リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

社会保障の面から日本と諸外国の出生率について考える

一般社団法人 日本少子化対策機構

リプロの別の側面を垣間見れるなかなか興味深いデータがいっぱい載っています。ひとつご紹介。

今回は、社会保障面から日本と諸外国の違いを見ていきたいと思います。

 下図は、各国の家族関係社会支出(家族を支援するために支出される現金給付及び現物給付(サービス)を計上)の対GDP比を比較したものです。

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birthrate.jp.net

韓国でも中絶薬解禁の日は近いのか

承認には時間がかかる?

ヒュンダイ・ファームという会社が名乗りを上げているようですが、承認が下りるまでには時間がかかりそうだと見られているようです。

ちなみに、ヒュンダイ・ファームが供給する予定にしているのは、ラインファーマ社(フランス)の薬です。

www.koreabiomed.com

選択的夫婦別姓

今さら反対って……どんだけ遅れてるの?

昨年末の「選択的夫婦別姓」を第5次男女共同参画基本計画から外させた自民党議員の言動にうんざりしているし、こんな反動を結果的に許してしまっている自分たち国民にも無力感を覚えてしまう……。

1996年の男女共同参画ビジョンの頃から、夫婦別姓は大事だと言われているのに、未だにこんなことさえ制度化できていない日本って、いったい何なのだろう? もう四半世紀も経っている。他の国々は、ずーーーーーーーっと先に行ってしまった。

この間、日本でどれだけ女性差別が減ったのかと振り返ると、愕然とする。DV法はできたけど、未だに大勢の女性がDVに苦しんでいるし、男女雇用均等法でセクハラ対策できるようになったけど、未だに大勢の女性がセクハラに悩まされている。刑法の強姦罪は強制性交罪に変わったけど、未だに抗拒不能やら心神喪失やらの要件があって訴えられないケースがいっぱいある……。

「選択的」なんだから、そうしたい人だけなんだから、別姓にしていったい何が悪いのかと思う。自由にさせればいい、解放すればいい、何も一つの型にはめる必要はない。ダイバーシティの時代でしょ? 多様性が重要なんだよね? だったら、それぞれ好きにさせて、いったい何が悪い!

最近つくづく思うのだけど、今は昭和だ。まだ昭和だ。というか、元号を使うこと自体が昭和の発想ではないか。

もうやめよう。世界並みになりたい。なってほしい。せめて私が生きているうちに……少しでも。

OHCHRに示された10の条約ベースの人権機関

CEDAW(女性差別撤廃委員会)もその一つ

憲章ベースの5機関、条約ベースの10機関のリストはこちらにあります。

CEDAWという略語は、委員会(The Committee on the Elimination of Discrimination against Women)と条約(Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination)の両方に使われます。

CEDAW(委員会)に関する情報はこちらで読めます。

CEDAW(女性差別撤廃条約)に関する説明はこちらで読めます。

男女共同参画ビジョン-21世紀の新たな価値の創造-

平成8年=1996年7月 男女共同参画審議会が示したビジョン

男女共同参画局に「抜粋」がありますが、リプロに関する部分等が掲載されていないので、以下、プラスアルファで入力しておきます。とても意欲的なものだったこと、そして四半世紀を過ぎた今、当時の思いのほとんどが果たせていないことがよく分かります。

はじめに
〇 男女共同参画は、人権尊重の理念を社会に深く根付かせ、真の男女平等の達成を目指すもの
〇 21世紀の到来まで4年余りとなった今日、男女共同参画社会の実現は緊急かつ重要な課題
〇 男女共同参画社会の実現に最大限の努力を傾注しなければ、我が国社会が目下迫られている歴史的な変革をなし遂げることは極めて困難
〇今世紀に残されたわずかな期間と来世紀初頭における取組が、男女共同参画社会への流れを確実なものとして定着させ、来るべき21世紀が真の平等を基礎として男女の新しい関係に飛躍する時代となることを念願



第1部 男女共同参画社会への展望
1 男女共同参画社会の基本的な考え方
(1) 男女共同参画社会とは

 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会
(中略)
第2部 男女共同参画社会への取組
(中略)
4 性別にとらわれずに生きる権利を推進・擁護する取組の強化(中略)
(3) リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・権利)の確立
〇 女性の健康をめぐる現行の関連法令・制度について、リプロダクティブ・ヘルスを保障するための法的整備を含めた総合的検討 女性の生涯を通じた健康づくりのための環境整備
〇 母性の重要性等に対する社会の認識の浸透 周産期医療サービスの充実等母子保健対策の充実
〇 HIVエイズ等女性の健康をおびやかす問題に関する認識の普及・信藤・対策の充実
〇 リプロダクティブ・ヘルス/ライツの定着・促進 女性の性的自己決定が尊重される教育・学習機会、広報・啓発の充実

