リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ICPDにおける中絶の扱い方

RHRを定義したことで知られるカイロの国際人口開発会議(1994 ICPD)のProgramme of Action(行動計画PoA

中絶を扱ったパラグラフ8.25の全文は次の通りである。

いかなる場合にも、中絶は家族計画の方法として推進されるべきではない。すべての政府および関連する政府間組織と非政府組織は、女性の健康に対するコミットメントを強化し、危険な中絶(脚注で定義)の健康への影響を主要な公衆衛生上の懸念として扱い、家族計画サービスの拡大および改善を通じて中絶への頼みを減らすよう強く要請されている。望まない妊娠の防止は常に最優先されなければならず、中絶の必要性をなくすためにあらゆる試みがなされるべきである。望まない妊娠をした女性は、信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングをすぐに利用できるようにすべきである。保健制度における中絶に関連するいかなる措置や変更も、国の立法過程に従って国または地方レベルでしか決定することができない。中絶が法律に反していない状況では、そのような中絶は安全であるべきである。どのような場合でも、女性は中絶から生じる合併症の管理のための質の高いサービスを利用できるようにしなければならない。中絶後のカウンセリング、教育、家族計画サービスが迅速に提供されるべきであり、それはまた中絶を繰り返さないための一助となる。

【第4回】世界におけるセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)の取り組み ~国際社会で揺れ動くSRHR

Joicpf 知るジョイセフの活動とSRHRを知る 2022.10.12


著者:勝部 まゆみさん
ジョイセフ事務局長(2015年~、2017年から業務執行理事を兼任) ベトナムニカラグア、 ガーナ、タンザニアなどでリプロダクティブ・ヘルスプロジェクトに携わってきた

SDGsMDGsの違いなど、勉強になります。一部抜粋させていただきます。

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツへの道のり ③
 今回は、国際社会が人類共通の目標として掲げた持続可能な開発目標(SDGs)におけるSRHRと、SDGsの前身となったミレニアム開発目標MDGs)について詳しく見ていきます。

(3)ミレニアム開発目標MDGs: 2001 ~2015)と持続可能な開発目標(SDGs: 2016 ~2030)
2000年に国連で採択されたミレニアム開発目標MDGs)は当初、保守派による政治的バックラッシュを受けて、女性の健康を決定づけるRHRに関して言及することなく、妊産婦の健康の改善という内容に意図的に限定したことが厳しく批判されました。その後、妊産婦の健康を保証するためには、リプロダクティブ・ヘルス・サービスの普遍的アクセスが必要であるとして、多くの研究者、NGO、関連団体の強い働きかけがなされました。その結果、2005年に「2015年までにリプロダクティブ・ヘルス(RH)に対する普遍的アクセスを実現する」というターゲットが加えられましたが、この目標に対する指標が正式に確定したのは、2007年のことでした[23]。MDGsの最終評価では妊産婦死亡やRHサービスへのアクセスについては、国・地域間で格差が大きく、未達成のアジェンダとしてSDGsに引き継がれました[24]。

 2016年から2030年までの国際的合意である持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)は、ICPD(1994年にカイロで開催された国際人口開発会議)の行動計画と北京会議の行動綱領を踏襲して策定されています。SRHR分野の達成すべき目標とターゲットが、SDG3(健康)とSDG5(ジェンダーの平等)に明確に言及され、ジェンダーの平等、女性のエンパワーメントとともに、SDGsの達成に不可欠な要素として位置付けられました。

 2019年11月に国連人口基金UNFPA)、 ケニア政府、デンマーク政府が共催し、170カ国の政府機関、市民社会、ユース団体、企業などから約 8300人が参加したICPD+25 ナイロビサミットでは、25年の進展と未だに残るSRHRの課題が確認されました。特に深刻な課題が3つ挙げられています。1)2億2000万人の女性が、必要とする家族計画サービス(避妊手段)を手にいれることができないこと、2)適切なケアがあれば予防可能であるにも関わらず、妊娠、出産、安全でない人工妊娠中絶によって、1日に800人の女性が命を失っていること、3)ジェンダーに基づく暴力、児童婚や女性性器切除(FGM)などの健康や命を損なう有害な慣習が続いていることです。

 さらに、女性、女児、若者はじめ、多様な人々を取り巻くSRHR、ジェンダー、エンパワーメント、イノベーションなどが幅広く議論され、若い世代はじめ、当事者が政策の決定プロセスに加わる重要性が危機感をもって議論され、各国の政府、国連・国際機関、市民社会が、人権としてのSRHRの推進に、強い決意とコミットメントを表明しました[25]。

 その後、国際社会は新型コロナウイルス感染症という未曾有の世界的パンデミックを経験し、その中で女性と女児のSRHRも、後述するように、危機的状況を迎えることになります。(後略)


[23] Lucia Berro Pizzarossa, “Here to Stay: The Evolution of Sexual and Reproductive Health and Rights in International Human Rights law”, Department of Transboundary Legal Studies, University of Groningen, 9712EA Groningen, The Netherlands, p10.

