リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

令和3年(2021年)度衛生行政報告例の概況

中絶件数、中絶率ともにますます減少!

2023年1月19日付で最新データが公開されていました。
5 母体保護関係
衛生行政報告例統計

5 母体保護関係

 令和3年度の人工妊娠中絶件数は 126,174 件で、前年度に比べ 15,259 件(10.8%)減少している。「20 歳未満」について各歳でみると、「19 歳」が 4,051 件と最も多く、次いで「18 歳」が2,466 件となっている。
 人工妊娠中絶実施率(女子人口千対)は 5.1 となっており、年齢階級別にみると、「20~24歳」が 10.1、「25~29 歳」が 8.4 となっている。「20 歳未満」について各歳でみると、「19歳」が 7.1、「18 歳」が 4.5 となっている。(表6、図8、図9、統計表3、統計表8)


一方、「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」の結果の概要は以下の通り。

結 果 の 概 要
1 出生数は減少
 出生数は 81 万 1622 人で、前年の 84 万 835 人より 2 万 9213 人減少し、明治 32 年の人口動態調査開始以来最少となった。出生率(人口千対)は 6.6 で前年の 6.8 より低下し、合計特殊出生率は 1.30 で前年の 1.33 より低下した。(第1表)
 母の年齢(5歳階級)別にみると、出生数は 40~44 歳の階級では前年より増加したが、その他の階級では減少した。合計特殊出生率の内訳は 34 歳以下の各階級で前年より低下したが、35 歳以上の各階級では上昇した。
 なお、出生数及び合計特殊出生率の内訳ともに、30~34 歳の階級が最も高くなっている。(第4表(1)、第5表(1))
 出生順位別にみると、出生数及び合計特殊出生率の内訳ともに、第3子以上で前年より上昇した (第4表(2)、第5表(2))。
 母の年齢(5歳階級)別と出生順位別を併せてみると、合計特殊出生率の内訳は 15~24 歳の各階級ではいずれの出生順位についても前年より低下した(第5表(3))。

毎年のことながら、中絶数は年度、出生数は暦年なので実際にはズレがあるが、仮に出生数と中絶数を合わせたものを「妊娠数」とみなして、対出生数の中絶率を出すと以下の計算になる。

中絶率=中絶数÷(出生数+中絶数)=126,174÷(811,622+126,174)=13.5%

前年度の同じ計算の数値は14.4%なので、より下がっていることになる。*1

つまり、妊娠した人の7.4人に1人が中絶している。

詳細はこちらから。
www.e-stat.go.jp

なお、事由別の統計は次にある。
人工妊娠中絶件数,年齢階級・妊娠週数・事由別