リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

「経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会」の一般的意見 14と22

社会権規約第12条

日本は国連の「社会権規約」違反~生活保護・年金の引き下げ、教育費負担増と差別をやめ、国は防衛費増より予算を回せ
青山学院大学法学部教授 申 惠丰(しん・へぼん)
現代の理論2018年16号

今になって見つけたけれど、コロナ禍においてはまさに当てはまる指摘ではないだろうか。

社会権規約第12条は次のとおり
国際人権規約【社会権規約】(抄) | 国立大学法人 神戸大学 (Kobe University)

第12条【生活水準及び食糧の確保】
この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。
この規約の締約国が 1 の権利の完全な実現を達成するためにとる措置には、次のことに必要な措置を含む。
(a) 死産率及び幼児の死亡率を低下させるための並びに児童の健全な発育のための対策
(b) 環境衛生及び産業衛生のあらゆる状態の改善
(c) 伝染病、風土病、職業病その他の疾病の予防、治療及び抑圧
(d) 病気の場合にすべての者に医療及び看護を確保するような条件の創出

OHCHR | International Covenant on Economic, Social and Cultural Rights


社会権規約の一般的意見第14(到達可能な最高水準の健康に対する権利)
原文
GENERAL COMMENT 14(The right to the highest attainable standard of health)
和訳
「経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会」の一般的意見 13・14

同様に社会権規約の一般的意見22(性と生殖に関する健康に対する権利)
原文
General comment No. 22 (2016) on the right to sexual and
reproductive health (article 12 of the International Covenant
on Economic, Social and Cultural Rights)

和訳
社会権規約の一般的意見22(性と生殖に関する健康に対する権利)

内服薬を用いた中絶にまつわる誤解と真実

「中絶薬」について正しい情報を得るために

INTERNATIONAL
CAMPAIGN
FOR WOMEN’S
RIGHT TO SAFE
ABORTION
(c)2020

ジャーナリスト向けファクトシートから「誤解と真実」の部分を訳してみました。

ジャーナリストは時に錠剤を用いた中絶について誤った報道をしてしまい、間違いに気づかないことがあります。ここに最も一般的な事例を示します。

神話:「中絶薬は危険である」
真実:すべての薬は、薬の安全性を取り扱う国のおよび/または国際的な規制機関で承認を受けています。ミフェプリストンとミソプロストールはどちらもWHOの必須医薬品モデルリストに登録されており、すなわち最も高い規範に照らして安全性と有効性が認められており、すべての国で使えるようにすべき薬です。これまで何十年もかけて数多くの世界各地の医学専門家が関与してWHOやその他の研究機関で厳格な臨床試験が行われてきた結果、ミフェプリストンおよび/またはミソプロストールを中絶のために用いることは非常に安全であることが判明しています――ただしこれらの錠剤が正規のものであること、指示に従って服用されること、必要な時にはいつでも医療施設のバックアップを得られるようにしておくことが条件です。正規の錠剤が使われない場合、正しい投与量または投与計画に従って使われない場合には、合併症が生じることがあります。

神話:「中絶薬は効き目が悪い」
真実:女性たちにこのようなことを言う医師は大勢いますが、それは医師たちが得ている情報が限られているのに投薬を行っているためか、もしくは外科的中絶を行うことでより収入を増やそうとしているためかのいずれかです。正しく服用する限り中絶薬は非常に有効性が高いというのが真実です。ミフェプリストンとミソプロストールを組み合わせて用いる場合、最大で99%の有効性が確認されており、ほどなく刊行される予定のWHOの新ガイドラインによれば、ミソプロストールを追加投与することでさらに有効性を高めることも可能です。ミソプロストールの単独使用の場合、妊娠12週までは3時間ごとに800mcgの容量をくり返し投与することで92~98%の成功率だとされています。この方法で4回または5回を超えて投与する必要があることはごく稀です。