[24] UN Department of Public Information、国連ミレニアム開発目標報告2015、https://www.unic.or.jp/files/14975_2.pdf

[25] ジョイセフもICPD+25に参加し、本会議場でNGOとしてのコミットメント発表の機会を得た。https://www.joicfp.or.jp/jpn/2019/12/24/44987/

厚生労働省 令和3年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 「子どもを亡くした家族へのグリーフケアに関する調査研究」

妊娠初期の中絶体験に関する構成主義的ビジョン

Sam Rawlands医師の論文より

A Constructivist Vision of the First-Trimester Abortion Experience - PMC

 既存の制約がない世界では中絶経験はどのように見えるでしょう? 女性のリプロ・ライツを追求するために、国家は積極的に義務を果たすべきです。妊娠初期に中絶する女性の権利に干渉し、制約を課すのであれば、説明責任は国家の側にある。このビジョンでは、中絶は人間中心的であり、可能な限り平常化されます。

 中絶に関する質の高い情報は、複数の情報源とさまざまなフォーマットで自由に利用できます。可能な限り、中絶は女性が選んだ場所で行われ、薬による中絶の場合は、必要なときにすぐさま優れた臨床的支援を受けながら自己管理すればいいのです。中絶の生きた経験を支えるために医療者には環境を整える責任があるのです。
 中絶の非犯罪化については、どのような法律を解体する必要があるのでしょう。私たちは「構成主義」アプローチを採用し、中絶を経験した女性の生きた経験を含む研究や文献から、質の高い中絶体験を支えるために何が必要かを考えています。
 私たちの脇には、子宮を持つ人々(以下、簡潔にするために「女性」と表記します)に、望まない妊娠にどう対応するかを自由に選択する能力を与えるための進歩を妨げかねない規制があります。私たちは、できる限り、中絶に特化した法律が全くない状態から、ゼロから構築するアプローチをとっています。
 この論文では「中絶」という言葉を使いますが、これは先入観にとらわれた含蓄のある言葉として捉えられ絵勝ちであることを認識しています。私たちの構成主義的アプローチに則って、私たちはこの用語を成立した妊娠(つまり胚の着床後)の終了をもたらすために必要な手順を示すために、単純に使用します。
 私たちは、質の高い中絶体験の主要な要素として、人間中心主義に集中します。人間/患者中心のケアとは、女性(と適切な場合にはパートナー)に、自分自身の個々のヘルスケアについて情報を提供し関与させるアプローチ、またヘルスケアサービスの共同設計にサービス利用者を関与させることを意味します。
 自己管理による中絶は、正式な場での屈辱や、その中での恥や無力感からの解放や逃避の源になりえます。私たちは(医療施設に行かずに)自分で行う妊娠初期の薬による中絶は、十分な情報をもとに、承認された供給源からの薬を用いてエビデンスに基づいて行われる方法に従えば安全だとみなしています。
 私たちの関心は、不正確・不十分な情報の提供や欠陥のある中絶サービスの提供によって、女性が損害を受けたり、重大な損害の不必要なリスクにさらされたりしないようにすることです。したがって、今後の規制の対象は、妊婦ではなく、非公式なサービス提供者であるべきだと提案します。
 妊娠中絶を決意した女性は、中絶手術ができるだけ早く行われることを望み、遅れを苦痛に感じます。中絶サービスへのアクセスを容易にすることは、私たちのビジョンの重要な側面です。私たちはこのビジョンを拡大することを否定しませんが、正式な医療制度の外で行われる中期以降の中絶を今は扱いません。
 外来での薬による中絶は一般的に妊娠10週までに制限されていますが、この上限についてはまだ模索が続けられています。WHOは妊娠12週までの自己管理による薬による中絶を推奨していますが、それ以上の週数についてはエビデンスが限られているとを認めています。
 私たちの出発点は、国家権力が妊娠第一期の妊婦に対する制約を正当化するのは、はるかに困難であるということです。国家とその代理人の評価は、妊娠初期の段階については狭く解釈されるべきです。
 多くの研究が、中絶へのアクセスに経済的な障壁があることを報告しています 。私たちのビジョンでは、女性はヘルスケアの重要な要素を慈善事業に頼ることは想定されていません。女性が希望すれば、薬、材料、料金は、市民権の有無にかかわらず、誰に対しても国がすべて負担すべきです。
 妊娠の結果がどうであれ(分娩、流産/中絶、子宮外妊娠)、このような補償は同じにしなければなりません。交通費も、国家手当を受けている人や低所得者層など、必要な場合は国が負担してくれるのを当たり前にしなければなりません。
 私たちは、女性のリプロダクティブ・ライツを追求するために、尊重する義務、満たす義務、保護する義務という見出しで国家に義務を課すというビジョンを提案しました。私たちは、このような想像の世界が現在の現実からかけ離れており、決して実現されないかもしれないことを認識しています。
 では、なぜわざわざそのようなビジョンを策定するのでしょうか? 私たちの多くは、個人の権利/自由の存在と範囲について、また中絶の文脈における既存の規制制約の可能な限りの解体について、かなりの時間を費やしてきました。私たちは、こうした努力に泥をかぶせたりを無にしたりはしません。
 むしろ、この論文の主な目的は、中絶の合法性に関する議論から注意をそらすことなのです。制約のない世界から出発することで、中絶サービスが使われ提供される環境と国家の義務の枠組みに焦点が当たります。個人の権利と自由を実現するための重要な土台となるのは、これから作る環境と国家なのです。

 大好きなSam Rawlands医師の論文を少しもじってエッセー風にしてみました。論文にしてこの温かさ。女性の尊厳と健康と権利のために、尽くしてこられた医師の皆様の思いとご尽力に感謝します。日本人医師にもきっと同様の思いの方々がいるはずだと、信じています。

