リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

カナダCBC: 保守党議員の妊婦への暴力に関する法案が中絶議論を再燃させる

Laura Osman · The Canadian Press · Posted: May 09, 2023 6:11 PM EDT | Last Updated: May 10

保守党議員の妊婦への暴力に関する法案が中絶議論を再燃させる
活動家グループは、法案が胎児の権利に関する法的議論につながる可能性があると考えている

仮訳します。

 保守党の下院議員による私的議員法案が、法案では中絶そのものに一切言及していないにもかかわらず、カナダにおける中絶に関する議論をかき立てている。

 保守党のキャシー・ワガンタール(Cathay Wagantall)議員の法案は、妊娠中の被害者に対する身体的・精神的被害を、判決時の加重要因として考慮するよう裁判官に促すものである。

 サスカチュワン州の議員であるワガンタール議員は、「これは、その個人に傷害や死を加えようとする第三者から攻撃される妊婦に焦点を当てたものです」と述べた。

 ワガンタール氏議員中絶反対派であるが、この法案であるBill C-311は中絶とは関係なく、完全に女性に対する暴力に焦点を当てたものだという。


ジョリー氏、国連人権理事会へのカナダの立候補を表明へ
 だが、カナダ中絶権連合は、法案の本文自体には胎児の権利に関する記述がないにもかかわらず、胎児の権利を促進するという理由で法案に反対票を投じるよう国会議員に促している。

 連合のエグゼクティブ・ディレクターであるジョイス・アーサー氏によると、中絶に反対するグループの中には、暴力犯罪の場合に「生まれる前の子供」を法的に認めることになるこの法案を前向きなステップと捉える人びとがいるという。

 「一見、問題のある法案には見えないかもしれないが、この法案を非常に疑ってかかるべきあらゆる関連した理由がある」とアーサーは述べた。

 「この法律が成立した場合、中絶反対運動がこの法律を悪用し、さらに中絶に制限を加えようとする可能性があるのは間違いなく、、非常に警戒すべきだと思う」。


議会の楔となる問題
 議員立法が法律になることはほとんどなく、今回の法案も同様に下院を通過する可能性は低いが、議員たちの間で中絶が楔のように扱われることが復活した。

 ワガンタール氏は、法案が最初の本格的な審議に入る前の火曜日の朝、下院のホワイエで自分の法案について記者団に語った。だが結局、審議は延期された。

 一方、ワガンタールが会見をしている間、マーシ・アイエン女性地位相は通りの向こう側の建物で、政府が中絶へのアクセスを改善するためのプロジェクトに、性と生殖に関する健康基金から420万ドルを提供すると発表した。

 アイエン議員ら自由党の閣僚は、ワガンタール議員の法案を、カナダにおける中絶の議論を再開させることを狙ったものだと説明している。