神話:「薬を用いた中絶は非常に痛い」
真実:中絶は痛いものです。これはすべての中絶において正常なことです。妊娠初期の外科的中絶では女性たちは局所麻酔か鎮痛薬を与えられます。鎮痛薬は内科的中絶(薬を内服する中絶)でも推奨されており、イブプロフェンが最も効果があるといわれています。痛みの強さは妊娠期間や、その女性が過去に妊娠経験があるかどうか、あとは運の良し悪しで一人一人変わってきます。ほとんどの人にとって薬を用いた中絶は強い月経痛を伴う重い月経のようなものとして経験されます。

神話:「中絶薬は気持の落ち込みやうつの原因になる」
真実:中絶に反対する人々のプロパガンダとしてすべての中絶についてこのような主張が行われていますが、真実はこれとは真逆です。望まない妊娠をしている女性たちがよく言うのは、中絶が終わって大きな解放感を覚えたということで、それは自分自身の人生に対するコントロール感を取り戻したためなのです。中絶後に動揺する女性もいますが、それは多くの場合、中絶を必要とすることになった人間関係の問題のためおよび/または中絶が非合法的なものであったためです。中絶は常にトラウマを伴うわけではありません。中絶が必ずしも簡単なものでないのは、人生が常に簡単なものではないためです。女性たちは必要なことをしたのであり、それに対処していけます。

神話:「中絶薬をインターネットで売っている業者はどれも悪質だ」
真実:何百種類もの他の薬品と同様に、中絶薬を販売しているオンライン「薬局」は数多く存在しています。その中には正規の薬を販売している業者もありますが、多くはそうではありません。なかには偽物の薬や、使用期限の切れた薬を金儲けのために売っているところもあります。そのため、私たちは常に女性たちに対して、正規の薬を取り扱っていることが分かっているウェブサイトしか使わないように助言しています。

神話:「薬を用いた中絶さえあれば中絶を提供している医療機関はもう必要ない」
真実:内科的中絶を行う薬があるからといって、国家や医療機関が女性たちに安全な中絶を提供する義務から解放されるわけではありません。中絶は自由かつ合法的にアクセスしやすくすることで非常に安全なものになります。しかし、(かつては今日よりもかなり厳しく規制されていた)避妊薬と同様に薬を用いた中絶を過剰に医療化してはなりません。むしろ、中絶ケアはプライマリーケアやコミュニティベースのヘルスケアの場面で看護師や助産師によって提供できるものであり、あるいはネパールで行われてきたように、訓練を受けた薬剤師でも提供できるものなのです。それ以上に、薬の提供者の目の前で、あるいはクリニックの中で女性たちに薬をのませる必要は全くありません。正しい情報を与えられれば、女性たちは自宅で自分の都合のよいタイミングでピルを自己投与し、必要がある時にケアを求めることができます。ただし、すべての人が内科的中絶を希望するわけではないため、真空吸引や外科的中絶(D&E)も提供できるようにしておくべきです。

神話:「外科的中絶は内科的中絶より安全性が高い」
真実:どちらの手法も非常に安全であり、選択肢を与えられればたいていの女性は自分の好きな方を選びます。避妊と同様に選択できることは非常に大切です。しかし、国によっては吸引または外科的中絶を提供するための訓練がほとんどあるいは全く行われていないところもあり、女性たちには内服薬による中絶しか得られないこともあります。それでも、安全ではない方法しかなかった頃に比べれば大きな進歩であり、実際、女性たちはこの薬を「最も待ち望んでいた薬」だと表現しています。

神話:「簡単に手に入るようになると女性や少女たちは避妊代わりに中絶薬を使い始める」
真実:そんな証拠はどこにもありません。そんなことを言うのは中絶に反対するための卑劣な手段に過ぎません。事実、ほとんどの女性は30年間以上も妊娠が可能ですが、今では一生のうちに数人しか子供を産みません。意図しない妊娠は起こります。私たちは、長期間にわたって避妊を用いる女性たちを賞賛しています。一度や二度の中絶をしても何も悪いことはありません。避妊手段を提供することは重要ですが、避妊が失敗することもあり、使いそこねる人もおり、自分の意思に反して無防備なセックスを強いられる女性もいるという現実を決して忘れてはなりません。