A Constructivist Vision of the First-Trimester Abortion Experience - PMC

プレグランディン関連情報

ゲメプロストを含有する腟坐剤(プレグランディン腟坐剤)の管理、取扱いについて
(平成八年九月二五日) (薬発第八七四号・児発第八三一号)
(社団法人日本母性保護産婦人科医会長あて厚生省薬務局長・厚生省児童家庭局長連名通知)
https://www.japal.org/wp-content/uploads/mt/19960925_874.pdf


公益社団法人日本産婦人科医会
プレグランディン腟坐剤の報告書記入および運用要領
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/HOUSEI/preglandin.pdf


プレグランディン添付文書
https://www.ononavi1717.jp/system/files/assets/q/a/area/other/preglandin/drug-info/10010067/pi/PGV_PI_5.pdf

インタビューフォーム 2020.3
https://www.ononavi1717.jp/system/files/assets/q/a/area/other/preglandin/drug-info/10030043/if/PGV_IF_1.pdf


参考:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf

COVID-19の最中のテレヘルス

安全性と有効性のデータ

Research Letter Obstetrics and Gynecology
August 24, 2021
Safety and Efficacy of Telehealth Medication Abortions in the US During the COVID-19 Pandemic
Ushma D. Upadhyay, PhD, MPH1; Leah R. Koenig, MSPH2; Karen R. Meckstroth, MD, MPH1
Author Affiliations Article Information
JAMA Netw Open. 2021;4(8):e2122320. doi:10.1001/jamanetworkopen.2021.22320

PubMedアブストラクト仮訳
概要
このコホート研究では,COVID-19 パンデミック時の完全遠隔・非同期薬物中絶ケアの安全性と有効性を検討する.

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References
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Original research
Acceptability of no-test medical abortion provided via telemedicine during Covid-19: analysis of patient-reported outcomes FREE
Chelsey Porter Erlank1, http://orcid.org/0000-0003-2819-5973Jonathan Lord2,3, Kathryn Church1
Correspondence to Jonathan Lord, Medical Director, MSI Reproductive Choices, London W1T 6LP, UK; jonathan.lord@msichoices.org.uk

以下、仮訳

概要
はじめに イングランド政府は2020年3月30日、妊娠10週未満のミフェプリストンとミソプロストールを用いた早期薬による中絶(EMA)の両段階を家庭で行うことを承認した。イングランドで中絶サービスを提供する最大手の1つであるMSI Reproductive Choices UK(MSUK)は、2020年4月6日に無試験遠隔医療EMAパスウェイを開始しました。本研究の目的は、主要な患者報告アウトカム指標を報告することと、我々のサンプルが無試験遠隔医療EMAを受ける全人口を代表しているかどうかを評価することであった。

方法 2020年4月から8月までのMSUKの遠隔医療EMA患者全員のサンプルを、臨床的および満足度の質問に答えるためのフォローアップコールを選択するよう招待した。合計1243人(全遠隔医療EMAの13.7%)が、処置後平均5日以内に、フォローアップに成功した。

結果 患者は遠隔医療EMAに高い信頼性を示し、自宅で中絶を管理することの利便性、プライバシー、容易さに高い満足度を示しました。回答したサンプルは、遠隔医療を受ける全人口とほぼ同等であった。個人的に相談できなかったと回答した患者はいなかった。大多数の患者(1035人、83%)が遠隔医療の経路を好むと報告し、824人(66%)がCOVID-19が問題でなくなれば再び遠隔医療を選択すると回答しました。

結論 遠隔医療EMAは、中絶を希望する患者、特にクリニックでの診察が論理的あるいは感情的に困難な患者にとって非常に受け入れやすい、価値ある、プライベートで便利な、よりアクセスしやすい選択肢である。この経路は、ほとんどの患者にとって将来的に再び第一選択肢になるという証拠が、遠隔医療EMAを恒久化するケースを支えています。

Telemedicine and medical abortion: dispelling safety myths, with facts, Roopan Gill, Wendy V. Norman

愛知県名古屋市の産婦人科医が脱税

3800万円脱税容疑、産婦人科医を告発 中絶手術の所得隠した疑い
朝日新聞 有料記事
3800万円脱税容疑、産婦人科医を告発 中絶手術の所得隠した疑い:朝日新聞デジタル

大野晴香2022年7月5日 21時30分

 高額な費用がかかる人工妊娠中絶手術の手術代などを売り上げから除外して約1億2300万円の所得を隠したとして、名古屋国税局は5日、産婦人科「中谷レディースクリニック」(名古屋市天白区)の中谷剛彬院長(80)を所得税法違反(脱税)の疑いで名古屋地検に告発したと発表した。6月30日付。

 関係者によると、中谷院長は同クリニックで手がけた中絶手術などで得た所得を税務申告時に除外する手口で、所得を過少に仮装。2020年までの4年間に所得税約3800万円の支払いを免れた疑いが持たれている。脱税した資金は医療機器などクリニックの備品の購入代や運転資金のほか、遊興費に充てていたという。

 刑法の堕胎罪は中絶を禁じて…

2022年7月6日
ヨミドクター 社会
「遊びの感覚で」産婦人科院長、3800万円脱税疑い…人工中絶で得た報酬の一部申告せず
「遊びの感覚で」産婦人科院長、3800万円脱税疑い…人工中絶で得た報酬の一部申告せず | ヨミドクター(読売新聞)


