リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

リプロ医療に関しても,世界に大きく“遅れている”日本ですが,他の医療もそうなんですね……こんなの見つけました。 ニューズウィーク日本版 2006年11・01号 ■ ■ 最新リポート ■ 「医療鎖国ニッポン」と世界の格差はこんなに大きい! ■ ■ 世界の最先端医療 ■ ■…

リプロと直結はしないのですが,生命観を考えるために参考になる議論として,以下をご紹介します。 『朝日新聞』大阪版、2006年10月6日・夕刊 脳死移植、「匿名」貫け 移植法改正案、ぬぐえぬ臓器売買の危険性 森岡正博 http://www.lifestudies.org/j…

合宿の二次会のほうで,1980年代に「悲しみ」を連想する言葉をタイトルにつけた中絶関連書が次々発行されたことをご紹介しました。そのうちの一つが10月3日と5日の日記でで紹介したマグダ・ディーンズ著の『悲しいけれど必要なこと』でした。その前年には谷…

この9月に発表された3Dあるいは4D映像による「泣き笑いする胎児」が,最新の中絶の倫理問題として話題になっている。参照→http://www.prochoiceforum.org.uk/ocr_ethical_iss_1.aspだけど,こういう「表情」が分かるのは,かなり“胎児”が大きくなってからの…

MRI(磁気共鳴画像装置)とNMR(核磁気共鳴装置)は同じものなのだと,先日の整形外科の放射線技師の方が教えてくれました。同じものだなんて考えてもいなかったので,ちょっとびっくりしました。家に帰ってきてから,じつはMRIとNMRは原理は一緒だけれど精…

直島の美術館のサイトで,おもしろいのを見つけたので。ご存じの方はご存じ,草間彌生さんの作品です。http://avance.mapion.co.jp/special/06oct_/6929.html……ど〜〜〜〜んとカボチャ!何がリプロだ!? と,おっしゃらないで。植物の「実」は「リ・プロダ…

スロヴァキアやスロヴェニアの中絶法(の英訳)では,artificial termination of pregnancyという言葉が使われていることに気づいた。もしかしたら日本の「人工妊娠中絶」という言葉も,1948年時点で中絶を合法化していた(あるいは中絶合法化をした経験のあ…

マグダ・ディーンズ著『悲しいけれど必要なこと』について,もともと仕事上の知り合いで尊敬している訳者の加地永都子さんと電話でお話しし,この本を訳したいきさつや当時の反響について伺った。この本自体は加地さんの持ち込みではなく,編集者がみつけて…

偶然みつけた論文。読んでみたいのでメモっておく。 ◆ネットの奥の無法地帯・・・白土康代 パソコンに一方的に送られてくる「猥褻メール」は、様々なパターンがあるが、すべて女性がひたすら性的存在としてのみ消費されていることが特徴である。見逃せないのは…

子どものための英語アクティビティ・サークルを作ってはどうかと考え,このところちょっと調べ始め,準備のために人に会ったりもしだした。やっぱり,北陸には子どもたちが英語で歌や劇を通じて学べる場所はあまりないみたいなので,自分で作るしかないと思…

かづきれいこさんって,日本人の肌の色に合わせた黄色いファウンデーションを作った美容家として多くの女性はご存じだと思いますが,彼女のステキな一面を次の記事で知ったので一部抜粋してご紹介します。 「リハビリメイク」で顔から心を解放する フェイシ…

知る人ぞ知るウルスラ・K・ル=グインの中絶に関するコメント発見。あとで訳したいけど,とりあえず英語でメモっておきます。 The preservation of life seems to be rather a slogan than a genuine goal of the anti-abortion forces; what they want is …

一昨日書き込んだ「タイも水子供養が輸出された国だった」というのは間違いでした。3年前,金沢大学の清水邦彦先生の水子供養に関するゼミで,私が発表した以下の本の内容(第一部でタイの中絶状況を,第二部で韓国の水子供養を扱っている)を混同してしま…

ちょっと興味深い話を見つけたので。タイで死産児を使って偶像作りをした呪術僧が事情聴取を受けたという。 タイの民間信仰では死産した胎児には神通力があるとされ、「グマントーン」と呼ばれて一部では信仰の対象となっている。http://www.newsclip.be/new…

10月の分科会の資料として,WHOのSafe Abortion34頁にあるVA(真空吸引法)とD&C(掻爬法)を比較した表を訳してみて,改めて思った。この表のどこにもgeneral anesthesia/anaesthesia(全身麻酔)なんて言葉は出てこない。(やむなく)D&Cを行なう場合でさえ…