新型コロナウィルス感染症流行下での自粛の影響(1)

第151回記者懇談会 日本産婦人科医会

キイワード:意図せぬ妊娠等、人工妊娠中絶

新型コロナウィルス感染症流行下での自粛の影響(1)

昨年の中絶は全体的に減少傾向にあったようです。出生率はどうなるのか気になるところです。昨年10月がピークだった自死の増加との関連も気になります。

我が国におけるARTの現状と保険収載に向けての課題」という記者懇談会の資料も貼り付けておきます。

遠隔医療による中絶

FIGO2021年3月26日の声明

訳し直してみました。

FIGOは遠隔医療による中絶サービスの恒久的な導入を支持します

 COVID-19パンデミックは、一部の国で中絶サービスが一時的に制限されたこともあり、世界のあちこちで女性と少女に不均衡な影響を与えています。一方、COVID-19パンデミックの間、医療・ケアサービスにテクノロジーが急速に導入されたことで、特にサービスが行き届いていない地域の人々に有効かつ効率的な医療を提供する可能性が高まりました。遠隔医療による人工妊娠中絶は、女性や少女が自宅から医療従事者にオンラインで相談し、薬は患者に送られるか、患者が受け取りにいくことで自己管理中絶を行える可能性を秘めた分野のひとつです。

この問題に関するFIGOの立場
 FIGOは、安全な中絶サービスへのアクセスを含むリプロダクティブ・オートノミーは、基本的で譲れない人権であると考えています。中絶は一刻を争う重要な医療サービスであり、女性や少女の希望に沿って、安全性、プライバシー、尊厳を最優先にして提供されるべきものです。FIGOはすべての政府に対し、安全な中絶サービスへのアクセスを妨げる障壁を取り除き、COVID-19の流行中もその後も、すべての少女と女性が安全な中絶を利用できるようにするユニバーサル・アクセスを実現することを要求します。

 このたびのパンデミックで実施された遠隔医療による中絶プログラムにより、超音波検査を行わなくても、有効性、安全性、効率性、受容性の高いサービスを提供できることが実証されました。イングランドウェールズにおける事例で、すべての女性と少女のアクセスが改善され、ケアに対する障壁をなくなることで、特に疎外され、不利な立場にある人々に大きな影響が及びました。[1] 2015年から遠隔医療による中絶が行われてきたオーストラリアでは、直接患者に届く遠隔医療による薬による中絶サービスは、効果的で安全、安価で満足できるものであることが証明されました[2]。

安全性とプライバシー
 遠隔医療は、クリニックを訪れることなく妊娠初期の中絶を行える安全でプライバシーの守られた方法です。遠隔地に住む女性や少女にとって、スティグマを受けるような経験をすることを減らし、中絶サービスへのアクセスを高めることができます。安全で効果的な中絶サービスを提供するために、対面で人と会う必要はありません。実際、女性が適切な情報にアクセスでき、中絶プロセスのどの段階においても必要または希望する場合には医療サービスを受けることができる状況であれば、女性は安全に薬による中絶を自己管理できると世界保健機関(WHO)はみています[3]。

 FIGOは、遠隔医療を、女性や少女が安全で偏見のない中絶サービスをいつでも受けられるようにするための効果的なツールとして認識しています。COVID-19パンデミックの際に、一時的な措置として中絶のための遠隔医療が導入されたイングランドウェールズの最近のデータは、女性が中絶をうまく自己管理できることを示しています。実際、重大な有害事象は極めて稀でした[4]。遠隔医療と自己管理による中絶に関するさらなるエビデンスでは、医療専門家同士でタスクシェアリングできるという利点も強調されており、ほぼすべてのケースですでに過密状態にある公衆衛生システムの負担が軽減されました。