 収入の一部を申告せず所得税を脱税したとして、名古屋国税局は5日、名古屋市天白区の産婦人科医院「中谷レディースクリニック」の中谷 剛彬たかよし 院長(80)を所得税法違反容疑で名古屋地検に告発したと発表した。告発は先月30日付。

「遊びの感覚で」産婦人科院長、3800万円脱税疑い…人工中絶で得た報酬の一部申告せず

 発表などによると、中谷院長は自由診療扱いの人工中絶で得た報酬の一部を収入から除外。2020年までの4年間で約1億2300万円の所得を隠し、所得税約3800万円を脱税した疑いがある。隠した所得は事業資金や遊興費に充てていたとみられる。

 保険診療の治療費は、患者負担分以外は医療機関側が保険組合などに請求するが、保険が利かない自由診療では全額が患者負担で、額も医療機関が独自に決められる。中谷院長はこの仕組みを悪用したとみられ、取材に対し、「遊びの感覚でやってしまった。(指摘は)当然だと思う。近く修正申告する」と話している。

NHK 東海 NEWS WEB

3800万円脱税か 名古屋国税局が産婦人科院長を告発
07月05日 18時52分
3800万円脱税か 名古屋国税局が産婦人科院長を告発|NHK 東海のニュース


 名古屋市にある産婦人科クリニックの院長が、人工妊娠中絶の自由診療の治療費の一部を売り上げから除外し、およそ3800万円を脱税したとして名古屋国税局は80歳の院長を所得税法違反の疑いで検察に告発しました。

 告発されたのは、名古屋市天白区で産婦人科クリニックを営む中谷剛彬院長(80)です。
 名古屋国税局などによりますと中谷院長は、人工妊娠中絶の自由診療の治療費の一部を、クリニックの売り上げから除外して申告していたということです。
 名古屋国税局は令和2年までの4年間で得たおよそ1億2300万円の所得を隠し、所得税およそ3800万円を脱税したとして中谷院長を所得税法違反の疑いで名古屋地方検察庁に告発しました。
 NHKの取材に対し、中谷院長は、隠した所得をクリニックの事業資金などに充てていたと説明した上で、「いたずら心で脱税をしてしまった。国税局や検察には資料を提出するなどして対応している。今週中にも修正申告を済ませる」と話していました。

国連委員会、同意なしに出産を強いられた女性に対する産科的暴力の責任をスペインに認める

Jurist

www.jurist.org

試訳します。

ホープ・モリス|米ハーバード大学ロースクール
2022年07月14日 08時05分04秒
 国連女性差別撤廃委員会(CDAW)は14日、公立病院に行った女性が同意なしに帝王切開を受けたとして、スペインに「産科的暴力」の責任があると認定した。

 2012年、無名のスペイン人は妊娠38週目にスペインのドノスティアにある公立病院を受診しました。医師と助手は、彼女の同意なしに、彼女の意思に反して、夫の立ち会いなしに陣痛を誘発し、帝王切開を行いました。陣痛中は食事も与えられず、後に国連に提出した報告によると、病院内で医学生の実習の見本にされたそうです。出産時には、生まれたばかりの息子を連れ去られ、抱くことも授乳することも許されませんでした。

 出産後、女性は産後心的外傷後ストレス障害と診断された。彼女はバスク保健局に苦情を申し立てた後、スペインの裁判所に訴訟を起こしましたが、身体的・心理的被害の訴えは退けられました。

 彼女は、スペインが同国が加盟している女性差別撤廃条約に違反していると主張し、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)に訴えました。

 CEDAWは、この行為が産科的暴力につながったと認定し、これを "施設での出産時の女性に対する特殊な暴力 "と定義しました。また、同委員会は、彼女が "行政や司法のプロセスを通じて、ジェンダーステレオタイプと差別に遭遇した "ことを明らかにした。

 委員会は、スペインに対し、この女性に損害賠償を支払うよう促した。また、スペインに対して、事前の同意を得るという慣習を採用し、"女性の自律性とリプロダクティブ・ヘルスについて十分な情報を得た上で決定する能力を尊重する "よう促したのです。

 CEDAWと国連は通常、このようなケースには介入しないが、2020年3月にスペイン人女性が不必要な医療介入と強制労働を経験した同様のケースで介入した。超国家機関が産科的暴力の罪を用いたのは初めてだった。

人工肛門造設に至った会陰裂傷の1例

関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

妊娠分娩合併症2 人工肛門造設に至った会陰裂傷の1例 | 一般社団法人関東連合産科婦人科学会

第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
妊娠分娩合併症2
人工肛門造設に至った会陰裂傷の1例

菅野 秀俊1), 野路 千智1), 三塚 加奈子1), 飯田 哲士1), 貴家 剛1), 内田 能安1), 前田 大伸1), 三上 幹男2)
東海大学八王子病院産婦人科1), 東海大学医学部専門診療学系産婦人科2)

【緒言】分娩後の第3度,4度の会陰裂傷は経膣分娩の例の約1.4~6.5%に発症するといわれており,受傷直後に適切に修復する事が重要である.しかし,修復が不十分であった場合,縫合不全を起こし,便による創感染のため,瘻孔が形成され,瘻孔は開大する事があり,症状として便失禁,慢性的な膣炎(直腸膣瘻による便汁のもれ)などがある.今回,われわれは,人工肛門造設に至った会陰裂傷の1例を経験したので文献的考察も交えて報告する.【症例】33歳1経妊1経産.既往歴:特記すべきことなし.現病歴:他院にて妊娠40週0日,第2子(3536g)を経膣分娩で出産した.産褥4日目退院時の診察で膣より便が排出している事から直腸膣瘻の診断となり,翌日当院外科を受診した.診察上,径1cm大の直腸膣瘻あり,肛門括約筋は完全断裂(4度裂傷)していた.同日,外科・婦人科合同にて陳旧性会陰裂傷修復術(S状結腸人工肛門造設,会陰縫合部縫合糸解除,直腸壁・膣壁分離,瘻孔部切除・直腸壁縫合,肛門括約筋修復,膣壁形成術)施行となった.術後経過は良好であり,4カ月後に人工肛門閉鎖術施行した.現在は排便機能も正常となっている.【まとめ】第3度,4度の会陰裂傷や会陰切開の修復後には,必ず直腸診を行い縫合が十分であることを確認すべきである.

