びっくり! アメリカで、中絶反対派が殺される事件があったようです。本日付AFPBB Newsでは、次のように報じています。
【9月13日 AFP】米ミシガン(Michigan)州オワッソゥ(Owosso)にある高校前で妊娠中絶に反対する活動を行っていた男性が11日、走行中の車から数回射たれ、死亡した。
殺害されたのはジェームズ・プイヨン(James Pouillon,、 63)さん。11日午前7時20分(日本時間同日午後8時20分)ごろ、中絶反対を訴える大きなプラカードを手に持ち抗議活動を行っていたところを射殺された。事件の目撃者から犯人の車のナンバープレートの情報を得た警察は、事件発生からまもなく容疑者(33)を逮捕した。
警察の取り調べに対し、容疑者は地元の砂利採取場経営者、マイク・フオス(Mike Fuoss、61)さんも射殺したと供述した。フオスさんの遺体は同日午前8時17分(日本時間同日午後9時17分)ごろにオフィスで発見された。容疑者はフオスさんと面識があったが、警察は容疑者とプイヨンさんとの関係および殺害の動機について明らかにしていない。
中絶反対派団体の関係者によると、プイヨンさんは毎週定期的に、地元の中絶を行う診療施設などの付近で抗議活動を行っていたという。
以下の9月12日のasahi.comの記事にあるように、中絶を行う医師などが中絶反対派に殺されるという事件はこれまでもありましたが、逆は初めてではないでしょうか。
米国で中絶は、容認派と反対派が激しく対立。反対派の団体は同日午後、首都ワシントンで会見し、「中絶反対の主張をしていたから、狙われたとしか思えない」と事件を非難した。一方、5月にはカンザス州ウィチタで妊娠中絶を行ってきたジョージ・ティラー医師が、教会で射殺される事件が起きている。
それにしても、「(中絶)容認派」というのは公正な言葉だとは言えません。英語圏の中立的なメディアにおいては通常「プロチョイス」と呼ばれているはずであり、「プロアボーション」というのは、中絶に反対するプロライフ派が、プロチョイスの主張を矮小化して侮辱的に用いる言葉です。プロチョイスはただ中絶が行われることを「容認」すると言っているわけではなく、その選択について個人の自由や権利を守るという立場です。そのニュアンスがこの訳語からはすっぽり抜け落ちており、その意味で誤訳だと言わざるをえません。(プロライフ派も中絶反対派と完全に重なるわけではないのですが……。)
いずれにしても、写真を見る限り、プロライフ派のパフォーマンスも行き過ぎなところがあると思えてしまいますが……だからといって、自分と意見の異なる相手を殺すなどという暴力が許されてはならないことは、言うまでもありません。