 遠隔医療は、中絶を行う妊娠期間を短縮することができるため、患者の安全性を向上させます。子宮外妊娠の可能性を排除するためにルーチンで超音波検査を行わねばならないという証拠はなく[5]、資格を持った医療者であれば、対面で診察しなくても臨床上のリスクや患者を守るためのリスクは判断できます。WHOは以前から遠隔医療による中絶を推奨しており、中絶を行う際に超音波検査を定期的に行う必要はないとしています[6]。さらに英国では、国立医療技術評価機構(NICE)が、子宮内妊娠を確かめる超音波検査を受けずに中絶を行うことを推奨しています[5]。女性や少女たちは、すでに様々な理由で中絶薬をオンラインで求めていますが、安全で高品質な製品を入手できていない可能性があります[7]。規制を受けているプロバイダーから供給されるピルを使うようにすれば、薬の品質は保証されます。

アクセスの向上
 遠隔医療は、交通手段、仕事や介護の責任、障害、クリニックまで行くための費用など数々の問題を取り除くことで、医療へのアクセスを全面的に改善します。薬による中絶を行う女性や少女にとって、遠隔医療はプライバシーに関する障壁を取り除き、治療を受けるための待ち時間がなくなるため、アクセスしやすくなる可能性があります。遠隔医療による中絶サービスは、クリニックに行くことが事実上または感情的に難しい女性たちに特に喜ばれているという調査結果もあります[8]。

女性と少女の経験に対するポジティブな影響
 遠隔医療モデルは、性と生殖に関するヘルスケアの提供を改善しようとしている多くの国で、すでに指針として用いられています。中絶を求める女性や少女だけでなく、医療従事者やシステムにも明らかな影響を与えていることから、このモデルは多くの環境、特に資源の制限に直面している環境にとって望ましいものです。

 遠隔医療を導入することで、中絶を含む多くのリプロダクティブ・ヘルス・サービスについて管理されていない医療行為に依存することは減っています[9]。超音波検査を行わず、自宅で薬を服用する遠隔医療による中絶は、女性と少女に対して自分自身にふさわしい中絶の選択肢を広げます。さらに、中絶前の超音波検査を不要とすることで、薬による中絶を提供できる医療施設の範囲が広がり、女性や少女が安全でプライバシーと尊厳を守られた医療を受けられる可能性がさらに高まります。

 世界中で、望まない妊娠をした女性や少女が、違法で安全でない中絶を行うことで、日々、非常に危険な状態にさらされています。女性と少女は常に安全な中絶を必要としています。遠隔医療によって、安全で、思いやりがあり、費用対効果の高い解決法が提供されます。

FIGOの提言と公約
 FIGOは、世界各国の政府が遠隔医療の提供とアクセスを強化するために投資することを推奨します。そうすることで、中絶サービスを求める女性を含み世界中の女性と少女に安全でタイムリーかつ有効なケアを提供できるようになります。

FIGOは以下のことを約束します。
●国内および世界的なアドボカシー活動の一環として、遠隔医療による中絶が成功しているというエビデンスを各国の加盟団体と共有します。
●特に低・中所得国(LMICs)において、同様のサービスを実施する機会を検討するよう、各国の加盟学会に奨励・支援します。
●すべての国における中絶の脱犯罪化を引き続き提唱し、年齢、居住地、性別、宗教、社会経済的地位、障害の有無、民族、宗教や文化的背景などに基づくスティグマや差別のない安全な中絶へのアクセスを改善するための世界的な取り組みを支援します。