アイルランドの中絶の歴史

History of Abortion in Ireland, ifpa

Abortion in Ireland: Legal Timeline – Irish Family Planning Association

試訳します。

2018年12月 12月20日、マイケル・D・ヒギンズ大統領により、保健(妊娠中絶の規制)法2018が署名され、施行される。同法は、2019年1月1日から定義された状況下での中絶ケアの提供のための法的枠組みを提供するものです。3日間の待機期間が経過している限り、妊娠12週目までの要求に応じて中絶医療は合法です。また、女性の生命や健康に重大な危害を及ぼす危険性がある場合、および胎児に致命的な異常がある場合にも、中絶は合法とされています。それ以外の場合、中絶は依然として犯罪とされています。しかし、この犯罪規定は、女性自身の妊娠に関しては適用されません。中絶は、アイルランドに通常居住する者であれば、無料で行うことができます。

2018年9月 2018年憲法改正法第36条により、憲法第8条が正式に削除される(そして、「妊娠の終了の規制について法律で規定することができる」という新しい第40条3項3号に置き換わる)。

2018年9月 最高裁は、高等裁判所と控訴裁判所の先の判決を支持し、憲法第8条を廃止する国民投票の結果を争う申立てを却下した。控訴裁判所は、申請者の主張を「民主的プロセスの挫折」と特徴付ける。

2018年5月。アイルランドのリプロダクティブ・ライツにとって記念すべき日に、憲法修正第8条-第40条3項-を廃止し、オイラハタスが中絶を立法化できるようにするための国民投票が実施される。5月25日の投票の投票率は64.1%、有効投票数は2,153,613票で、1,429,981票が修正第8条廃止にYes、723,632票が反対に投票した。66%の地滑りで廃止が可決される。

2018年3月 保健省は3月8日に「妊娠中絶の規制に関する政策文書」、3月27日に「妊娠中絶を規制するための一般的スキーム(Heads of a Bill)」を公表する。これらの文書は、憲法第8条が廃止された場合の中絶医療へのアプローチ案を概説し、国民投票キャンペーンへの道を開くものである。

2018年1月 1月29日、2018年5月下旬から6月上旬に実施される人工妊娠中絶に関する国民投票の開催を正式に閣議決定する。


2017年12月 数カ月にわたる集中会議の後、中絶医療、リプロダクティブ・ヘルス、人権に関する国内外の多くの専門家の証拠を聴取した後、憲法第8条に関する合同委員会は報告書を発表する。委員会は、女性の生命または身体的・精神的健康が危険にさらされている場合、または致命的な(致命的でないものとは異なる)胎児異常の場合、および妊娠12週までの女性自身の指示による中絶は、臨床現場で行われる限り、合法であるべきだと勧告しています。

2017年8月のことです。国連拷問禁止委員会は、「国の政策による妊娠の終了に関して女性や少女が経験する深刻な身体的・精神的苦痛と苦悩」に懸念を表明する。

2017年6月 憲法第8条改正に関する市民会議の報告・提言を検討することを任務とする「憲法第8条改正に関する合同委員会」が初開催される。同委員会は、Dáil Éireannのメンバー15名とSeanad Éireannのメンバー6名で構成されています。

国連人権委員会は、アイルランドの中絶の犯罪化および禁止がSiobhán Whelanの権利を侵害したと判断する。

2017年4月のこと。市民議会は圧倒的多数(87%)で、アイルランド憲法第40条3項3号(修正第8条)を全面的に維持すべきではないと勧告する。議会メンバーの56%が40.3.3条を置き換えるか改正すべきと投票し、57%が40.3.3条をオイラハタスに立法権を与える憲法規定に置き換えるべきと投票する。議会は、64%が理由の制限なく中絶へのアクセスに賛成し、中絶の漸進的規制への非常に強い支持を示している。さらに、過半数が中絶が合法であるべき12の状況を推奨しています。 これらは、女性の生命へのリスク、女性の健康へのリスク、レイプによる妊娠、胎児異常(非致死的なものを含む)、社会経済的な理由などです。

2017年3月のこと。2013年法の条件外の中絶の最高刑を14年の懲役から1ユーロの罰金に引き下げる民間議員法案がダイルで否決される。政府の反対動議は、法改正の可能性をさらに検討する前に、市民議会が憲法修正第8条の審議を終了することを認めなければならないとするもの。

2017年2月 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、アイルランドの中絶法を批判。委員会は、最高刑が14年の禁固刑である刑事規定に対して特に懸念を表明。


2016年11月:政府は、2016年6月の国連人権委員会において、中絶サービスの拒否が女性を残酷、非人道的または品位を傷つける扱いにさらし、プライバシー権を侵害するとの判決が出たことを認め、女性Amanda Melletに3万ユーロの謝礼金を支払う。

