リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

[ニュース}

アメリカでは何やらリプロ関連の話が騒がしくなっている。2006/5/8付のNew York Times Magazineによれば,アメリカの反中絶派の一部が,今度は「反避妊」闘争に乗り出した。避妊具が合法化された1965年のグリズウォルド判決以前への逆戻りを狙っているらしい。記事によれば10年前までアメリカのプロライフは「中絶」のみに的を絞っていたそうだが,徐々に路線を修正してきた。今回の記事では,プロライフ・リーグという反中絶派グループの代表がはっきりと「アンチ避妊」の発言をしている。でも,下記に紹介したAGIの報告書によれば,アメリカ人女性の98%が避妊経験があるというのだから,さすがにここまで行ってしまうと,保守勢の中からも離反者が相次ぐのではないのだろうか。


一方,The Washington Postによると,アメリカ最大の医療機器メーカーCook社が,ジェンダー・ベイスト・メディスンへの関心の高まりを反映して,女性健康部門Cook Women's Healthを新設すると発表した。10代から閉経後まで,女性特有の健康問題の改善を含み,生活の質(quality of life)そのものの向上を目指しており,女性のみに特化することでより良いケアが可能になると見られている。

おまけ:私自身も某病院の「女性専用外来」にかかったことがあるけど,内実は窓口がひとつになっているだけで,結局,各科を受診して歩くはめになり,かえって面倒だった。日本でもちゃんとしたジェンダー・ベイスト・メディスンが実現してほしいものです。(なかにはいい病院もあるんだろうけど……。)

ちなみに,今回,medicineをカタカナでどう書こうかと迷って,googleを検索したら,「メディシン」が14万件,「メディスン」が35万件だったので,後者を採用しました。