リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ヒラリーとオバマの中絶問題への見解

発表があったことは知っていたけど、あまり興味をもてなくて放っておいたため、過去日記です。じつはさっき(20日)法王のアメリカ訪問のニュースを見たもので、そういう予定を視野に入れての発言だったとすれば、どこまで何を言ったのだろうか……と興味が湧いて、見直してみたまでです。

2008/4/14付けのCNNニュースに報じられた「米大統領選で民主党の指名獲得を狙うヒラリー・クリントン上院議員バラク・オバマ上院議員は13日、次回予備選が開催されるペンシルベニア州メサイア・カレッジでの座談会に出席した」際の発言から両者の見解を以下、抜粋します。

クリントン氏は「生命の可能性は受精時点から始まる」との見解を示したうえで、自身が信仰するメソジスト派教会がこの問題に取り組んでいると述べた。また、安全かつ希少な事例とする必要性を条件に、中絶の権利が引き続き守られるべきだと発言した。

一方のオバマ氏は、中絶の道徳的側面を認めることが重要だと語り、中絶賛成派がこれまでその点を語らず抑えようとしてきた、と指摘した。同氏は数週間前、自身の娘たちが望まれず生まれてきた子どもを抱えてほしくないと発言し、論議を呼んだばかり。

あまりに簡単な報道だけど、だいたいの方向性だけは分かる。どちらも広い意味での「プロ・チョイス」の路線でありながら、総合的なリプロダクティヴ・ライツの視点には立っていないようだ。(マスコミが発言内容を要約する際に、そうした「色眼鏡」で見たのかもしれないけれど。)これでは、リプロダクティヴ・オプレッション(生殖にまつわる抑圧)とリプロダクティヴ・ジャスト(生殖にまつわる公正)の必要性を指摘してきたカラードの女性グループは幻滅するだろう……でも、他にマシな選択がなければ、とりあえずヒラリー・クリントンを支持するしかないのかもしれない。