リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

メフィーゴパックのその後

薬事審議会 医薬品第一部会 資料 令和6年8月26日(月)

薬事審議会 医薬品第一部会 資料|令和6年8月26日|厚生労働省

医薬品メフィーゴパックの適切な使用体制のあり方について

人 工 妊 娠 中 絶 実 態 調 査 の 結 果
⚫ 調査医療機関
2096施設 (病院:660施設 有床診療所:873施設 無床診療所:562施設 不明:1施設)
⚫ 調査期間令和5年5月~10月の人工妊娠中絶件数
総数:36,007件
掻把*1法のみ:4,984件、吸引法のみ:22,513件、掻把*2・吸引併用:8,075件、メフィーゴパック:435件
(メフィーゴパック使用435件のうち、1剤のみで排出15件、2剤で排出381件、2剤使用後排出されず手術39件)
⚫ 人工妊娠中絶症例での重篤な合併症*の頻度(手技別)
合併症総数:114件(0.317%)
掻爬法のみ:20件(0.401%) 、吸引法のみ:44件(0.195%) 、掻爬・吸引併用:50件(0.619%) 、メフィーゴパック:0件(0.000%)

⚫ 搬送や時間外受診が必要であった症例
外科措置:30件(0.084%)
自院での時間外対応:18件(0.051%)、他院へ搬送:5件(0.014%)、他院のみで対応:7件(0.020%)、メフィーゴパック:6件(1.379%)
自院での時間外対応:6件(1.379%)、他院へ搬送0件(0.000%)、他院のみで対応0件(0.000%)


 十分な症例数(治験の約4倍)の情報をもとに、メフィーゴパックを適切かつ安全に使用可能な体制について検討した。


▊ 補足
 製造販売後調査においても、日常診療の使用実態下における感染症及び重度の子宮出血の発現割合を、国内第III相試験における重篤感染症及び子宮出血に関連する有害事象の発現割合である0.83%(1/120 例)及び1.67%(2/120 例)とそれぞれ同程度と仮定した場合に、400 例確保すれば当該事象の発現割合を一定の精度で推定することが可能とされている。
*子宮穿孔・子宮破裂、輸血を要する大量出血、血栓・塞栓症、アナフィラキシー、母体死亡等


出典:令和5年度こども家庭行政推進調査事業費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業
「経口妊娠中絶薬における人工妊娠中絶の実態調査及び適切な情報提供等に関する研究」総括研究報告書(研究代表者 中井 章人)


上記の出典である中井章人の研究報告
経口妊娠中絶薬における人工妊娠中絶の実態調査及び適切な情報提供等に関する研究

その結果の一部

表 5施設で採用している人工妊娠中絶の方法(n=1675)(重複あり)
掻把*3のみ 311(18.6)
吸引のみ 996(59.5)
掻把吸引併用 536(32)
フィーゴパック 43(2.6)
数値はn(%)人工妊娠中絶を1例でも施行している施設数に対する

表 6調査期間中(令和5年5月~10月)の人工妊娠中絶数
総数 36007
掻把法のみ 4984(13.8)
吸引法のみ 22513(62.5)
掻把・吸引併用 8075(22.4)
フィーゴパック使用 435(1.2)
妊娠9週0日まで 28346
掻爬法のみ 3450(12.2)
吸引法のみ 18286(64.5)
掻爬・吸引併用 6175(21.8)
フィーゴパック使用 435(1.5)
1剤のみで排出 15(3.4)
2剤で排出 381(87.6)
1剤使用後手術 0(0.0)
2剤使用後手術 39(9.0)

*1:ママ 正しくは「掻爬」

*2:ママ

*3:ママ 正しくは搔爬