、過激な性教育ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチームなるものが設置されました。
 かつて、性教育バッシングの流れの中で有名な事件に、七生養護学校で起きた事案があります。七生養護学校で行われていた性教育はそれまで高く評価する声も多かったんですが、突然、東京都議会議員と都の教育委員会が学校に押しかけて、教材を没収しました。そして、教育委員会は教員に処分を行ったんです。二〇〇三年に起きたこの事件は、その後、教員が提訴をして、二〇一三年に最高裁判決で教員の勝訴が確定しました。教師の裁量権に対する不当な介入であることが裁判によって認められたんですね。しかし、こういうことがあって以降、性教育を学校で行うことはためらわれる、ちゅうちょするというふうに言われるようになりました。
 また、性教育バッシングが盛んだった二〇〇五年に、文部科学省は、全国の全ての教育委員会を対象として、性教育の実態調査を行いました。調査の結果、不適切な指導や教材はゼロだったんですけれども、しかし、この調査によって、学校や先生方は萎縮してしまったとも言われているんです。
 当時の調査が現場の萎縮を招いてしまった、こういう自覚はおありかどうか、文部科学省の見解を伺います。

第208回国会 衆議院 内閣委員会 第21号 令和4年4月22日
396 野田聖子自由民主党内閣府特命担当大臣少子化対策・地方創生・男女共同参画))
○野田国務大臣 こども家庭庁は、見ていただくと分かるんですけれども、周産期から取り組んでいます。つまり、生まれてきた子供を子育てすることが少子化対策ではなくて、やはり妊娠したときから、その相談から始まっていますから、多分、先ほどおっしゃった結婚、また恋愛、そこまで広がっていくんだと思いますけれども、いずれにしても、人生そのものなんですね、少子化対策
 ですから、そこの部分を切り取ってやるのではなく、例えば物議を醸すとするならば、フランスとの違いはやはり結婚制度の在り方。法律婚でなければならない。日本なんかは特に、子供を授かる前提が結婚になっています。ですから、結婚ができない状況にあると、やむを得ず中絶、この数が非常に多いわけですね。
 今回、不妊治療の適用がありましたけれども、まだそこは数万オーダーですけれども、実際に中絶をせざるを得ない、産みたくても産めないという女性は更に多いのではないかと推察されます。
 そんなようなこともしっかり全て、まだまだやり尽くしていないことがある中で、建設的な議論ができればいいと思います。

第208回国会 参議院 文教科学委員会 第6号 令和4年4月21日
091 伊藤孝恵(国民民主党・新緑風会
 それでは、文科委員会の質問させていただきたいと思いますけども、私、生理政策を始めたとき、厚労省に我が国の生理に係る政策は何があるというふうに問合せをいたしました。そうしたら、労働基準法第六十八条に基づき、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させてはならないこととされていますという、返答はたった二行でした。
 で、私は、じゃ、その労基法の傘の下にいない人はとか、月経随伴症状というのは労働者であれ学生であれ一緒なのに生理休校はないのとか、生理中にプールの授業を先生も生徒も休めないのは変じゃないとか、生理日ということは閉経後は駄目なのねとか、いろいろ聞いてみたんですけども、全てにおいてあるのは生理休暇だけですというふうに断言をされました。
 そもそも生理というのは生活の中にあるもので、恥ずかしいものでも嫌らしいものではないんですけども、初潮、生理痛、生理不順、無月経、不正出血、PMS、PMDD、閉経、更年期、いろいろございますけども、いまだにタブーを感じる方というのは多うございます。確かに、このタブーの語源というのはポリネシア語の月経を意味するタブなんだそうで、まあ何となく真正面から語りづらいというのも真実だというふうに思いますし、私も最初は、国会質疑の中で生理のことをやるときはどきどきしながら取り上げました。
 しかし、この生理がなければ人類の全てはありませんし、子供たちに正しい知識を備えてもらうのはリプロダクティブヘルス・ライツの観点で非常に重要だというふうに思います。大臣も娘さんいらっしゃいますけども、御家族、恋人、職場に子宮を持つ者、生理がある方がいれば、生理教育というのはみんなに受けていただきたい、もとい、いただくべきだというふうに思っています。
 その意味で、今回、骨太の方針に生理の文字が刻まれたこと、それから文科省予算でも命の安全教育が計上されたこと、とても大きいというふうに思いますが、生理教育でも性教育でも命の安全教育でも、ネーミングは何でもいいんです。とにかく子供たちには自分の体や性やそれらに関する知識を備えて、自分の意思で自分の生き方、人生を選択していってほしいなと思う次第です。
 そこで、大臣にお伺いいたします。
 これら骨太の方針、そして命の安全教育には、リプロダクティブヘルス、つまり妊娠することや産むことへの視点というのは感じるんですけども、リプロダクティブライツ、産むか産まないか、中絶に関しても十分な情報を得て、生殖に関する全てのことを自分で決められるという視点が乏しいように感じるんですが、いかがでしょうか。
092 末松信介
国務大臣(末松信介君) 先生お話がありましたように、昨日もちょっと娘と話をしましたですね。やっぱり性に関して正しく理解して適切に行動が取れるようにするということは大変重要なことだと、基本だと思ってございます。
 この点で、第五次男女共同参画基本計画において、女性の心身の状態は年代によって大きく変化するという特性があり、リプロダクティブヘルス・ライツ、性と生殖に関する健康と権利のこの視点が誠に重要であると記載をされてございます。大事なことだと思います。
 御指摘の、例えば先生がお思いかもしれませんが、出産とか生理に関わる指導に関しましては、学習指導要領に基づきまして、保健体育科において、例えば中学校では、思春期には生殖に関わる機能が成熟して女子では月経が見られて妊娠が可能になること、高等学校では、思春期における心身の発達や性的成熟に伴う身体面、心理面、行動面などの変化に関わりまして健康課題が生じることを扱うなど、児童生徒の発達段階に応じた指導がなされてはございます。
 女性の版の骨太方針でありますこの女性活躍・男女共同参画の重点二〇二一年、これは令和三年六月十六日でございますが、においては、女性の生理と妊娠に関する健康について、生理に伴う様々な困難を相談しやすい環境の整備、この推進に関する項目が盛り込まれました。
 このため、令和三年十二月に都道府県の教育委員会、これは学校の立場ですけれども、都道府県教育委員会等を通じまして各学校に対して、健康診断を実施する際に、月経に伴う諸症状を抱える児童生徒等を的確に把握して、健康相談や保健指導を実施したり、必要に応じて産婦人科医への相談や治療につなげたりするなど、適切に対応いただくように周知を行ってございます。
 少し答弁広げました。
093 伊藤孝恵