前に書いたアンジェラ・カーダー事件の経緯について,日本語で読めるものとしてはスーザン・ファルーディ著(伊藤由紀子,加藤真樹子訳)『バックラッシュ〜逆襲される女たち』(新潮社 1994)のp.292-295が詳しいです。

ドゥルシラ・コーネルは『イマジナリーな領域』で,ニューヨークの精神分析医グラシエラ・アベリン=サスGraciela Abelin-Sasを引用して次のように述べている。 グラシエラ・アベリン=サスは,女性の生の全般的な歴史と語りの構成という文脈において中絶が…

35歳にしてノルウェーの環境相,41歳でノルウェー初の女性首相となり,1998年から2003年にかけてWHO初の女性事務局長になったグロ・ハルレム・ブルントラント博士(Dr. Gro Harlem Brundtland)の自伝。Madam Prime Minister: A Life in Power and Politics(…

以下,とても重要な昔のフェミの資料が粒ぞろいのシカゴ・ウィミンズ・リバレーション・ユニオンのサイトからご紹介します。有名なわりに原文は知られていないアン・コデットの「ヴァ ギナ・オーガズムの神話」だとか,分厚いケイト・ミレットの『性の政治』…

上記ニュースへの追記です。(2006/0828)以下に,Plan-Bに関するFDAの情報ページ(Q&A)を紹介します。この文書によると,Plan-Bが認可されたのは1999年,店頭販売(OTC)を求める要望を受けてFDAで情報収集が開始され,2003年年末から店頭販売に関する審議が始…

世界各国の中絶政策をまとめた資料。役に立ちます。 United Nations Population Division Department of Economic and Social Affairs, 1999. World Abortion Policieshttp://www.un.org/esa/population/publications/abortion/

うわぁ〜,やっちゃった! すみません,このところグループ掲示板とグループ日記を停止しちゃってたことに今になって気づきました! ■Femreproグループ掲示板 (当面,10月の女(わたし)のからだから合宿の話をする予定) http://femrepro.g.hatena.ne.jp/b…

ayumi_aさんから昨日コメントいただいて思い出した映画(もともとテレビ映画のようですが,わたしはレンタルビデオで観ました)について,手持ち情報からあらすじを紹介します。それぞれの時代のアメリカの中絶事情を非常によく描いている作品だと思います。…

このところずっと,「リプロダクティブ」と「リプロダクティヴ」のどちらの表記を使うかとか,reproductive health and rightsをどう訳すかで,迷い続けていた。英語と親しくしてきた身としては,「ヴ」のほうがしっくり来るというのが正直なところ。政府の…

メモ……というより,おしゃべりだろうか。ジュディス・ジャーヴィス・トムソンの「中絶の擁護」という論文のことを考えていた。知ってる人は知ってるだろうけど,ある朝,目覚めたら世界的に有名なヴァイオリニストと身体がつながれていた。ヴァイオリニスト…

プロネイタリズムとウィリアム・ラフルーア氏のいうフィカンディズムは区別すべきだろうと感じている。前者は胎児の出生に焦点があり,後者は(主に男性の)“俺の子願望”とでも言うべきもの(子種を植えつけることへのこだわり,“血”の継続や遺伝子伝達への…

合宿の分科会のために,グループ日記はやめて,グループ掲示板を設定してみました。こちらのほうが気軽に書き込めそうな気もしますので,みなさまどうぞよろしく。参加したい方は,プロフィールの中のメルアドにご連絡ください。http://femrepro.g.hatena.ne…

一昨年末,宮城県石巻市で起きた医師を装った男性がネットで知り合った女性の腹を中絶手術と称して切り裂いた事件で,加害者の男性が執行猶予になっていたそうだ。annojoさんの20050516の日記に判決時と逮捕時の報道を比較したものを発見。判決時の報道では…

国連Population DivisionのDepartment of Economic and Aocial AffairsによるWorld Contraceptive Use ・2003の表を見ると,日本の避妊パターンが非常にユニークであることが一目瞭然。コンドーム使用率が4割を超える国なんて日本以外にどこにもない。香港…

いつも教えられることの多い在ボストンの李啓充氏(医師/作家)の連載「続 アメリカ医療の光と影」の「ピル(医療と性と政治)(20) 「プライバシーの権利」の確立」が完結した。早く本になってくれないかな。http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/…