FIGOについて
 FIGOは、世界中の産科・婦人科関連団体が参加する専門組織です。FIGOは、世界中の女性が生涯を通じて、身体的、精神的、生殖およびセクシュアリティに関連する可能な限り高い水準の健康とウェルビーイングを達成することを目指しています。我々はサハラ以南のアフリカと東南アジアに特に重点を置き、グローバルなプログラムの活動をリードしています。
 FIGOは、特に持続可能な開発目標(SDGs)に関わる世界の舞台で、特にリプロダクティブ・ヘルス、マタニティ・ヘルス、新生児の健康、子どもの健康、思春期の健康、非感染性疾患に関する(SDG3)に関して提言を行っています。また、女性の地位を向上させ、女性性器切除(FGM)やジェンダーに基づく暴力への対応(SDG5)も含み、リプロダクティブ&セクシュアル・ライツの実現に向けて女性の積極的な参加を実現するための活動も行っています。
 さらに加盟学会への教育・研修を行うとともに、リーダーシップの強化、優れた実践、政策に関する対話を促進することを通じて、資源の乏しい国の人々の能力を高めています。
 FIGOは、世界保健機関(WHO)と公式な関係にあり、国連(UN)との協議資格を有しています。

References
[1] Aiken ARA, Starling JE, Gomperts R, et al. Demand for self-managed online telemedicine abortion in eight European countries during the COVID-19 pandemic: a regression discontinuity analysis. BMJ Sex Reprod Health. 2021. https://srh.bmj.com/content/early/2021/01/11/bmjsrh-2020-200880

[2] Hyland P, Raymond EG, Chong E. A direct-to-patient telemedicine abortion service in Australia: Retrospective analysis of the first 18 months. Aust N Z J Obstet Gynaecol. 2018;58(3):335-340. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29603139/

[3] World Health Organization (WHO). WHO recommendations on self-care interventions self-management of medical abortion. 2020. https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/332334/WHO-SRH-20.11-eng.pdf?ua=1

[4] Reynolds-Wright JJ, Johnstone A, McCabe K, et al. BMJ Sex Reprod Health. 2021. https://srh.bmj.com/content/familyplanning/early/2021/02/04/bmjsrh-2020-200976.full.pdf

[5] National Institute for Health and Care Excellence. Abortion care. 2019. Available at: http://www.nice.org.uk/guidance/ng140

[6] WHO. Safe abortion: technical and policy guidance for health systems. Second edition. 2012. https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/70914/9789241548434_eng.pdf?sequence=1

[7] Zamberlin N, Romero M, Ramos S. Latin American women’s experiences with medical abortion in settings where abortion is legally restricted. Reprod Health 2012;9,34. https://doi.org/10.1186/1742-4755-9-34

[8] Porter Erlank C, Lord J, Church K. Acceptability of no-test medical abortion provided via telemedicine: analysis of patient-reported outcomes. BMJ Sex Reprod Health. 2021 https://srh.bmj.com/content/early/2021/02/17/bmjsrh-2020-200954

[9] DeNicola N, Grossman D, Marko K, et al. Telehealth Interventions to Improve Obstetric and Gynecologic Health Outcomes: A Systematic Review. Obstet Gynecol. 2020;135(2):371-382. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31977782

FIGO endorses the permanent adoption of telemedicine abortion services | Figo

「体の性のグラデーション(スペクトラム)モデル」は人権侵害です

DSDs(性分化疾患)への差別や偏見をなくすために

日本性分化疾患患者家族会連絡会 ネクスDSDジャパンの緊急宣言

ぜひお読みください!
shoutout.wix.com
サイトはこちら:
nexdsdJAPAN | DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患)総合情報サイト

より自由度の高い中絶ケアの導入に伴うプロバイダのスティグマ体験を探る

中絶が合法化されたアイルランドの現状

Exploring providers’ experience of stigma following the introduction of more liberal abortion care in the Republic of Ireland

Brendan Dempsey, Mary Favier, Aoife Mullally, Mary F Higgins 著

『Contraception』2021年4月14日号

アイルランドでは2019年に中絶サービスが導入されました。2020年1月から5月にかけて、医師、看護師、助産師、GPなどの中絶提供者300人にアンケートを送付し、そのうち156人の病院の医師とGPが回答した。この調査は、国立マタニティ病院とクームの研究者によって行われ、2021年4月に学術誌「Contraception」に掲載されました。