伊藤孝恵君 大臣が今御答弁いただいた、内閣府文科省厚労省が発表いただいた、それら非常にすばらしい政策が並んでいたにもかかわらず、それを不妊予防支援パッケージというふうにくくってしまって、大変不評を買って、今ネーミングが変わっていますけども。
 プレコンセプションケア、非常に大事です。コンセプション、受胎ですね。その将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことだということで、今、国立成育の中には日本初のプレコンセプションセンターが開設をいたしました。この重要性はアメリカのCDCやWHOも提唱している考えで、日本も遅ればせながら伴走している形です。
 一方で、アボーションケア、アボーションというのは人工妊娠中絶ですけども、中絶や死産等における女性の心と体のケアについては、日本では一向に広がらない、これまたタブー視され、いまだに見過ごされている問題でもあります。事実、私、国立国会図書館で調べてみたんですけども、記事と論文というのはほとんどない、まとまった資料というのもありませんでした。
 この命の安全教育では、就学前の幼児から大学等において、また障害のある児童生徒等の状態に応じても、性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者をつくらないため、性犯罪、性暴力を未然に防止する目的で実施するというふうに書かれております。中学校になると、性暴力被害に遭った場合の対応まで教えるというふうに書いてありました。
 ここで、ピルのアクセシビリティーですとか緊急避妊薬、経口中絶薬の存在、安全な中絶、流産についてはどのように伝えていくのか、これ参考人で構いませんので教えてください。
094 伯井美徳
○政府参考人(伯井美徳君) 命の安全教育における指導の内容、先生から御指摘いただいたとおりでございます。引き続きしっかりと対応していきたいと思っております。
 さらに、中高生が望まない妊娠や中絶により悩みを抱えている場合、一般的には学校では養護教諭スクールカウンセラーなど周りの大人たちに相談できる体制を整備して、生徒の安全確保の観点からしっかりと、そういう観点と学業継続に向けた教育上の配慮を行う、場合によっては医療機関を含む関係機関につなぐことなどの必要な対応を行うよう、各学校にも周知しているところでございます。
 本年三月に、厚生労働省より若者向けの健康相談支援サイト、スマート保健相談室が公開されております。このサイトでは体や性、妊娠などに関する正しい情報や相談窓口などを紹介しており、必要に応じてそのサイトを適切に活用いただけるよう、都道府県の教育委員会等を通じて各学校に周知をしたところでございまして、引き続き文科省としては、そういう相談体制の整備も含めてしっかり充実を図っていきたいと考えております。
095 伊藤孝恵
伊藤孝恵君 ちょっと分からなかったので教えてください。じゃ、この命の安全教育ではアボーションケアについてもしっかり教える、それはスコープに入っているという御答弁でよろしかったですか。
096 伯井美徳(文部科学省初等中等教育局長)
○政府参考人(伯井美徳君) 発達段階に応じまして、人工妊娠中絶の心身への影響などにつきましても、高校の保健体育科の指導内容で、高校の学習指導要領の解説にもそうしたことも指導するよう取り扱っておりますので、先生御指摘のとおりだというふうに考えております。
097 伊藤孝恵
伊藤孝恵君 これまで日本では、中絶や流産、死産をした女性のケアについては、母体保護法の支援対象であるか否かが不明確だったことから相談体制が整わなかったというふうにされておりまして、国や自治体の取組はほぼ皆無です。あったとしても、厚労省が令和三年六月十五日に出生前検査及び流産死産のグリーフケアに関する自治体説明会を開催するなど、自治体に対する流産や死産を経験した女性等への心理社会的支援等の体制整備が促されている、そういったところでありまして、当然ながら、医療現場とか助産師さんがケアに当たったとしても保険適用等はありませんし、今までそういったことを議論をしたこともない、聞いたことがないということでした。
 探しに探した結果、行政が補助を行った事例としては、御殿場市で一件、助産師による流産・死産・新生児死・中絶で子供を亡くした方へのサポート事業というのがありました。一方、世界では、ニュージーランドではこういった方々への三日間の忌引有給休暇を取得できるような、そういった法律ができたりしています。
 日本では年間十六万件以上の人工妊娠中絶が行われています。その是非はさておき、女性の心と体のケアの立ち遅れ、情報や教育の貧困、これに対応する必要があるというふうに思います。これをタブー視する必要はないというふうに思います。
 大臣には、タブー、子供たちにタブー視よりもはるかに大切な知識、選択肢があること、そういったものを贈るために御奮闘いただくことをお願いしたいと思い、最後に一言お願いいたします。取り組みます。
098 末松信介(自由民主党・国民の声:文部科学大臣
国務大臣(末松信介君) 今先生から十六万件の妊娠中絶の実態を伺いまして、やはり、遅れている面がございましたらきちっとやはり、学校はやっぱり授業数の問題がありますからなかなか保健体育できちっと取れる時間が少ないかもしれませんけれども、そういう場所でも最低限やらなきゃならぬことは、教えなきゃならぬことはきちっと教えていくという、このことは大事だと思います。
099 伊藤孝恵
伊藤孝恵君 終わります。

第208回国会 参議院 内閣委員会 第8号 令和4年4月7日
高木かおり:日本維新の会
生涯にわたって、例えば女性であれば女性の生涯にわたるこの健康の問題、ここをしっかり確保していくということ。その妊娠、出産、中絶、不妊更年期障害、いろいろそういった人生の中での医療と健康という視点において、自分の人生において妊娠、出産をまずするのか、産むのか産まないのか、何人産むのとか、そういったことも自分で決められる権利、これは大変重要だというふうに思っています。そのためにも、男性も女性もやはり自分自身の体をしっかりと知っておくということが必要なんだと思います。

第210回国会 参議院 本会議 第3号 令和4年10月7日
安全で効果的な中絶方法として世界でも主流となっている経口妊娠中絶薬が年内にも承認される見通しとされています。ところが、政府は、母体保護法に基づき、服薬には配偶者の同意が必要だと答弁しました。このことに対して、私の体は私のものだ、産む産まないは女性の自己決定だという批判が起こっています。なぜ母体保護法では人工妊娠中絶に配偶者の同意を必要としたのでしょうか。
 妊娠や出産は、母体に大きな影響を及ぼし、女性の人生設計も大きく左右します。産むか産まないか、いつ産むかを決めるのは当然女性であるべきではないでしょうか。
 リプロダクティブヘルス・ライツ、性と生殖に関する健康と権利が、今日、女性の人権の重要な概念の一つとして国際的にも確立していることを総理はどのように認識しておられますか。
 国連女性差別撤廃委員会は、母体保護法の配偶者同意の撤廃を日本に勧告し、WHOも本人の希望で中絶を可能にするよう求めています。こうした声をどう受け止めていますか。
