リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ルーマニアの非合法中絶時代を描いた映画がアカデミー賞候補に

このところ世界では中絶問題を描いた映画が次々と作られ、いずれも話題になっています。今日のAFP BB NEWSにも「第80回アカデミー賞外国語作品賞にむけ、63か国から出品」というニュースの中に、前にご紹介したルーマニア映画が候補に挙がったと報じられています。

【10月18日 AFP】(一部更新)2008年の第80回アカデミー賞(80th Academy Awards)外国語作品賞の選考に向け、63か国の作品が出品されたことが明らかになった。同賞主催者が17日、出品作のリストを発表した。

 約3か月後、この63作品から5作品が本選にノミネートされ、2008年2月24日の授賞式ではさらにその中から1作品が最優秀外国語作品賞に選ばれる。……

 受賞最有力候補のひとつは、ルーマニアの『4 Luni, 3 Saptamini si 2 Zile(4 Month, 3 Weeks and 2 Days)』。ルーマニアのクリスチャン・ムンギウ(Cristian Mungiu)監督が手掛けたこの作品は、同国で共産主義時代に行われた非合法中絶をテーマにしたもの。5月に行われた第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)で、最高賞の「パルム・ドール(Palme d’Or)」に輝いている。

―後略―

中絶問題は、人の心を揺さぶり、社会問題を掘り下げ、多面的な見方に目を開かせ、生命とは何かといった哲学的思考を刺激するものですが、このように一種ブーム化していくと、今後は浅薄な監督によって受け狙いの駄作が作られる可能性も大なので、少々心配になります……。