リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

[ニュース]

JAN JAN(Japan Alternative News for Justice And New culture)で見つけた記事 + (少々古いのですが)関連記事2本

●先住民に合った医療を求める 2006/06/10
ジュネーブIPS=グスタボ・カプデビラ、5月25日】

 ジュネーブで開催されている世界保健総会に出席したボリビアのニラ・ヘレディア保健大臣は、「憂慮すべきボリビアの医療問題は、ボリビア社会の伝統文化を無視する医療モデルの重視に起因する」と述べた。
 ―中略―
 「この結果は期待を裏切るものだが、明らかに地域社会の価値と習慣を配慮しない輸入された医療モデルのせいだ」と、大学教授で人権運動の著名な活動家であるヘレディア大臣はIPSの取材に応じて語った。

IPS:両者の見解の違いは何か。

大臣:健康に関する見方はさまざまだ。それぞれの文化には独自の健康という概念があり、別の文化の概念とは一致しない場合もある。実際に医療モデルとされるものは健康ではなく病気に注目している。関心の対象は病気であり患者である。それが現在主流となっている医療モデルだ。

 対照的に、ボリビアの人々は概して健康という状態を作り出すことにより関心を抱いている。物事はただ自然に生じるものであり、医療の提供という異質な方法に強制的に取りこまれることはできない。

IPS:その医療モデルの何に反対なのか。

大臣:私たちは人間的な出産(Humanised Childbirth.)への傾向を懸念している。人間的な出産とは分娩中の女性が安心できるよう便宜を図るというだけでなく、医療の専門家の補助が必要だという意味を持つと思われる。けれども妊産婦を第一に考えずに医者が自分の都合で医療を行なうので人々は不安になる。
 ―略―
IPS:講演の中で他の講演者とは異なり、性と生殖に関する健康については言及しなかったが、ボリビアでは問題になっていないのか。

大臣:なっている。(中絶を有罪としない)法制化に断固として反対しているカトリック教会との問題がある。治療的な中絶や女性が母親になることの自由選択というように中絶の意味を限定しても、教会は何が何でも法制化の道を阻止しようとしているので、重要なテーマだと思う。

 この性と生殖に関する健康の問題については、中絶を悪者扱いすることは止めなければならない。

原文は→ http://ipsnews.net/news.asp?idnews=33372

●汝、コンドームを使うべからず 2005/03/31
 イスラム教徒とカソリック教徒は多くの問題で協調関係にないが、テーマが彼らにとって絶対に受入れられない世俗的な価値観の浸透につながるもの――人工中絶、同性愛者の結婚、コンドームの使用――である場合、すぐさま対立点は横において協力して共通の脅威に立ち向かう姿勢を見せる。

原文は→ http://ipsnews.net/interna.asp?idnews=28101

●国連は米国の資金援助をものともせず 2006/01/21
【国連IPS=タリフ・ディーン、1月9日】

 (国連をはじめ多くの国際機関への最大の資金拠出国である)米国は長年、財政面において(同国との協調を拒絶している)国連機関を脅かす政治的影響力を行使してきたことで悪評を受けてきた。
  ―略―
ブッシュ政権はこれまでUNFPA国連人口基金:U.N. Population Fund)から合計約1億2700万ドルの拠出を差し控えてきた。(2002年は3400万ドル、2003年は2500万ドル、2004年、2005年にはそれぞれ3400万ドルのUNFPAへの拠出金を保留)

 この資金援助の凍結は、UNFPAが中国における妊娠中絶を支持しているという誤解の下に行われた。(この考えはブッシュを強く支持するネオコンキリスト教原理主義者たちによるものである)……

原文は→ http://ipsnews.net/news.asp?idnews=31702