 我が国では、刑法の自己堕胎罪と母体保護法によって、女性には中絶の決定権がありません。明治以来の家父長制の下で女性には自由も権利もなく、胎児は家のもの、家長のものという前提で作られた法体系が今も女性の権利を奪っています。
 コロナ禍の下、DVや望まない妊娠も増えています。性暴力による妊娠さえも中絶に男性の同意が求められるケースが後を絶たず、女性たちを苦しめています。
 刑法の自己堕胎罪、母体保護法の配偶者同意要件は撤廃すべきです。答弁を求めます。
……
017 岸田文雄
内閣総理大臣岸田文雄君) 小池晃議員にお答えをいたします。
……
 人工妊娠中絶についてお尋ねがありました。
 性と生殖に関する健康と権利は、一九九四年の国際人口・開発会議において提唱され、国際的に女性の重要な人権の一つであると認識されていると承知をしております。
 母体保護法における人工妊娠中絶の配偶者同意要件については、一九四八年の議員立法による制定当時からある規定ですが、二〇一六年の女子差別撤廃委員会や二〇二二年のWHOにおける指摘があることは承知をしております。
 その廃止については、個人の倫理観、家族観等に関わる難しい問題であり、様々な御意見や御議論があることから、国民的な合意形成が必要であると考えております。また、刑法の堕胎罪は、胎児の生命をも保護するものであり、慎重な検討を要すると考えております。
 他方、昨年、夫からのDV被害を受けているなど、婚姻関係が実質破綻しており、配偶者の同意を得ることが困難な場合は、本人の同意だけで人工妊娠中絶が可能と解されたところであり、この運用について、厚生労働省において引き続き適切に周知をしてまいります。

第203回国会 衆議院 厚生労働委員会 第6号 令和2年11月20日
008 木村弥生自由民主党無所属の会
○木村(弥)委員 ありがとうございます。
 私も、九月まで総務大臣政務官として御縁をいただいておりました。そして、保健師の資格を持つ厚生労働委員として、しっかりと今後の体制について見守って一緒にやっていきたいと思っておりますので、どうぞ御指導よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 続いての質問に入ります。
 緊急避妊薬のアクセスの改善でございます。
 コロナショックによりまして、より弱い立場の方々にしわ寄せが行っています。外出の自粛の影響により、DVや性暴力被害、若年層の妊娠に関する相談が急増いたしました。国際社会においても、グテーレス国連事務総長が、女性と女の子をコロナ対応の中核に据えるように要請をいたしました。
 平成三十年度の人工妊娠中絶件数は十六万一千七百四十一件ございます。望まぬ妊娠を防ぐための方法として、七十二時間以内に服用すれば高い確率で妊娠を回避できる緊急避妊薬、いわゆるアフターピルというものがあります。九十カ国で処方箋なしで入手できますが、我が国では医師による処方でしか入手できず、保険が適用されないため高額な費用もかかります。
 緊急避妊薬の薬局の販売については、既に二〇一七年にも厚労省で検討されましたが見送られております。現在、また評価検討会議において課題や論点の整理が行われてあることは承知しております。
 私は、二年前より、市民団体の皆さんとアフターピルについて五回ほど勉強会や集会を重ねて、昨年二月二十七日の予算委員会第五分科会でも質問しています。ことしに入ってからも、田村厚労大臣、橋本聖子女性活躍担当大臣にも要望を提出したところでございます。十月九日には田村大臣が記者会見で、緊急避妊薬のニーズがあると理解していると述べておられます。折しも十一月の十一日に示された内閣府の第五次男女共同参画に関する基本計画策定に当たっての基本的な考え方の中で、緊急避妊薬の検討が明記されました。
 先行きの見えない不安の続く中、女性や子供の健康を守るために、緊急避妊薬へのアクセス改善が必要です。もちろん、それに並行して、自分の、そして相手の体と尊厳を守る教育が必要なことは言うまでもありません。国の見解をお聞かせください。
009 鎌田光明
○鎌田政府参考人 緊急避妊薬のアクセス改善でございます。
 御指摘のとおり、これは大切なことという観点から、まず、緊急避妊薬を処方する医療機関を本年一月にホームページに掲載して、現時点ではそれが、十月十九日時点で医療機関は三千百九十二あることを御紹介しております。
 さらに、単にそういう対面だけではなくて、オンライン診療でも提供できますようにということで、今申し上げた三千余りの医療機関、基本的には産科医さんだと思うんですが、産科医さん以外にも、研修を受けたお医者さんが処方できるように研修を進めております。
 そのお医者さんですが、十月一日時点で約千百名の医師が研修を受けております。さらに、その先生方の処方を受けて調剤する薬剤師、薬局ということについても研修をお願いしておりまして、それは現在、十一月一日時点で三千八百七十名の薬剤師を研修しているところでございます。
 こうした施策を通じまして、さらには、関係機関と協力しながら、緊急避妊薬を必要とする女性が適切にアクセスできるように体制を構築しているところでございます。
010 木村弥生
○木村(弥)委員 予期せぬ妊娠ややむを得ない妊娠中絶がどれだけ女性の心と体を傷つけるのか、負担になるのか、どうか当事者の声をよく聞いて、寄り添う姿勢を示していただきたい、このように願うところでございます。
 そしてまた、この緊急避妊薬を必要とする女性に対しまして、やはりリプロダクティブヘルス・アンド・ライツ、性と生殖にかかわる健康と権利を尊重し、そして、女性に寄り添い、相談、助言、支援ができる専門職が必要だと思います。そういった意味におきまして、私は、助産師の活用が図られるように御検討いただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
011 渡辺由美子
○渡辺政府参考人 先生御指摘のございました、避妊のことも含めまして、女性に寄り添った支援をしていくということは非常に重要だと思っております。
 厚生労働省といたしましては、これまで都道府県等を実施主体として、全国八十四カ所にございます女性健康支援センターというところでさまざまな支援を行っておりまして、その中では、御指摘のありました助産師さんも含めて、専門職による相談支援ですとか、あるいは、場合によっては医療機関等への同行支援、さらには、匿名による電話相談、SNS等を活用した相談支援など、さまざまな専門的な支援を行っているところでございます。
 今後も、予期せぬ妊娠をした方々のさまざまな悩みに寄り添う支援を行っていくという観点から、このセンターの設置の促進を図るとともに、そのサービスメニューにつきましても、状況に応じて多角的に拡大していくことも含め、考えてまいりたいと考えております。
012 木村弥生
○木村(弥)委員 ありがとうございます。ぜひ、こちらは日本助産師会からも要望がありますので、お願いいたします。
 調査によりますと、ゼロ歳児の虐待死による死亡、これは全体の四割を占めていると言われております。そしてまた、性暴力や性被害等も含まれていると私は思っています。これは本当に負のスパイラルがありまして、性暴力があって、児童虐待、そして自己肯定感の低下があって、孤立感や自傷行為があって、寂しさを埋めるための男女関係があって、そしてまた性感染症児童虐待という、こういった負の連鎖を私は断ち切りたい、そのためにもアフターピル、どうか御検討いただきますようお願いいたします。