調査の主な目的は、経験したスティグマを測定することで、35項目版の「中絶業者スティグマ尺度」を使用しました。また、人口統計、中絶治療への専門的関与、燃え尽き症候群のリスクについてもデータを収集しました。病院に勤務する産科医と助産師・看護師は、一般診療所に勤務する同僚よりも高いスティグマを報告しました。この結果は、薬による中絶よりも、病院で行われる手術による中絶に、より多くのスティグマがつきまとうのではないかという疑問を提起しています。燃え尽き症候群は問題になっていないようです。

アメリカの中絶業者の経験と比較すると、いくつかの点が挙げられます。例えば、アイルランドの医師は、アメリカの医師に比べて、言葉や身体的な攻撃を受けることが少なく、中絶の仕事を公開する際の問題も少ないと報告していますが、社会的な孤立の度合いが高いと報告しています。

アイルランドの医師は、アメリカの医師に比べて、中絶手術を行っていることを隠す必要性はそれほど高くないようで、裁かれた経験も少ないと報告しています。例えば、アイルランドでは、15%が中絶手術に関連して言葉による脅しや攻撃を受けた経験があるのに対し、アメリカでは51%でした。アイルランドの医療提供者の間で判断や差別の経験が少ないのは、中絶医療の拡大を求める国民投票の強さに見られるように、このサービスに対する国民の支持と関係があるのかもしれません。

アイルランドのサンプルの病院スタッフは、全員が手術や妊娠後期の中絶ケアに関わっていました。つまり、ケアを提供するためにチームで働かなければならず、それがスティグマにさらされる原因になっているのかもしれません。チームの一員として中絶ケアを提供することの難しさは、アイルランドの胎児医学の専門家によって議論されてきました。そこでは、同僚からの不承認や軽視の感情、抵抗や対立が指摘されています。対照的に、アイルランドのGPは、はるかに小さな診療所で働き、早期の薬による中絶を行っているため、他の人の助けを借りずにケアを行うことができ、汚名を着せられるような交流から守られています。

この研究は必ずしも代表的なものではありませんが、さらなる調査に値する問題への扉を開いてくれました。著者らは、ヨーロッパ全体でこの分野の定量的な研究を行い、提供者のスティグマの経験を文書化して比較し、提供者に指定された支援が有益であるかどうかを調査することを求めています。しかし、スティグマは、中絶治療に関連する課題の一つの側面に過ぎないことを指摘しています。

妊娠初期の安全な中絶における医療者の役割を拡大する

WHOの2016年のサマリー

Expanding health worker roles for safe abortion in the first trimester of pregnancy

妊娠初期の安全な中絶と中絶後のケアは、プライマリーケアレベルで、医師以外の人も含めたさまざまなヘルスワーカーが提供することが可能です。

主要メッセージ
プライマリーケアレベルで、訓練を受けた医療従事者が安全かつ効果的に行うことができる、妊娠初期の安全な中絶ケアに関するタスクです。専門医以外の訓練を受けた医療従事者でも、プライマリーケアレベルで安全かつ効果的に提供できる 行うことができます。

  • 中絶を誘発するため、あるいは合併症のない不完全な中絶や流産を管理するための真空吸引。
  • 不完全な中絶や流産を管理するための真空吸引(すなわち、基本的な産科救急医療の一環としての残留物の除去)。
  • ミフェプリストンとミソプロストールを用いた薬による中絶(ミフェプリストンが使用できない場合、ミソプロストールのみでも可能)。
  • ミソプロストールを合併症のない不全中絶や稽留流産の管理に使用すること(すなわち、基本的な緊急産科医療の一環として、残留物を除去すること)。

保健師の役割の拡大は、安全な中絶へのアクセスを増やすための全体的な取り組みの中で行われなければなりません。また、これらのサービスを提供するすべての職種に対する訓練や継続的なモニタリング、指導支援のための適切なメカニズムを伴っていなければなりません。


これらの業務はすべて、WHOの文書で安全かつ効果的なものとして推奨されています。の文書で安全かつ効果的なものとして推奨されています。『安全な中絶:保健システムのための技術的および政策的ガイダンス』で、安全かつ効果的なものとして推奨されています。

このサマリーは誰のためのものですか?

