本日付の山陽新聞 岡山医療ガイドという記事より。
陽性で「中絶」5.7%
新出生前診断、岡山大報告
ダウン症などの胎児の染色体異常を血液で調べる新しい出生前診断について、岡山大が行った妊婦の意識調査の最終報告によると、検査が陽性だった場合に「中絶する」と答えた人は全体の5・7%で、6月末の中間報告の約6%とほぼ同じだった。確定診断に必要な「羊水検査などを受ける」は74%、「検査を受けず妊娠を続ける」は20・3%。同大は「今後の在り方を考える基礎資料にしてほしい」としている。
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なお,出生前診断について,多くの論者が「安易な中絶」を批判するが,当事者を責めるのはやめるべきだ。診断結果は一つの要素であって,他にも妊娠継続を回避させるような事情が重なっているのかもしれない。誤審だったりした場合,後悔に苛まれている人もいるかもしれない。多くの当事者が十分すぎるほど苦しんでいるはずだ。当事者バッシングは酷だ。彼女たちの産めない事情の方にこそ矛先を向けるべきだろう。
それにしても,診断の結果,中絶をするということは,母体保護法違反になるはずなのに,なぜ法的な議論が始まらないのか。倫理問題を指摘する人々は,堕胎罪+母体保護法体制は倫理的だと考えているのだろうか。
そもそも,女性が自分の身体を守るための避妊や中絶については技術革新が著しく遅れているこの国で,どうして女性の身体に介入する不妊治療や新型出生診断ばかりがどんどん進化していくのか。このアンバランスはいったいなんなのか,もっと考えてみるべきだ。