 最後の質問です。
 先ほど、人工妊娠中絶件数が十六万件と申しました。日本で生まれる子供たち、今、年間八十六万人でございます。この十六万件が、もしかしてこの小さい授かった命がこの世に生まれて出ていれば、日本に百万人の子供たちが生まれていく。
 そういった意味におきまして、ちょうど平成二十八年十二月に、民間あっせん機関による養子縁組のあっせんにかかわる法律、これは私も若干尽力いたしました。社会的養護、特別養子縁組や里親制度を更に広げて、小さな命がどんなような事情にあるにせよ、生まれてくればちゃんと育てていくよ、こういった国の姿勢を示していくべきだと思いますが、どうか最後に御見解をお願いいたします。
013 渡辺由美子
○渡辺政府参考人 御指摘のございました里親や特別養子縁組、まだまだ日本では諸外国に比べても活用が非常に低いというところがございます。
 厚生労働省としましては、これまでもさまざまな形で啓発等を行ってきておりますが、特に里親等につきましては、手当の増額なども含めて、その普及のために財政的な支援も拡充しているところでございますので、もう一つの家族の選択肢という意味で、里親や特別養子縁組の普及ということもしっかりやっていきたいと思っております。
014 木村弥生
○木村(弥)委員 ありがとうございました。
 不妊治療の保険適用や、また出産一時金の増額等々、周産期医療に非常にスポットが当たったことは、私は大変望ましい、喜ばしいと思っております。
 ただ、やはりそういった里親、特別養子縁組制度をもっと支援していきながら子供たちをすくすくと育てていけるような、そんな国にしていきたい、そんな思いを持ちまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第196回国会 衆議院 厚生労働委員会 第33号 平成30年7月6日
126 西村智奈美
○西村(智)委員 大臣の答弁を聞いていますと、やはりスピード感が非常に遅いと思います。健保組合が協会けんぽに移行したときに財政の影響はどうかということについても具体的にはお答えになりませんが、私、これが本当に進んでいったら大変なことになると思いますので、ぜひ強い危機感を持って改革を進めていただきたいというふうに考えております。
 きょう、もう一点質問したいと思っておりますのは、いわゆるセクシュアリティー教育のことについてです。文科省政務官からもお越しいただきました。
 実は、立憲民主党ジェンダー平等推進本部というのがありまして、ここで、日本とヨーロッパの女子大学生の方からセクシュアルヘルスのことについてヒアリングをさせていただきました。
 その際に、ヨーロッパには普通にあることが日本ではない、ヨーロッパで、例えばユースクリニックなどのように、若い人たちが街角に行って、自分の体のこと、あるいは自分の身の上に起きたこと、こういったことを気軽に相談できるというクリニックが街角にあるし、適切な正しい情報をそこで得ることができるというふうになっているんだけれども、日本に来てそれがないということで、なんでないのプロジェクトという名前で活動しておられる方々なんですけれども、私も改めていろいろと調べてみました。
 資料でお配りしておりますけれども、日本の国内で人工妊娠中絶の実施率は、やはり若い世代で、大変残念ながら高いです。率でいうと、二十歳未満の方で人口千人当たり五・〇、これは人口に割り戻して換算いたしますと、一日当たり約四十人の二十歳未満の方が人工妊娠中絶をされているという数字なんですね。
 それから、梅毒です。梅毒って今もあるのかというふうに皆さん思われるかもしれないですけれども、ここ数年で爆発的にふえているんですよ。二〇一一年から比べますと、男性の罹患が六百五十、女性が百七十だったのが、二〇一六年で男性が三千百八十九、女性が千三百八十六。しかも、若い世代の罹患が急速にふえているということで、これは母子感染もしますから大変危険なことだというふうに思います。
 ちょっと、きょうはいろいろ聞きたかったんですけれども、時間があと八分しかありませんので、まず文科省にお伺いしたいんですけれども、私は、このなんでないのプロジェクトの方々も言っておられたんだけれども、適切な段階で適切な正しい情報を教えていくというか提供していく、それはやはり必要なことだというふうに思うんですね。
 ところが、これも資料につけておりますけれども、例えば中学校の学習指導要領などを見ますと、性的接触というふうに書かれていて、例えば性交とか避妊とか人工妊娠中絶とか、こういう言葉は学習指導要領の中には書かれていないんです。こういった言葉というのは、中学校で言っちゃだめなんですかね。
127 宮川典子
○宮川大臣政務官 学校における性に関する指導は、学習指導要領に基づき、児童生徒が性に関し正しく理解し、適切に行動がとれることを目的として実施をされております。体育科、保健体育科、特別活動を始めとして、学校教育活動の全体を通じて指導することとしております。
 また、指導に当たっては、発達段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることに配慮するとともに、集団で一律に指導する内容と個々の児童生徒の抱える問題に応じ個別に指導する内容を区別して指導することとしており、具体的な単語の一つ一つ、今委員がおっしゃったような単語の一つ一つに対する指導の可否が決められているわけではございません。
 文部科学省では、このことを踏まえて、学校における性に関する指導の充実を図ってまいりたいと思っております。
128 西村智奈美
○西村(智)委員 ありがとうございます。
 私、ヒアリングの後、改めて、ユネスコが作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」というものも手にとって見てみました。
 日本国内で今まで性教育に関していろいろな話があるたびに、例えば、寝た子を起こすな的な話があったり、あるいは、セクシュアリティー教育、性教育をしたら、逆に、初交年齢、初めて性交をする年齢を早めちゃうんじゃないかというような議論があったりしたんですけれども、これを読みますと、ほかの国の例でも、エビデンスベースでそういったことは全くないというふうに書かれているんですよ。セクシュアリティー教育が初交年齢を早めるということはまずめったにないということを明らかにしている、まずめったにないというのは、英語を日本語にしたから多分こういうことになっているんだと思うんですけれども、九九・九%ないということですね。
 それから、セクシュアリティー教育は寝た子を起こすかという、そういった懸念については、そうじゃないと。正確な情報を得ることは全ての子供と若者の利益に資するものであるというふうにユネスコの本に書かれているわけなんです。こういったこともぜひ文科省には御承知おきいただきたいと思うんです。
