リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

沢田博さんが『世界週報』の連載でウィリアム・ラフルーアさんの『水子』について書いてくださった中で,「フェミニスト雑誌のMs.(Winter, 2006)」の記事“Jane Dow's Choice”(Lynda Zielinski著)が紹介されていた。

オハイオ州の「18歳未満の女性が妊娠中絶を受ける場合には親の同意が必要」とする要件に対し,少女の「成熟度」が十分だと“juvenile court”(少年審判を担当する法定)で判断されれば親の同意なしで中絶を受けられるとする「法的バイパス」を取り上げた記事である。Ms.の記事によれば,これを判断する判事のタイプは4つに分かれる。(訳語は沢田氏のをほぼそのまま借用した)

1.中絶容認派と思われたくない隠れ“pro-choice”派
2.「宗教的な信条」故に絶対にバイパスを認めない“pro-life”派
3.厳しく長い説教をした上でバイパスを認める善意の保守派
4.無条件でバイパスを認める“pro-choice”派もしくは無関心派

この4分類はオハイオの“juvenile court”だけじゃなくて,一般の人々の中絶への態度にも当てはまるかも。

アメリカのMedical Students for Choiceの"the Reproductive Health Model Curriculum, 2nd Edition"は,リプロダクティヴ・ヘルスについて考えている方,中絶を手がけてらっしゃる臨床医の方にはぜひご一読いただきたい内容です。中絶にまつわる事実や考え方,実際的な処置やケアの方法などがあり,無料でダウンロードできます。