リプロな日記

中絶問題研究家~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

FIGOナイロビ会議が示す、日本の女性医療に必要な変革

FIGO、ICM、WHOの合同会議からのメッセージ

FIGO's October news: our latest publications and activities

以下要約・解説します。

「競争」から「協働」へ

 先日、ナイロビで開催されたFIGO(国際産婦人科連合)、ICM(国際助産師連盟)、WHOの合同会議から、重要なメッセージが発信されました。

 FIGO会長アン・キハラ教授の言葉が印象的です。

「競争的で階層的なリーダーシップでは前進できない。女性を中心に据えた協働的リーダーシップが必要」


日本の現状を振り返る

 日本の産科医療においても、産婦人科医と助産師の関係は必ずしも対等な協働関係とは言えない現実があります。職種間の階層性、縦割りの組織文化、そして何より「女性を中心に」という視点の欠如が、質の高いケアの提供を妨げているのではないでしょうか。


具体的な課題

 この会議では以下の重要なテーマが議論されました:

  • 包括的中絶ケア家族計画の統合的アプローチ
  • 専門職間の障壁を取り除く実践的方法
  • 教育カリキュラムの改革


 日本では、中絶ケアや避妊に関する包括的な情報提供とケアが十分とは言えません。医療者間の協働不足が、女性の選択肢を狭めている可能性があります。


今、必要なこと

1. 対等なパートナーシップ: 産婦人科医、助産師、看護師が対等な立場で協働する
2. 女性中心のケア: 専門職の都合ではなく、女性のニーズを最優先に
3. 教育改革: 学生時代から専門職間協働を学ぶ機会を


行動を起こす時

 FIGOとICMは2026年初頭に共同声明を発表予定です。国際的な潮流は明確に「協働」へと向かっています。

 日本の女性医療も、この変革の波に乗り遅れるわけにはいきません。それぞれの立場から、できることを始めましょう。

女性のために、そして女性とともに。

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 この会議の参加者たちは「活力を得た」「鼓舞された」「エンパワーされた」と語っています。日本でも、そんな協働の文化を育てていきたいものです。