 今私が申し上げたような懸念、特に、日本の中で性教育が話題になるたびに、寝た子を起こすとか、それから性教育が初交年齢を早めるとかいう議論があるんですけれども、それはエビデンスはあるんでしょうかね。誰に聞けばいいのかな、文科省ですか、厚労省ですか。
129 宮川典子
○宮川大臣政務官 今委員が御質問されたことに対する該当データというのは、文部科学省としては把握をしておりません。
 しかし、学校教育においては、何よりも、子供たちの心身の調和、この段階を見て、しっかり教育を行っていくのにそれを重視する必要があるというふうに考えております。
130 西村智奈美
○西村(智)委員 さっき私が資料として提出したものでいいますと、二十歳未満の人工妊娠中絶が人口千対で五・〇となっているんですけれども、既に十三歳から〇・一という数字が出ているんですよ、十三歳、十四歳、十五歳。
 やはり、こういうことになる前にきちんと教える必要があると思います。だから、少なくとも中学校のときぐらいまでには、私はやはりきちんと、例えば、性交すればこういったリスクがあるとか、こういったことがあり得るとか、あるいは、こうなったときにこうすることも考えられるとか、そういういろいろなことを正しい知識として教えていくというのは、私は大事なことだというふうに思うんですね。
 そこで、学習指導要領にも、正しい情報、情報への適切な対処、これが必要であるというふうに書かれているんですけれども、日本の国内で、じゃ、本当に正しい情報というのはどこにあるのかというふうに探してみますと、ないんですね。本当にないんですよ。
 私も、地元の自治体でつくられている性教育についてのパンフレットを見てみました。A4の一枚、裏表でぎっしり書こうとするから、内容がやはりすかすかになるんですよ。じゃ、インターネットでと思って調べてみると、例えば避妊といって厚生労働省のページで見ると、断片的な情報が出てくるだけで、包括的なものは何にも出てきません。
 子供たちが、例えば、さっき性的接触と私は言いましたけれども、性的接触という言葉は学習指導要領に書かれていて、それは、例えば教えたりするということになると、子供たちは性的接触というのは何だろうと思いますよね。それで性的接触とググってみると、キスも含まれますと書いてあるんですよ。
 なので、やはりそういう意味で、正しい情報をどうやったら包括的に得ることができるかと考えると、私、少なくとも、例えば厚生労働省が関係するページでは、例えばそういった性教育に関する正しい情報、そういったものを包括的にアップする必要があるんじゃないかというふうに思っているんです。
 別にこれは誰かを責めて言っている話ではありません。そういう情報にアクセスできない若い女の子たちに結局は最後はしわ寄せが行ってしまうということを言いたいんです。だから、そうなる前にきちんと包括的な情報を得るように、そして、若い人たち、知識が不足している若い人たちから、加害者にもならない、被害者にもならない、そういう危険から排除する、そういう必要があるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、どうですか。
131 加藤勝信
○加藤国務大臣 委員御指摘のように、若い世代の方が、避妊や性感染症を含めて、最終的には自分の健康管理にもつながるわけでありますが、そういったことに対して正しい知識を身につける、あるいは正しい知識を習得していただく、これは大変大事だと思います。
 厚労省では、インターネットなどで発信されている情報の中にはさまざまな情報がありますから、避妊方法や性感染症を含めた思春期の体や心に関する正しい知識の普及啓発のためのリーフレットも作成し、厚労省のホームページにも掲載をしております。
 また、性感染症については、やはり同じく厚生労働省のホームページに、主な性感染症の種類ごとの特徴や国民向けのQアンドA等の情報も掲載をしており、インターネット上では性感染症という用語で検索をされ得る状況になっているというふうに承知をしております。
 ただ、こういった情報も常に見直しをしていく必要がありますので、委員からも御指摘もございます、国民の皆さんにより情報がわかりやすく伝わっていくような改善を今後とも図っていきたいと考えております。
132 西村智奈美
○西村(智)委員 もっと、済みません、質問は用意していたんですけれども、時間が終わりましたので、また次回の機会をいただきたいと思います。
 終わります。

以下は中絶薬に関するフェイク発言

第208回国会 衆議院 外務委員会 第5号 令和4年3月16日
【大阪・関西万博について】
163 和田有一朗(日本維新の会
○和田(有)委員 今るるテーマについてお伺いいたしました。
 もちろん、今パブリックコメントをかけている段階ですから、この先いろいろな紆余曲折があるかも分かりません。その中でやはり私が非常に注目をしたのは、命という言葉を使われているということなんですね、命と命の間にと。要は、命のリレーであったり、我々がいただいている命は次につないでいくリレーのバトンみたいなものだというようなものだと思うんです。大変すばらしいテーマの設定だと私は思うんです。
 その中で、ちょっと気になる事柄がありまして、今、日本で生まれている出生数というのは、二〇二〇年で八十四万人。まあ、少子化だといろいろな議論を我々はやっているわけですけれども、八十四万人とか、八十万人ぐらいですよ。
 その中で、この世に出ずして終わっていく命が、届出されているものだけでも十五万ぐらい。要は、流れている、中絶をされている命というものが十五万ぐらいあると言われています。これは統計上表に出ているだけで、もっと多いだろうと言われています。中には、その倍ぐらいはあるんじゃないかとおっしゃる方もおられます。倍として三十万人。実際にこの世に生をうけて人生を全うできる胎児の三分の一や四分の一は、実は、本来この世に生をうけるべく受精しているのに生まれていない状況がありますと言う方がおられます。数字は、統計上は十五万ですけれども。
 研究者の方の中には、もう受精をした段階でこれは命として始まっている、要は、胎児として命が始まっているんだ、こう言う研究者の方もおられます。受精した段階からお母さんとのコミュニケーションが始まり、命を育み始めているんだ、これが人の出発点であるというふうに言われる方も研究者でおられるんですね。恐らくそうだと思います、私も。
 ところが、今、そういう中で、経口中絶薬というものの承認に向けて進んでいると伺っています。これは母体に対しても実は大変大きな影響があるということは余り知られていません。それから、この経口中絶薬というのは、実は、口から飲んで簡単にできるように思われますが、余り言葉は私は使いたくないですけれども、中絶というものが物理的に赤ちゃんを潰して殺してしまうということに対して、これは、やはり、受精した胎児を窒息死させてしまう、殺すんです。殺して出すという薬なんです。劇薬なんです、はっきり言えば。それを承認しようという方向に進んでいる。
 いろいろな考え方があります。もちろん、いろいろな方々の立場に立って、必要だという議論もある。しかし、私は、どうも、命を貴ぼうと言っている中で、安易に、自分の都合でもって胎児の命を殺してしまうという風潮、命を軽んじる風潮に拍車をかけることになるのではないか。