  • 政策やプログラムの決定者のため

このサマリーには何が含まれていますか?

  • 妊娠初期の安全な中絶ケアを提供する際のタスク・シフティングとタスク・シェアリングの安全で効果的かつ実現可能なオプションに関するWHOの推奨事項です。

なぜヘルスワーカーの役割を拡大するのですか?

  • 専門医の不足に対処するため。
  • プライマリーケアレベルでのケアの提供を可能にするため。
  • 女性が安全でタイムリーなケアを受けやすくするため。

推奨方法

真空吸引
どのようなものか?
手動真空吸引法(MVA)または電動真空吸引法(EVA)は、妊娠初期に以下の目的で使用することができます。

  • 人工妊娠中絶、および
  • 合併症のない不完全な中絶/流産の管理。

どこで行うか?
プライマリー・ケア・レベル(外来患者の処置として)。

誰が行うか?
看護師、助産師、準臨床医、上級準臨床医、非専門医、専門医が行う。

薬による中絶

どのようなものか?
 妊娠第一期において、薬による中絶(MA)は、2種類の薬(ミフェプリストンとミソプロストール)、あるいはミソプロストールのみの複数回の投与(ミフェプリストンが入手できない場合)を用いて、複数の段階を経て行われます。ミフェプリストンとミソプロストール)、あるいはミソプロストールのみの複数回投与(ミフェプリストンが入手できない場合)を用いた複数のステップのプロセスです。
 このプロセスは、以下の手順に分かれます。

  • MAの医学的適格性を判断する(すなわち、妊娠の状態と期間を評価し、医学的禁忌を除外し、子宮外妊娠のスクリーニングを行う)。
  • 薬剤と一般的な副作用を管理する(例:使用説明書を添えた薬剤の投与、痛みやその他の予想される軽微な副作用の管理に関する情報提供、必要に応じていつ、どのように緊急支援を求めるかなどの情報を提供する)。
  • 中絶が無事終了したか、さらなる介入が必要かを判断する。

実施場所は?
プライマリー・ケア・レベル(妊娠10週まで)の場合、薬の管理と中絶の完了評価は自宅を含む施設外で行うことが可能。

誰が行うか
補助看護師、補助助産師、看護師、助産師、准看護師、上級准看護師、非専門家 上級准臨床医、非専門医、専門医が行う。

1994年ICPD(カイロ国際人口開発会議)の行動計画

中絶に関する妥協の末の文言

ICPD Program of Action(1994)

8.25 いかなる場合も、中絶を家族計画の方法として推進してはならない。すべての政府、関連する政府間組織および非政府組織は、女性の健康に対するコミットメントを強化し、公衆衛生上の主要な問題として危険な中絶の健康への影響に対処し、家族計画サービスの拡大と改善を通じて中絶への依存を減らすことが求められる。望まない妊娠の予防は常に最優先されなければならず、中絶の必要性をなくすためにあらゆる試みがなされなければならない。望まない妊娠をした女性は、信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングをすぐに受けることができるべきである。医療制度における中絶に関する措置や変更は、国内の立法プロセスに従って、国または地方レベルでのみ決定される。中絶が法律に違反していない場合には、そのような中絶は安全でなければならない。いかなる場合でも、女性は中絶から生じる合併症を管理するための質の高いサービスを受けられるべきである。中絶後のカウンセリング、教育、家族計画のサービスは速やかに提供されるべきであり、これはくり返し中絶を回避することにもつながる。