地域 2024年9月8日 (日)配信読売新聞
無痛分娩の件数・料金、東京都が出産施設150か所で初調査へ…公的医療保険適用外で高額費用 : 読売新聞
東京都は今月にも、助産所を除く都内全ての出産施設計約150か所を対象に、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛 分娩に関する初の実態調査に乗り出す方針を固めた。各施設に無痛分娩の件数や料金などをアンケートで尋ねる。データを収集し、無痛分娩の助成制度の設計に役立てる狙いがある。
都関係者によると、実態調査は1か月ほどかけ、産科のある病院約90か所と診療所約60か所の計約150か所に書面で行う。出産に対応する医師・看護師の数や無痛分娩の実施件数、1件あたりの料金のほか、未実施の場合はその理由を尋ねる。
日本産婦人科医会が2023年に実施した調査によると、無痛分娩を利用した人は8万9044人と、5年前より約4万人増えた。利用者の割合は出産全体の11・6%だが、都道府県別では、東京都が3割弱と最も高い。無痛分娩は公的医療保険の適用外で、3万~15万円の追加費用がかかり、都市部ほど高額化する傾向にあるという。都が都内在住の妊婦や出産経験者らに実施したアンケートでも、無痛分娩を断念した人の2割が、高額な費用を理由に挙げた。
小池百合子知事は7月の都知事選で、少子化対策の一つとして、無痛分娩費用の助成を公約に掲げ、3選を果たした。都によると、無痛分娩の費用助成制度を設けている都道府県はなく、実態調査の結果から課題を把握し、制度設計に着手したい考えだ。
妊婦の負担軽減策を巡っては、政府の有識者検討会が、無痛分娩を含む出産費用を保険適用の対象にするかどうか議論を進めている。