リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ミフェプリストンとミソプロストールはなぜか「劇薬」に指定された

込み入った話なので再度説明を試みます

昨日、メフィーゴパックの添付文書において「劇薬」に指定されていることに気づきました。昨夜からそのことをツイッターなどで広めようとしていたら、私が見つけた添付文書のURL(以下)の情報が今朝になって削除されていました。https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/249910AX1028_1_01/

別の経路で検索していったところ、添付文書そのものは別のURLにあるのを見つけることができました。https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/841049_249910AX1028_1_02
パブコメの時の資料になっていた添付文書(案)にはなかった「劇薬」の表示が付いています。
パブコメのサイト https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495220368&Mode=0パブコメの際の添付文書(案)https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000253140
この添付文書を見つける過程で、「審査報告書」が令和5年4月28日付けになっていたことに気づいてクリックして中を見てみました。https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230501001/841049000_30500AMX00126_A100_1.pdf
すると、パブコメの時の「審査報告書」の上に2頁追加されたファイルになっていました。しかもその2頁は、医薬・生活衛生局医薬品審査管理課が令和6年4月26日に出した審議結果報告書であり、その中に「ミフェプリストンの原体及び製剤並びにミソプロストールの製剤はいずれも劇薬に該当するとされた。」と、元々の審査報告書の「審査結果」にはなかった一文が付け加えられていたのです。
実は「審査報告書」には 、別紙として令和 4 年 9 月 30 日付けの「審査報告(1)」と令和 4 年 11 月 8 日付けの「審査報告(2)」が添えられており、後者の「総合評価」という項目の中に、上述の「劇薬に該当」の一文が入っています。
「審査報告(1)」の冒頭には、「本申請において、申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構(PMDA)における審査の概略等は、以下のとおりである。」とあり、基本的に申請者であるラインファーマ社の資料に基づいて、PMDA担当者が判断を示している内容になっています。
一方、「審査報告(2)」の冒頭には、「専門協議及びその後の機構における審査の概略は、以下のとおりである。なお、本専門協議の専門委員は、本品目についての専門委員からの申し出等に基づき、「医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達」(平成 20 年 12 月 25 日付け 20 達第 8 号)の規定により、指名した。」とあります。
つまり、(2)の審査を行ったのは下記の「達」の規定により指名された「専門協議の専門委員」だということになります。https://www.pmda.go.jp/files/000245668.pdf

「審査結果」には書いていなかった「劇薬に該当」が蘇ってきたわけですが、審査報告の中には劇薬に値するようなデータは見当たりません。私のブログを参照してください。https://okumi.hatenablog.com/entry/2023/04/07/120437

これについて、「劇薬にした根拠は何なのか」と問う必要があると考えます。