(4) 男女平等を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実
〇 子どもが性別にとらわれずに個性を伸ばすことのできるしつけ、教育態度 家庭教育に関する学習機会の充実、父親の家庭教育への参加支援など男性の家庭参加の促進
(中略)
〇 女性学・ジェンダー研究の振興 あらゆる学問分野の教育・研究へのジェンダーに敏感な視点の組み込みへの配慮 研究成果の社会教育などの場での活用
(中略)

5 地球社会の「平等・開発・平和」への貢献
(1) 国際規範・基準の国内への採り入れ・浸透

〇 女子差別撤廃条約の積極的遵守・対応、国内への浸透 同条約の選択議定書の作成に向けた国際的な取組の動向への配慮
(後略)

なぜ、男女共同参画局の「抜粋」では、最も重要だと思われる基本的な理念の部分が省略されているのか。非常に疑問に思う。

中絶できる権利と中絶を選ばなくてもよい権利の両方を守る

内密出産で孤立出産を防ぐシステムも!

私は長年、中絶をめぐる健康と権利を中心にリプロダクティブ・ヘルス&ライツについて研究してきたけど、最近になって「産む権利」についても全く保障されていないことにも関心が向かっている。いくつか気になる記事を集めておきます。

公立の高等学校における妊娠を理由とした退学等に係る実態把握の結果等を踏まえた妊娠した生徒への対応等について(通知)

妊娠をした高校生に対する支援の現状と課題

妊娠を他者に知られたくない女性に対する海外の法・制度が各国の社会に生じた効果に関する調査研究報告書

妊娠を他者に知られたくない女性への支援を考える

乳がんに罹患する人より中絶経験者の方がはるかに多い

日本の中絶は減ったとはいえ……

先日、ブログに書き込んだ通り、令和1年度の中絶件数は 156,430 件で、前年度に比べ 5,311 件(3.3%)減少した。中絶率も減少している。

一方、今日見つけた統計によると「乳がん罹患率」は人口10万に対して140.8、一方の中絶率は人口千対6.2だったので、10万あたりにすると620となり、乳がんにかかる人より、中絶を受ける人の方が4倍以上もいることになる。

先日の第5回「中絶についてもっと話そう!」で、「危機的妊娠」という言葉を学んだ。「望まない妊娠」でもなく、「意図せぬ妊娠」でもない。なぜなら「望んだ妊娠」でも「意図した妊娠」でも中絶を受けることになる人がいるし、その妊娠を続けていくことで何らかの危機(退学、職業を継続できない等々)に直面する人たち、彼女たちが経験している「妊娠」のことを考えなければならないという考え方だ。

乳がんは女性が罹患しうるがんの中で最も多くを占めており、まさに女にとって大問題なのだけど、れっきとした医療の対象である。

一方の中絶は、「患者」として見ない医療者が、当人を罰するかのような言動をすることが今もあると聞く。危機的妊娠の解決策として、安全な中絶が行われるようになってほしい。危機的妊娠を危機的中絶で終わらせないでほしい。安全な中絶医療、安心できるカウンセリングが広まってほしい。そのためにも、中絶に対するタブーをひとつひとつ払いのけていきたい。

国連女性差別撤廃委員会への日本政府の報告期限は1週間後

元々2020年3月が期限だったがコロナのために1年遅れで提出

3月9日に提出期限が再設定されているのを確認した。

ただし、NGOからの報告書はコロナ前のもの。このズレが悔しい。果たして日本政府は、女性の自死が増えたことなどを正直に報告するのだろうか?

健康に関して委員会から先に受けている質問を以下示しておく。

リンクはこちら

中絶にまつわる法律を変えないのか、安全な中絶にアクセスしやすくしたか。福島の原発やたばこによる健康被害についてといった内容だが、まだまだ足りない。次回はもっとしっかり備えて質問項目を準備しておいて情報提供したい。

Health
20.According to the information before the Committee, the Penal Code of the State party criminalizes abortion, while under the Maternal Protection Act, spousal consent is required for an induced abortion. Please provide information on the steps that the State party intends to take to amend these provisions in line with the Committee’s previous recommendations (para. 39 (a) and (b)). Please report on the measures taken to increase the accessibility and availability of safe abortions for women. Please indicate the efforts of the State party to provide scientifically correct information regarding safe abortion methods to women needing the service. In line with the previous recommendation of the Committee (para. 39), please provide information on the efforts made by the State party to adopt a comprehensive plan with targets and indicators aimed at preventing suicide among women and girls. Please elaborate with data and statistics on any other measures introduced to address the issue of suicide and the outcomes thereof.

21.Please elaborate on the health status of women affected by radiation contamination. Please indicate the damage to health caused by the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident and advise whether a system has been established to provide medical treatment to girls and women, including pregnant women, affected by radiation in Fukushima prefecture. According to the information before the Committee, the effects of tobacco use have been detrimental to the health of women and girls, causing up to 4.88 per cent of deaths among women in the State party, with many girls and women, including pregnant women, affected by second-hand smoke. Please indicate the efforts of the State party to address legislation gaps, in accordance with the State party’s obligations under the World Health Organization Framework Convention on Tobacco Control, and prohibit smoking in indoor public spaces and workplaces and discourage attractive promotional packaging.