2016年10月:10月15日に市民議会の設立総会が行われ、メアリー・ラフォイ女史が議長を務める。

憲法第40条3項3号(憲法修正第8条)を国民投票によって廃止するための議員立法がダイルに提出される。法案は、市民会議の審議終了を認めるべきとする政府の反対動議により否決される。

2016年7月 致命的な胎児異常の場合の中絶を法制化する議員立法が、95票対45票で否決される。

2016年6月:保健大臣は、2015年にアイルランドの病院で妊娠中の生命保護法に基づき26件の人工妊娠中絶が実施されたことを報告。3件は自殺による生命の危険、14件は身体疾患による危険、9件は身体疾患からの緊急事態に基づき実施された。

2016年6月:国連人権委員会は、アイルランドの中絶法がアマンダ・メレットさんの残酷、非人道的または品位を傷つける扱いからの自由の権利、およびプライバシーの権利を侵害していると認定した。

2016年5月:パートナーシップ政府のためのプログラムにおいて、新政権は、6ヶ月以内に、憲法第8条に関する勧告を行うよう求められる市民議会を設置することを約束する。

アイルランドの第2回普遍的定期審査において、同国の制限的な中絶法が国連加盟国の主要な関心事となる。15カ国がアイルランドの中絶法の改革を求める勧告を出す。チェコ共和国デンマーク、ドイツ、アイスランド、インド、韓国、リトアニアマケドニア旧ユーゴスラビア共和国、オランダ、ノルウェースロバキアスロベニアスウェーデン、スイス、ウルグアイです。また、米国、フランス、カナダは、性と生殖に関する健康と権利に関する勧告を発表しています。

2016年1月に 国連子どもの権利委員会(CRC)は、アイルランドの中絶法が少女の人権に与える影響について、多くの懸念を表明しています。その最終見解では、政府に対して以下のことを勧告している。

"あらゆる状況において中絶を非犯罪化し、子どもたちが安全な中絶と中絶後のケアサービスを受けられるようにする観点から法律を見直し、中絶の決定において妊娠中の少女の意見を常に聞き、尊重することを確保する"。


2015年6月:保健大臣、2014年にアイルランドの病院で妊娠中の生命保護法に基づき26件の「人工妊娠中絶」が実施されたことを報告。3件は自殺による生命の危険性に基づき、14件は身体疾患による危険性に基づき、9件は身体疾患による緊急事態に基づき実施された。それ以前に、同法に基づく「妊娠の終了」が保健大臣に届けられる過程で、患者の守秘義務に対する重大な違反が報告されています。

国連経済社会文化権利委員会(CESCR)は、アイルランドの「非常に制限的な」中絶法を批判し、政府に法律と憲法を改正するよう要請する。

2015年5月:憲法第40条3項3号(憲法第8条)を廃止するための議員立法がダイルに提出される。法案は否決される(74名のTDが法案に反対、23名のTDが賛成票を投じる)。

2015年2月:胎児に致命的な異常がある場合の中絶を法制化するための民間議員法案がダールに提出される。法案は否決される(104名のTDが法案に反対し、20名のTDが賛成票を投じる)。


2014年12月 アイルランド憲法第40条3項3号(修正第8条)を廃止するための議員立法がダイルに提出される。法案は否決される。

2014年9月:「妊娠中の生命保護法」のガイダンス文書が発表される。この文書は、法律そのものよりも制限的であるように見え、完全に手続き的なものであり、法律内に含まれる文言以上の臨床的なガイダンスを提供しないものである。

2014年8月:レイプにより妊娠した若い移民女性(通称Yさん)が、2013年法に基づき自殺を理由に中絶を求めたが、その後帝王切開で出産したことから、妊娠中の生命保護法の妥当性に懸念が示されるようになる。

2014年7月:国連人権委員会HRC)がアイルランドの中絶法を批判し、これらの法律を人権基準に合致させるための立法・憲法改正を促す。

2014年1月:1月1日、2013年妊娠中の生命保護法が開始命令により施行される。同法は、アイルランドにおける中絶の刑事罰化を維持し、妊婦の生命に危険がある場合にのみ中絶を許可する。1861年に制定されたOffences Against the Person Actの該当箇所は同法により廃止される。


2013年7月 マイケル・D・ヒギンズ大統領が「妊娠中の生命保護法」に署名し、法制化される。同法は、1992年のX事件最高裁判決と2010年のA、B、C v Ireland事件ECtHR判決を履行し、妊婦の生命が危険にさらされている場合に中絶を合法的に利用できるようにすることを目的としている。25の公立病院が、中絶を実施できる適切な機関としてリストアップされている。

2013年1月~5月:アイルランド国王庁保健委員会は、A、B、C裁判の実施について政府に助言するために設置された専門家グループの報告書に対する公聴会を開催する。医療、法律分野の専門家、支援団体の代表者らの意見を聞く。

2012
2012年11月:「A,B,Cアイルランド裁判」のECtHR判決の実施に関する選択肢について助言するために政府が任命した専門家グループの報告書が発表される。報告書は、欧州人権条約の違反という裁判所の狭い根拠に限定しており、立法以外のいかなる選択肢も、女性の生命に危険がある場合に中絶する権利をECtHRが満足するような形で実現することには疑問があると表明している。
2012年11月:X事件を実施するための民間議員法案がダイルに提出される。法案は否決される(101人の下院議員が法案に反対し、27人の下院議員が賛成票を投じる)。