 もちろん、何度も言います、いろいろな方々がおられて、必要だという方もおられて物事はあるんですけれども、しかし、せっかくこの万博で命のことを取り上げ、そして命の貴さを喜び、そうしている中で、片や、この社会においてこういう状況が生まれているということ。すなわち、胎児の生命権を奪うような状況が、私の表現で言えば、私の表現ですよ、胎児の生命権を奪うような風潮を助長するような状況が起こっていることについて、私は合点がいかないところがあるんです。
 その点についていかがお考えになりますでしょうか。
164 島村大(自由民主党・国民の声:厚生労働大臣政務官内閣府大臣政務官
○島村大臣政務官 まずは、声がかれているのは申し訳ございません。
 今委員から御質問ありましたように、まずは、経口中絶薬につきましては、御案内のとおり、昨年の十二月に薬事申請がなされ、現在、PMDAにおいて有効性、安全性の審査を行っております。
 人工妊娠中絶は、母性の生命健康を保護することを目的とした母体保護法に基づき、妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するもの等に限られて、この薬は承認されるものでございます。
 人工妊娠中絶の在り方については、委員御指摘のように、胎児の生命の尊重や女性の自己決定権等に関する様々な御意見が国民の間で存在し、また、個々、人々の倫理観、道徳観とも深く関係する難しい問題点でございます。
 いずれにせよ、人工中絶に限らず、予期せぬ妊娠に悩む女性への相談、支援も重要であると考えております。引き続き、支援を進めてまいりたいと思っております。
 以上です。
165 和田有一朗
○和田(有)委員 大変、花粉症でいらっしゃるんでしょうか、おつらい中での答弁、分かりました。
 自己決定権のことも触れていただいて、大いに議論があるんです。胎児の生命権というものは厳然としてこれはあるわけでありまして、それを、産む自由、産まない自由というような下で奪うことは、私はいかがなものかと思う。私が思うということは、そういう人もいて、議論になっているということを理解の上に、私はこの薬に関しては進めていただきたいと思います。
 もし、大臣、この点について何かお感じになることがあったら。ありませんでしょうか。
166 林芳正自由民主党外務大臣
○林国務大臣 所管外では必ずしもないかとは存じますが、留学時代でございます、プロライフとプロチョイスということで、たしかアメリカで判例も幾つか出ておって、また、このことが現在にもつながっておるかもしれませんが、たしかアメリカでは、共和党は主にプロライフ、そして民主党はプロチョイスということで激しい論争が行われていたということは承知をしておりますので、なかなかこれは一概に白黒というふうに決まらない、そういった問題であるというふうには承知をしております。
167 和田有一朗
○和田(有)委員 議論があるので、議論があるという前提で物事は考えていただき、その上で、万博が明るい万博になり、命を貴ぶ万博になって、地域経済が発展する、地域が前に進むという状況が生まれることを祈りまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第198回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号 平成31年2月27日
463 木村弥生自由民主党
○木村(弥)分科員 ありがとうございます。
 年間で、DV被害、殺人が一件、また殺人未遂が九十人、そして傷害致死が三人といった、本当に命の危険にかかわるような、そういった状況に今DV被害者がさらされていることをぜひ皆さんで共有していきたい。
 そして、もう一度申しますけれども、先ほどの副大臣の担当会議のときに、ぜひ内閣府も含めて一緒にやっていただきたいと私は強くお願いをしたいと思っておりますことと、DV法の方に子供の保護というものをきちんと明確に書いていただきたい、これをお願いしたいと思っております。
 次に、この児童虐待等に非常に密接なのが、望まぬ妊娠ではないかと私は思っております。
 厚生労働省の専門委員会の調査によりますと、ゼロ歳児の虐待死による死亡、ゼロ歳児の死亡人数が全体の四割以上を占めているところでございます。この背景というのは、結構、性暴力や性被害等も含まれると思いますが、若年女性の望まぬ妊娠の問題があるところでございます。日本で生まれた子供たちが年間九十四万人の中で、人工中絶件数が十六万件と言われております。
 望まぬ妊娠を防ぐための方法として、緊急避妊薬、いわゆるアフターピルというものがございます。これは、日本では医師による処方でしか入手できないものですけれども、保険が適用されずに費用もかかるため、非常に高額なものとなっておりますが、海外で並行輸入すると、インターネットを通じて三千円ぐらいで入手できてしまうという実態があるわけであります。
 これはなかなか、ちょっとどうしたものかと思うわけですね。やはり使用者の方のリテラシーというものが非常に不十分であることの懸念ということでOTC化が認められていなかったということは承知しておりますけれども、インターネットで簡単に入手できてしまうというのも非常にいかがなものかと考えております。
 この緊急避妊薬のアクセス向上に向けての今の政府の検討状況をお知らせください。
464 宮本真司厚生労働省医薬・生活衛生局長)
○宮本政府参考人 お答えさせていただきます。
 望まぬ妊娠や中絶を減らすため、必要な方が緊急避妊薬にアクセスしやすくするべきとの考え方は非常に意味のあることと考えております。
 OTC化の議論につきましては、先ほど先生から御指摘いただきましたように、平成二十九年のOTC化の評価検討会議において、薬剤師、薬局における受入れ体制や準備が課題の一つとして取り上げられたことを踏まえ、医師、薬剤師の関連団体において緊急避妊薬を含む産婦人科領域の医薬品に関する研修等が開始されたと承知しておりまして、今後、その状況を注視してまいりたいと考えております。
465 木村弥生
○木村(弥)分科員 ありがとうございます。
 これは本当に負のスパイラルがありまして、性暴力や児童虐待があって、それで自己肯定感の低下があって、孤立感や自傷行為があって、寂しさを埋めるための男女関係があって、それがまた性感染症児童虐待を生む。こういった負の連鎖を断ち切りたい、そういった思いでございますので、ぜひまた関係各位の皆様にお願いしたいと思っております。

第197回国会 参議院 厚生労働委員会 第4号 平成30年11月22日
036 足立信也(国民民主党・新緑風会
足立信也君 いや、昨日もその話あったんですけど、厚生労働省というか社人研でもう十五回にわたって出生動向基本調査というのをずっとやっているじゃないですか、戦前から。
 データがありませんなんて最初昨日言われたんですけど、全体の三五%、夫婦のですよ、不妊の心配をしていて、そのうち五二%が医療機関で検査や治療を受けているんです。それを聞いただけでも納得するんだけど、先ほどの浜谷さん、事実はそうかもしれないけど、これずっと動向見ているわけですから、そんな数なんだと、半分以上ですよ、ということをまず認識していただきたいと思うんです。
