リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

hCGレベルの変化を使ったVery Early Medical Abortion(超初期内科的中絶:VEMA)

超早期の妊娠確認は尿検査ではなく血液検査を1週間開けて2回行うことで測定可能である

先に、日本で行われている尿を用いた妊娠検査について東邦大学医療センター大森病院臨床検査部の説明を見てみましょう。
妊娠検査薬で妊娠判定が出来るのはなぜ? —hCGについて—|東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin : hCG)という物質を検出することで妊娠の有無を確認しているのですね。

妊娠検査薬で妊娠判定が出来るのはなぜ? —hCGについて—
コラム
妊娠しているかどうか一刻も早く知りたいとき、市販の妊娠検査薬で確認される方も多いのではないでしょうか。しかし市販の妊娠検査薬は簡単に検査できる反面、検査の時期や体調などによって正しい結果が得られない事もあります。そこで今回は、なぜ妊娠判定が出来るのかも含め妊娠検査薬に使用されているhCGについてお話したいと思います。

妊娠検査薬は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin : hCG)という物質を検出しています。hCGとはαとβの2つのサブユニットからなる糖蛋白質ホルモンです。このホルモンは、受精卵が着床して直ぐに妊娠絨毛の栄養細胞で産生され、黄体を刺激しプロゲステロンというホルモンの産生を促し、妊娠6~8週までの妊娠維持に促進的に働きます。通常、妊娠中にのみ著しく産生されるため、尿中のhCGを検出する事で妊娠を早く知る事が出来ます。現在、市販されている妊娠検査薬の測定原理には、イムノクロマト法という抗原抗体反応を利用した方法が用いられています。

AidACCESSによると、このhCGホルモンは以下のように変化します。
What are hCG hormone levels during pregnancy? @ AidAccess

妊娠中のhCGホルモン値とは?
 hCGホルモン(別名:妊娠ホルモン)は、妊娠中に体内で生成されます。hCGホルモンの値は、血液または尿で測定することができます。

チャート:妊娠中のhCGホルモン値
妊娠中のhCGホルモン値は、最終月経(LMP)からの週数で測定します。

3週間 5~50mIU/ml
4週間 5〜426mIU/ml
5週間 18 - 7,340 mIU/ml
6週間 1,080〜56,500mIU/ml
7~8週目 7,650〜229,000mIU/ml
9~12週 25,700〜288,000mIU/ml
13~16週目 13,300〜254,000mIU/ml
17~24週 4,060〜165,400mIU/ml
25~40週 3,640〜117,000mIU/ml


 これらのhCGホルモン値は、あくまでも目安の範囲です。妊娠中、hCGホルモン値は、人によって異なる速度で増加する可能性があります。


中絶後、hCGホルモンのレベルはいつ正常に戻るのでしょうか?
 ほとんどの人は、中絶後約4~6週間でhCGホルモンレベルが妊娠していない時の範囲に戻ると予想できます。

妊娠を疑ったらとりあえず血液検査でベースとなるhCG値を取っておき、翌週もう一度来て血液検査をすることで、hCG値が上がっていたら妊娠と考えられる。この時点でミフェプリストンとミソプロストールの2剤を処方し、VEMA(超初期内科的中絶)を行う。それで流産が起こらなければ子宮外妊娠の可能性があるとして高次医療機関につなぐ。このように早期にスクリーニングを行うことで、卵管破裂などのリスクは非常に低くなる……ということだと、私は理解している。