2012年10月: ゴールウェイ大学病院でサヴィタ・ハラッパナヴァーが死亡。彼女の死に関する報告書では、胎児の心拍が停止するまで介入しない必要性が強調されすぎ、感染症や敗血症のリスク管理が強調されすぎていることが判明。

2012年4月:Xケースを実施するための民間議員法案がダイル(議会)に提出される。法案は否決される(110名の議員が反対票を投じ、20名の議員が賛成票を投じた)。

2011
2011年6月: 政府、「A、B、C vs アイルランド」のECtHR判決の実施について助言する専門家グループを設置することを決定。

アイルランド初の普遍的定期審査において、アイルランドの制限的な人工妊娠中絶法が国連加盟国の主要な関心事となる。6カ国がアイルランドの人工妊娠中絶法を改革するよう勧告を出す。ノルウェーデンマークスロベニア、スペイン、英国、オランダ。

2010
A、B、C対アイルランド裁判において、ECtHR大法廷は、女性の生命が危険にさらされているときに合法的に中絶する現行憲法の権利をアイルランドが履行しないことは、欧州人権条約第8条に基づく申請者Cの権利を侵害すると全会一致で判決を下す。また、裁判所は、アイルランドの中絶禁止に異議を唱える3人の女性は、理論的にも実践的にもアイルランドの法制度のもとで有効な救済を受けられないという判決を下しました。3人の女性は2005年8月にECtHRに訴状を提出し、2009年12月9日に17人の裁判官からなる大法廷で本件の口頭審理が行われました。彼女たちは、秘密保持のためA、B、Cと名乗り、アイルランドが欧州人権条約の第2条(生命への権利)、第3条(拷問の禁止)、第8条(家族および私生活を尊重する権利)、第14条(差別の禁止)に基づき人権を侵害していると主張しています。

癌の治療中に妊娠したミシェル・ハートは、重病の中、中絶のために英国に渡航することを余儀なくされました。医師は健康へのリスクを考え妊娠を中絶するよう助言しましたが、コーク大学病院は彼女の命が「差し迫った脅威」にさらされていないとして中絶の許可を出しませんでした。 2011年、Michelle Harteは癌により死去。

2007
国の世話になっているミスDと呼ばれる17歳の女性が、無脳症の妊娠であることがわかり、妊娠の中絶を希望する。保健サービス行政局(HSE)は、「彼女のケースをX事件で示された理由に当てはめようとしている」ようだが、ミスDは自分が自殺願望があると言うことを拒否する。HSEはガーダイに手紙を出し、Dさんが出国しようとしたら逮捕するよう要請する。HSEはまた、パスポート局に対し、彼女のパスポートの発行を拒否するよう要請する。Dさんは、HSEに中絶のための渡航を許可するよう強制するために高等法院に提訴しました。高等法院のMcKechnie判事は、彼女には渡航する権利があると裁定した。


2006
欧州人権裁判所(ECtHR)は、D対アイルランドの裁判がアイルランドの裁判所を通過していないため、受理されないと判断。アイルランド政府は、申請者の特定の状況において、アイルランドの裁判制度を経ていれば、アイルランドで中絶を受ける法的権利を得ることができたという議論に依拠する。Dとして知られる申請者は、アイルランドが致命的な胎児異常の場合の中絶を禁止していることは、欧州人権条約の1条、3条、8条、20条、13条、14条の下で彼女の権利を侵害していると主張した。


2002
アイルランド有権者が、中絶の根拠として自殺の脅威を取り除き、女性の中絶を助けた場合の罰則を強化する憲法修正第25条(妊娠中の人命の保護)法案を否決。投票率は総有権者数の42.89%で、反対票50.42%、賛成票49.58%。

2001
保健・児童省は、憲法に関する全政党委員会の第5次中絶進捗報告書の勧告に従って、アイルランドにおける妊娠の危機に対処するための戦略を準備・実施するため、Crisis Pregnancy Agencyを設立する。
この戦略は、以下を規定するものである。

  • 教育、アドバイス、避妊サービスの提供による危機的な妊娠の数の減少。
  • 他の選択肢をより魅力的にするサービスと支援を提供することによって、中絶を選択する危機的な妊娠をした女性の数を減らすこと。
  • 危機的な妊娠の後のカウンセリングと医療サービスの提供。

2000
ブライアン・レニハン副議長を委員長とする全州憲法委員会(The All-Party Oireachtas Committee on the Constitution)が第5次進捗報告書を発表する。人工妊娠中絶。700ページに及ぶこの報告書は、中絶に関するグリーンペーパーで提起された問題、寄せられた提出物、実施された公聴会についての政治的評価である。中絶を経験した女性の意見は聞かれていない。委員会は、中絶の実質的な法的問題について政治的な合意に達することはできないが、危機的な妊娠の数を減らすための戦略については合意している。報告書はさらに、その戦略を実行するために保健省・子ども局の下に専門機関を設置することを提言。報告書は、マイケル・マーティン保健・児童大臣を委員長とする内閣小委員会に送られ、検討される。


1999
ブライアン・コーウェン保健・児童大臣を委員長とする内閣委員会は、省庁間作業部会が作成した「中絶に関するグリーンペーパー」を発表する。このグリーンペーパーの目的は、中絶をめぐる問題を設定し、簡単な分析を提供し、利用可能な選択肢を検討することである。これは議論用の文書であり、政策文書ではない。

