リプロな日記ー産む/産まないの選択と決断、妊娠、中絶、流産…を超えて

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

自宅中絶に関する論文3本(中絶合法化前のアイルランドの話も)

University of Chicago Press Journals
Volume 43, Number 4 | Summer 2018, pp. 823–849
Empowerment and Privacy? Home Use of Abortion Pills in the Republic of Ireland
Sally Sheldon

Health Hum Rights. 2017 Jun; 19(1): 29–40.Theorizing Time in Abortion Law and Human Rights
Joanna N. Erdman, JD, LLM

Putting abortion pills into women's hands: realizing the full potential of medical abortion - ScienceDirect

Contraception
Volume 97, Issue 2, February 2018, Pages 86-89
Putting abortion pills into women's hands: realizing the full potential of medical abortion
KingaJelinska, SusanYanow

海外のお手頃価格の緊急避妊法が日本にはない!

WHOで推奨しているのは銅付加IUDだった!

緊急避妊法については盛んに運動をしているグループがあるので、そちらにお任せしようと思い、あまり調べたことがなかったのですが、日本で承認されているレボノルゲストレル(LNG)は性交後72時間と効果のある時間が短いし、性交後120時間効果のあるElla One(ウリプリスタール酢酸エステル=UPA)もあるよね……と思って、WHOでEC(緊急避妊)を検索してみました。

すると、驚いたことに、銅付加IUDが最も効果が高いとして推奨されていることを知りました。また、緊急避妊薬(ECP)の中でもUPAの方がLNGよりも効果が高く、使用可能期間も長いとして、優先的に紹介されていました。
www.who.int

銅付加IUDについては、もしや価格が問題?と思ったら、ビンゴ!でした。

時事メディカルによればIUDは1万5000円~3万円となっていますが、ネットで宣伝している産婦人科クリニックでは3万円~4万円くらいに設定しているところが多いようです。

海外ではいくら?と思って調べたら、たとえばインドでは200~300ルピー(数百円)、イギリスでは10ポンド前後(千数百円)程度でした。

緊急避妊を広めるためには、現在、日本で承認されているLNGの店頭販売を求めていくのと共に、UPAの承認ならびに銅付加IUDの価格引き下げを求めていく必要がありそうです。

U.S. signs international declaration challenging right to abortion and upholding ‘role of the family’

反中絶宣言にアメリカが参加

公式にはGeneva Consensus Declaration on Promoting Women’s Health and Strengthening the Family(仮訳:女性の健康と家族の強化に関するジュネーブ総意宣言)と名付けられたもの。

他の宣言参加国は、ブラジル、エジプト、ハンガリーインドネシアウガンダなど。最終的には30カ国余りが参加。国際的な中絶への権利はないと主張している他、同性婚についても厳しい見方をしているようです。

他の国々はいかにも女性差別的で堕胎罪がありそうだけど、ハンガリーは中絶が合法的だったのではないかと思い調べてみたところ、合法ではあるけれども非常に制約が多いばかりか、ハンガリー政府は近年、プロライフ政策を進めてきたという経緯もあるようです。アメリカとブラジル以外は、同性愛も禁止されているとか。中絶禁止と同性愛禁止の根っこは同じ「家父長制」ということでしょうか。

The United States joined Brazil, Egypt, Hungary, Indonesia and Uganda on Thursday to co-sponsor a nonbinding international antiabortion declaration, in a rebuke of United Nations human rights bodies that have sought to protect abortion access.

トランプ政権のうちにやるだけのことはやろうとしているだけかもしれませんが、日本が同調しないように注意していく必要があります。

www.washingtonpost.com

妊娠・中絶環境改善へ

2020年10月20日国会議員ロビーイング

10月20日(火)に、国際アボーション・デー2020Japanプロジェクトの国会議員アンケートに答えてくださった議員さんのうち、この日にアポが取れた方々へのロビーイング活動を行ってきました。わたしが6月15日に依頼を受けてウェビナーを行った共産党からは、多数の回答を頂いていたため、合同で懇談会が開かました。他に8人の野党議員をお訪ねして話をしてきました。今日、しんぶん赤旗に記事が載りましたので、紹介しておきます。

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2020年10月23日しんぶん赤旗4面