リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

日本の緊急避妊薬事情、なんでこんなに世界と違う?ピルに詳しい日本家族計画協会に聞いてみた

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HUFFPOSTに北村邦夫先生と遠見才希子先生の対談が掲載されています。日本の緊急避妊薬事情がなぜ世界とこれほど違うのかを巡って、避妊ピル導入を巡る歴史的背景まで踏み入った話が展開されています。必読です!
www.huffingtonpost.jp

緊急避妊薬、国内では認可も遅くて入手のハードルが高いのはなぜ?日本家族計画協会に聞いてみた

ハフポスト Shino Tanaka

緊急避妊薬、国内では認可も遅くて入手のハードルが高いのはなぜ?日本家族計画協会に聞いてみた

バイアグラはわずか半年で認可。でも低用量ピルは40年…その差は何だったのか。

I Decide What Happens to My Body!

各国で「安全な中絶」を求める国際キャンペーンが展開中

Safe Abortionが実現していないIPPF(国際家族計画協会)加盟国のアクティヴィストたちが、I Decide What Happens to My Body(私の身体をどうするのかは私が決める)と題した一大キャンペーンを昨年9月からいっせいに展開しているそうです。「安全な中絶」を阻む壁を打ち壊していくのが狙いです。

マレーシアでは中絶の神話を粉砕する「情報満載の楽しいビデオ」が作られ、イェメンではラジオ・インタビューやフラッシュモブが行われ、モロッコでは全国の大学のコンテストが毎年開催され、スワティニ(旧スワジランド)ではソーシャル・メディアを使ってこれまで聞こえてこなかった「声」を挙げたことで厚生省からお呼びがかかった……等々、勢いがあってなんだか楽しそう。

私たちも何かしたい!という気持ちにさせられます!

www.ippf.org

韓国で中絶禁止に違憲判決が出るかも!?

国際女性デー:女性の命を守るための「安全な中絶」を

妊娠中絶は安全で効果的な医療行為であり、通常は錠剤か、局部麻酔による子宮内容除去術(MVA)で行われる。

JIJI.comの「国際女性デー:女性の命を守るための「安全な中絶」を」に書いてあります。日本で行われている中絶の大半は、世界の「通常」とは異なるわけです。

www.jiji.com

タイなら店頭で200円で買える緊急避妊薬 日本人はリプロ難民

10代女子が1日40人中絶する現実にも、アフターピルが広まらない理由

先日、IWAC2019に参加するために行ってきたバンコックで、街中のドラッグストアの棚に、当たり前のように複数の緊急避妊薬が並んで販売されていました。1箱55バーツでした。日本円にしたら200円!? とんでもなく安いではありませんか!(最初、5.5バーツかと勘違いして、ぎょっとしたけど、200円でも、ギョッ!ですね。)

そう思っていたら、BUSINESS INSIDER JAPANに古川雅子さんによるこんな記事を見つけました。日本の女性たち、もういいかげんリプロ難民から脱しましょう!

www.businessinsider.jp

バンコックに行ってきました

IWAC2019に参加して

IWACとは3年に1回タイのバンコックで開かれる安全でない中絶に関する国際会議の略で、4回目になる今年のテーマは"Universal access to safe abortion: We Trust Women"でした。第2回IWACに参加してから6年目になる今年、再び参加してきました。

一言でいうなら、日本はやはり中絶後進国であること、しかも発展途上国も含めて諸外国の国々にますます差をつけられてしまったことを改めて突き付けられて帰ってきました。

6年前に参加した第2回IWACの時にはまだまだ「安全な中絶」ができない国々があり、そうした国々から来た医療関係者などに売り込むために業者が「手動吸引機」を展示したりしていたものです。しかし、もはやそうした売り込みは消えました。多くの国々にすでに普及し終わった証拠です。

会議の内容も、6年前は「中絶薬で中期中絶の何週目まで可能か」といった議論が盛んに行われていたけど、もはや一定の範囲内での中絶薬の安全性は保証されているとの前提で、今回の会議のテーマの通り、薬や吸引器を使った「安全な中絶」をどうやってすべての女性たちに提供していくのかといった話題が非常に目立ちました。

今回、私は中絶薬もないし、搔爬が盛んに行われている日本の現状を報告したのですが、会場の人々がびっくりした顔で私の話を食い入るように聞いてくれ、降壇してからも幾人もの人々から、同情やお褒めの言葉や日本人医師への憤りや様々な支援の申し出まで頂いて帰ってきました。

詳しくはいずれ。

フランスと日本の「避妊と中絶」は、こんなにも違っていた

女性は妊娠を「自己決定」できているか

髙﨑順子さんというフランス事情に詳しいライターさんによる記事をご紹介します。日本とフランスの避妊・中絶事情の違いがわかります。

ただ、理由は不明ですが、この方は【「女性避妊はダメだが中絶はよろしい」という意思は、どのように制度化されたのか】については明言を避けています。また、制度化の過程に、加藤シヅエなど女性議員や産児制限運動家たちが深く関与していたことにもあまり目を向けてらっしゃらないようです。

避妊の導入以前に中絶を合法化した日本特有の経緯については、『中絶と避妊の政治学―戦後日本のリプロダクション政策』を一読することをぜひともお勧めしたいです。

gendai.ismedia.jp

日本でも後期中絶?

この話、本当であれば日本でも後期中絶をしているクリニックがあったことになります。痛ましい話です。でも、一律に法律違反だとして糾弾するだけではなく、いったいどういう事情の女性たちがそれほど遅いタイミングの中絶をせざるをえなくなったのか、そこらへんもきちんと把握して報じてほしいです。
#人工中絶bunshun.jp