1997
ミスCと呼ばれる13歳の少女がレイプされ、妊娠した。東部保健所はCを保護し、少女の希望に従って、中絶のためにCを海外に連れて行くよう地方裁判所から命令を受ける。Cの両親は、高等法院のA and B v Eastern Health Board事件でこの命令に異議を唱えました。地裁のMary Fahy判事とGeoghegan氏は、C子さんは妊娠を継続させれば自ら命を絶つ可能性が高いので、1992年のX事件における最高裁判決により、アイルランドで中絶する権利があると裁定する。

1996
憲法審査会は、「胎児」の定義、適切な医療介入のための保護、「母親の生命に対する現実的かつ実質的な危険」の証明、合法的な中絶の期限といった事項を網羅する法律の導入を勧告する。

1995
1995年 情報規制法(妊娠中絶のための国外のサービス)が制定される。この法律により、医師、助言機関、個人のカウンセラーが、女性が要求した場合、海外での中絶サービスに関する情報を提供することが可能になりました。しかし、この法律では、中絶サービスに関するいかなる情報も、子育てや養子縁組に関する情報とともに提供することを義務づけており、1対1のカウンセリングの中でしか提供することができないことになっています。また、同法は、サービス提供者(医師を含む)が、顧客の代わりに他国で中絶の予約を取ることを禁じています。海外での中絶サービスに関する情報を提供しないが、妊娠の相談に従事する相談機関、医師、カウンセラーは、この法律の規定の対象とはなりません。

1992
X事件と中絶の渡航と情報に関する問題の結果として、政府は国民投票において3つの憲法改正の可能性を提示する。
3つの改正案は以下の通り。

  • 中絶のために国外に渡航する自由-可決
  • 中絶サービスに関する情報を、条件付きで国外で入手・提供する自由 - 合格
  • アイルランドにおける中絶の理由として自殺を削除するためにX事件判決を撤回すること-否決

Open Door and Well Woman v Irelandの事件で、欧州人権裁判所は、アイルランド表現の自由を保障する欧州人権条約第10条に違反したと判決を下した。同裁判所は、アイルランド裁判所がOpen Door and Well Womanに対し、他国で合法的に利用できる中絶サービスに関する情報の受領または伝達を差し止めたことは不釣り合いであり、国外で中絶を求める女性の健康に危険を生じさせたと判断しています。
最高裁は、司法長官対Xにおいて、レイプの結果妊娠したXと呼ばれる14歳の少女は、自殺の脅威による生命への現実的かつ実質的なリスクに直面しており、この脅威は妊娠の終了によってのみ回避することができると裁定している。したがって、Xは、国家が「母体の生命に対する平等な権利に十分配慮する」ことを要求する憲法40条3項3号の規定に基づき、アイルランドにおいて中絶を受ける権利を有する。
当裁判所は、妊婦の生命に対する権利を十分に保護することができないため、妊婦が直ちに、または不可避的に死亡する危険がある場合にのみ中絶が許可されるとは考えていない。

妊娠の終了は、妊婦の生命に対するリスクが身体的、精神的健康上の理由から生じるかどうかにかかわらず、医療行為とみなされるべきであるということが、現在、法律上明確になっています。生命へのリスクは、事実上確実なものである必要はありません。しかし、身体的または精神的健康へのリスクだけでは十分ではありません。

1991
1989年に起きた、学生グループが英国で中絶サービスに関する情報を配布することを防ぐためのアイルランド高等裁判所の要請を受け、欧州司法裁判所はSPUC v Groganにおいて、中絶はローマ条約(欧州経済共同体条約)上のサービスを構成しうるため、加盟国は外国の中絶クリニックと商業的関係を持つ機関による情報の配布を禁止することはできないとの裁定を下す。しかし、裁判所は、学生グループはアイルランド国外の中絶サービスとは直接のつながりがないため、欧州共同体法の保護を主張することはできないとも判断している。

1983
憲法修正第8条(第40条3項3号)に関する国民投票が、激しい争奪戦の末に可決される。有権者の53.67%が投票し、賛成841,233票、反対416,136票であった。憲法第40条3項3号が挿入され、次のようになる。"国家は、胎児の生命に対する権利を認め、母体の生命に対する平等な権利に十分配慮して、その法律において、その権利を尊重し、実行可能な限り、その法律によって、その権利を擁護し、正当化することを保証する"。
妊娠中で乳癌を患っていたシーラ・ホジャーズSheila Hodgersは、妊娠2ヶ月の早産で2日後にドロヘダの聖母病院で死亡する。彼女の赤ちゃんは、生まれてすぐに死んでしまった。シーラ・ホジャーズさんのがん治療は、妊娠に害があるとして病院から中止されていた。レントゲン撮影や痛み止めも拒否された。

1861
「流産させた」女性を犯罪者とする「対人犯罪法」が制定される。この法律はまた、女性が「流産をさせる」ことを幇助することも犯罪とする。どちらの場合も、刑罰は終身刑です。この法律はまた、「流産させる」ための手段を故意に提供した者も犯罪とします。これらの刑法は150年以上にわたってアイルランドの法令に残っており、あらゆる状況において中絶を犯罪とみなすと解釈されています。その後の憲法改正や裁判例により、中絶の次元はさらに解釈されていますが、1861年法は、2013年に妊娠中の生命保護法が施行されるまで、アイルランドにおける中絶に関する刑法の基礎となっています。