 そこで、社人研の二〇一六年の死因順位別死亡数、がんがトップで約三十七万三千、心疾患が十九万八千肺炎が十一万九千、脳血管疾患が十万九千。三番目のこの肺炎よりも更に多い十六万八千件、この数字は、印象でいいんですが、大臣、何の数字だと思いますか。
037 根本匠自由民主党厚生労働大臣
国務大臣根本匠君) 先生、今、がん、心疾患、肺炎、三番目、がんと心疾患の次の三つ目、がん、心疾患の間、がん、心疾患でしょう。それは脳疾患じゃないですか。
038 足立信也
足立信也君 いいんです、思いを聞きたいんですから。十六万八千件というのは、肺炎よりも脳血管疾患よりもはるかに多い、人工妊娠中絶です。
 そこで、これ、人工妊娠中絶、ちょっと説明口調になって申し訳ないんですが、妊娠十二週未満は子宮内容除去術と、妊娠十二週から二十二週未満は人工流産するわけですね、これ中期中絶と言います。中期中絶は十二週から二十一週までですから、これは陣痛促進剤を投与して出させるわけですね。ほとんどが出たとき生きているんです。何とかそれをなくしてしまうわけですね。
 そういうことなんですが、これは通告しているので、分かるかどうか、十二週未満の早期の子宮内容除去術、この数と、十二週から二十一週までのいわゆる中期中絶、この数ってどれぐらいか分かりますか。
039 大西康之(厚生労働省政策統括官)
○政府参考人(大西康之君) 十二週未満の数でございますが、衛生行政報告例というものに基づきますと、平成二十九年度で十五万五千百二十三件、それから十二週から二十一週までのものにつきましては九千四百五十件となっておるところでございます。
040 足立信也
足立信也君 分かりました。統計があるんですね。
 これ、社人研のデータで私ずっと見ていても、なかなか十二週未満の中絶と中期中絶の分けたデータがなかったので、これは分けてやるべきだなとずっと思っていたんです。その理由は後で申し上げますが、今、正確なデータを出していただいたので、これはフォローしてもらいたいと思います。
 特に、後で中期中絶のことについて申し上げたいと思います。それはなぜかというと、その前に、その初期のというか、十二週未満と中期中絶で大体どれぐらいの医療費が掛かっているんでしょう。分かりますか。
041 浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 人工妊娠中絶に掛かる費用でございますけれども、厚生労働省におきましては統計的には把握をいたしておりません。
042 足立信也
足立信也君 私がいろいろ聞いたりしていたところでは約四百億ですよ、四百億ということです。
 私が今日まず取り上げたいのは、緊急避妊薬、アフターピルのことです。
 まず、これは、先進国というか欧米に比べて十年ぐらい遅れて承認されたんですが、医師の診察、処方がないと手に入れることはできない。去年、医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議というのが行われました。そして、このアフターピル、緊急避妊薬を市販化、OTC化できないかという議論があったわけです。これは否定されました。
 まずは、その理由、その理由いろいろあるんでしょうが、これは大臣にお聞きしたいと通告したのは、何が主な理由で否定されたのか。私が聞くところによると、議論の最中はかなり賛成意見が強かったと、九対一という話もありますけど、最終的にひっくり返ったということを聞いているんですが、主な理由は何だったんでしょうか。
043 根本匠
国務大臣根本匠君) これは、委員の話にありましたように、その評価検討会議、これは公開で議論を行っていると聞いております。この検討会議で様々な議論があったようであります。様々な議論がありました。緊急避妊薬が完全に妊娠を阻止させるものではないこと、あるいはOTC化により悪用や乱用などのおそれがあること、欧米と異なり、日本では避妊薬等に関する使用者自身のリテラシーが不十分であることなどの懸念があるとされたと聞いております。
044 足立信也
足立信也君 今三点ほど大臣おっしゃられましたけれども、確実性が低いという話ありましたが、私も、これやっぱり厚生労働省のデータで、避妊の手段とかやられているわけですが、圧倒的に多いのはコンドームの使用で、次が膣外射精。これの失敗率というか、私は緊急避妊薬よりもはるかに高いと思いますよ。その一点目はまず否定されると思う。
 残る問題は、リテラシーがそこまでないということだと思うんです、最終的にひっくり返ったのはね。じゃ、そのリテラシーがそこまでないということに対して、会議ではそういう意見だったけど、どういう対策を考えるんでしょう、厚労省としては。
045 宮本真司
○政府参考人宮本真司君) 当日の議論などでも御指摘があったところでございますけれども、一つは、購入者の方のリテラシーの問題もございますし、それから、販売する薬局、薬店における説明する薬剤師等の説明能力や知識の問題、それから、緊急避妊薬でございますので、非常に厳しい状況の下での妊娠回避、阻止を目的とするということでいけば、そういった医学的な知識や説明能力に加えて、その後の必要とされている方のメンタルのフォローアップといったことも必要であるということが御議論されたところでございまして、現在、関係する薬剤師関係団体あるいは医学界の関係する領域の専門家の間におきまして、どのような対応をすべきかということについて検討に着手しているという状況でございます。
046 足立信也
足立信也君 そこで、私、これ前にもこの委員会でも言いましたし、予算委員会でも言いました。ヘルスリテラシーということは、日本は極めて低いんですよ。例えば、医師から言われたことを理解するのは難しいと答えた人は、日本は四四%、EUは平均一五%です。それから、病気の治療に関する情報を見付けるのが難しいと答えた人は、日本は五三%、EU平均二七%です。これ、ヘルスリテラシーの平均点というのが五十点満点でありまして、アジアでは台湾がトップです、三十四・四、日本は二十五・三点で、ミャンマーベトナムよりも低くて最下位なんです。
 必要なことは、私、この前も言いましたが、本当に、医療費、無駄を削減するためには、医療のことを勉強してもらったらいい、義務教育の間に。どうやって病気になるのか、それを予防するには何がいいのかということを勉強してもらうのが一番いいですよ。だらだら暮らしている人の医療費まで健康な人が払うのかというんじゃなくて、教育でやるのが私は一番いいと思うし、四年後には十八歳で成人になって契約も結ばなきゃいけないというようなこと。
 それから、雇用、労働、ワークルールの話ですが、これ超党派でいろいろ詰めましたけど、働くというのはどういうことなのか。悪質クレーマーの問題だって、労働のことをきちっと学んでいれば減ると思いますよ。そういったことが、私は、義務教育の間に生きる力を付けさせる、一人前になるための力を付けさせる、もう三年後には成人扱いなんですから。
