インドの中絶の実態報告書*1によれば、インドでは多くの女性がD&Cで中絶を受けていて、「より安全な」MVAやMMAはあまり使われていないとされています。
MVAは以前ご紹介したmanual vacuum aspiration(手動吸引法)ですが、MMAは何の略?
どうやらmethods of medical abortionのようです。ここでいうmedicalとは、surgery(外科)との対比であり、RU-486などの薬を用いたごく初期の中絶のことだと推察されます。
この報告書ではD&Cを危険視し、MVAやMMAを推奨しています。報告者たちは、インドの女性たちは中絶方法が複数あることさえ知らない、中絶後の避妊指導をちゃんと受けていないなどと中絶ケアの立ち後れを嘆いていますが、ケアの質と量に関して実態調査をしているだけ、日本よりよっぽどマシではないでしょうか。
何しろ日本は、中絶件数の報告数さえ「実態とはかけ離れているのでは?」と多くの研究者に疑われながら、一度もちゃんとした調査をしたことがないのですから。
*1:Improved Access to Abortion Care, 2007 http://www.pathfind.org/site/DocServer/Karnataka_IASAC_MAY07.pdf?docID=9061