リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

Abortion Stigma: A Systematic Review

Perspect Sex Reprod Health. 2016 Dec;48(4):169-177. doi: 10.1363/48e8516. Epub 2016 Mar 31.

中絶のスティグマに関する2016年のシステマティック・レビュー

Franz Hanschmidt 1, Katja Linde 1, Anja Hilbert 1, Steffi G Riedel-Heller 1, Anette Kersting 1
Affiliation: 1University of Leipzig, Germany.


アブストラクトを仮訳する。

背景 スティグマは、中絶を経験した女性の幸福に対する潜在的な危険因子として認識されているが、中絶に関連するスティグマの研究にはほとんど注意が払われていない。


方法 Medline、PsycArticles、PsycInfo、PubMed、Web of Scienceのデータベースを系統的に検索し、検索語は"(abortion OR pregnancy termination) AND stigma* . "とした。主な研究課題として、中絶のスティグマにさらされた個人の経験、中絶をした女性にスティグマを与える公的態度、中絶のスティグマを管理することを目的とした介入を取り上げた論文を対象とした。この問題の包括的な概観を提供するために、2015年2月までに発表されたすべての研究が考慮された。検索は、英語とドイツ語の研究に限定した。


結果は以下の通りである。量的研究7件、質的研究7件を含めることができた。2 件を除くすべての研究が 2009 年以降に発表されたものであり,最も古いものは 1984 年のものであった。研究は主に米国のサンプルに基づいており、ガーナ、英国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、ザンビアの参加者が含まれているものもあった。ほとんどの研究で、中絶を経験した女性は、社会的判断への恐れ、自己判断、秘密保持の必要性を経験していることが明らかにされた。秘密主義が心理的苦痛の増加や社会的孤立と関連していた。いくつかの研究では、一般の人々にスティグマを抱かせるような態度が見られた。スティグマは中絶を提供する人の生活において顕著に現れるようであった。中絶のスティグマを軽減するための介入のエビデンスは乏しいものだった。ほとんどの研究は、一般化可能性と妥当性に関して限界があった。


結論 中絶のスティグマの理解を深め、それによって影響を受ける人々への影響を軽減するために、有効な手段を用いたより多くの研究が必要である。

中絶のスティグマは2009年にIpasのKumarらの研究で社会科学的な調査が必要とされていたが、未だに十分な調査は行われていないようである。

Cult Health Sex. 2009 Aug;11(6):625-39. doi: 10.1080/13691050902842741.
Conceptualising abortion stigma
Anuradha Kumar 1, Leila Hessini, Ellen M H Mitchell
Affiliations collapse
Affiliation: 1Ipas, North Carolina, USA. kumara@ipas.org