 ということが大事だと思っているんですけど、これ予算委員会でどなたも答えられることはされなかったので、大臣に、この教育ということは、ここは厚生労働委員会ですから主に雇用、労働、それから医療、そして今ヘルスリテラシーが低いということに対してどうやったらいい、何をするべきだということを、思いを語ってもらえませんか。
047 根本匠
国務大臣根本匠君) 私は、委員のお話のように、やはり小学校の頃から、ヘルスリテラシー含めて、社会保険の話もそうだし、労働の尊さもそうだし、そういうことはやはり小学校の時代に様々教育していくことが必要だと思います。そして、それぞれの小学生に生きる力を付けていただくということが大事だと思います。
 そして、健康に関する正しい知識についての教育、これは今、厚生労働省、どういうことを取り組んでいるか。これは、文部科学省と連携して、中学、高校、大学等における講義やセミナーの実施によって、例えば労働関係法令の基礎的な知識もやる、あるいは義務教育を含めた学校におけるがん教育の推進などの取組を進めてまいりました。
 やはり、それぞれの教育段階において、健康、医療、あるいは労働、私は、金融もそうだと思いますけど、やはり将来の子供たちがしっかりと小学生の段階に基本的なそういう知識もしっかりと付けてもらうことが、将来的にこれからのことを考えると大事だなと思います。
048 足立信也
足立信也君 そこは共有できたと思いますし、思いは伺わせていただきました。学校では、今、がん教育等々熱心に取り組まれてやられております。
 それで、先ほどの緊急避妊薬が最終的に否定された、市販化がですね、その理由は、性教育がまだ不十分だというか、性教育をすることすらはばかられるような意見もやっぱりあるわけです。でも、避妊はしている、まず行為はそれ必要なんだけれども、失敗の可能性が高かったら、より確実性のあるものを緊急的に補えるという環境は、私は大事だと思います。
 これ、知らないのは本人が愚かなのかもしれないけれども、知らせないのは罪ですよ、そこはね。これはやっぱり行政としてやることだと思うんです。
 そして、先ほど言いました中期中絶の話なんですが、出産というのは、妊娠十二週以降、つまり四か月、八十五日以降ですね、早産、死産、中絶が入ってくるわけです。なので、先ほど言いました中期中絶、十二週から二十一週、この方々にも出産育児一時金が出るんですね、四十二万円出るんですよ。
 そこで、現在は、これは母体の関係で、それから保険ですね、産科医療保険の分が抜けているから今は四十万四千円ですが、出産育児一時金が出るんですね。このことは、大臣、御存じでしたか。
049 根本匠
国務大臣根本匠君) 出産一時金については知っております。
050 足立信也
足立信也君 そこで、予算委員会のときに一夫多妻制の国とか第二夫人、第三夫人はどうなるのかという話をしたわけですが、元々、出産育児一時金というのは、日本では事実婚でも出ます、当然。それから、十二週以降出るわけですね。中絶しても出るわけですよ。
 この出産育児一時金というのは、その支払われる対象というか、誰に払われるんですか。
051 樽見英樹
○政府参考人樽見英樹君) お答え申し上げます。
 出産育児一時金でございますけれども、被保険者若しくは被扶養者が出産した際に被保険者に対して支払われるということになっております。
052 足立信也
足立信也君 そこで、私がこの前整理が必要だと申し上げたのは、特定技能者が日本に入ってくる。その本人、あるいは一夫多妻制の国であっても配偶者一人認められる、被扶養者として。そして、本人の子供はみんな被扶養者になる。その親はという話ですよ、その親は認められないんですと。しかし、出産育児一時金という制度は、親、本人が対象なんですね。子供は被扶養者なんだけど、その親は違いますよ、出ないという形なんですけれども、それが整合性が取れているのか。
 日本は、先ほど言いました、事実婚でも出るわけです。その人は、本人が保険に入っているという前提で出るんでしょうが、保険に未加入な場合は日本の事実婚の場合は出るんですか、出産育児一時金は。
053 樽見英樹
○政府参考人樽見英樹君) 保険に入っておられないということであれば、出ないということになるはずです。
054 足立信也
足立信也君 様々な救済措置がありますよね、緊急的に加入にするとかですね。
 ということの制度の中で、先ほど申し上げました在外、外国にいる方々、そして子供が将来そのまま生まれたら被扶養者になる方の親に対しては制度的な矛盾がないですかという話で、それはもう要検討対象だということになっているわけですね。健康保険法についても検討が必要だというのはこの前答弁されました。我々としては、そこまでちゃんと検討してこの入国管理法を出してくれよというのが主張なわけですけれども。
 そこで、今整理することの中で、出産育児金は本人に払われる、そして、その方々が被扶養者ではない場合は払われない、子供は被扶養者になると。このことが矛盾としてはもう全くないという考えでいいですか。今のままでいいんだと。
055 樽見英樹
○政府参考人樽見英樹君) 整理いたしますと、例えば第二夫人といいますか、被扶養者、奥さん、奥様といいますか、夫人について、被扶養者になるのは一人ですということです。それで、お子さんは、被保険者の子供であれば、子供は被扶養者になります。ですから、例えば被保険者の間の子供が被扶養者であって、そのお子さんがまた出産したということになれば、これは出産育児一時金が支給されるということになるわけです。ですが、奥様については一人が被扶養者ということですから、第二夫人が出産したということになっても、ここは被扶養者でありませんので、それについては出産育児一時金は支給をされないということになるわけでございます。
 この仕組みということについてでありますけれども、被扶養者が出産をすれば支給をされるということでございますので、結局、これ言わば健康保険制度における被扶養者ということの整理の問題だと思いますけれども、そことしては言わば一貫している形になっているというふうには思っております。
056 足立信也
足立信也君 いや、樽見さん、今ちょっと気になったことは、お子さんが生まれたら出産育児一時金が払われる。さっき私が聞いたのは、出産育児一時金の支払の対象は誰ですかと。それ今、母親だという話でした、さっきは。子供が生まれたら誰に払われるんですか。
057 樽見英樹
○政府参考人樽見英樹君) 済みません、ちょっと言葉足らずであったかと思います。
 まさに被保険者に対して出産育児一時金は支払われるので、奥様が、被扶養者である奥様がお子さんを産んだときに被保険者に対して支払われるわけでありますし、被扶養者が対象ですので、例えばお子さんが被扶養者になっている、そのお子さんが出産をされたというときにも出産育児一時金は支払われますが、これは被保険者に対して支払われるということでございます。
058 足立信也
足立信也君 孫の話をしたんですね。
059 樽見英樹
○政府参考人樽見英樹君) はい。
060 足立信也
足立信也君 制度的には矛盾がないという今主張だったと思いますが、この前、外国人の方には在日要件とかいうことも私言いましたが、検討対象だということを言いましたけれども、健康保険に関しては、やっぱりそこら辺はしっかり議論した方がいいと思いますよ。それだけ申し上げておきます。