リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

Abortion in Korea 韓国で堕胎罪に違憲判決

韓国の堕胎罪違憲判決に関する英文情報

忘備録としてとりあえず。

South Korea’s Abortion Reform A Model for Others
South Korea’s Abortion Reform A Model for Others | Human Rights Watch
More Countries Should Join Global Trend Toward Easing Abortion Restrictions
Janet Walsh Deputy Director, Women’s Rights Division
2019/4/15


Amicus Brief: Decriminalization on Abortion in South Korea
Amicus Brief: Decriminalization on Abortion in South Korea | Human Rights Watch
Honorable Justices of the Constitutional Court of Korea
2018/5/22

Abortion in South Korea
Abortion in South Korea - Wikipedia

共同通信:「堕胎罪」は「憲法不合致」

本日付け共同通信社の報道です。

 韓国の憲法裁判所は4月11日、人工中絶手術を行って起訴された医師が刑法の「堕胎罪」について判断を求めていた訴えに対し、妊娠初期の中絶までを全面的に禁じ、違反した場合は処罰するという刑法の規定について「憲法不合致」という違憲判断を下した。

 これで韓国刑法269条にある「自己堕胎罪」と、同270条にある「同意堕胎罪」は「憲法不一致」となり、1953年に制定された堕胎罪の規定が66年ぶりに見直されることになった。

 韓国の裁判は一般的には三審制で、最高裁に当たるのが大法院だ。これとは別に、憲法判断だけを行う憲法裁判所があり、憲法裁判所の判断は最終決定になる。

 今回の判断では9人の裁判官のうち4人は「憲法不合致」、3人は「違憲」、2人は「合憲」だった。違憲が成立するためには6人の違憲判断が必要だが、9人中7人が違憲とした。

 ただ、「違憲」だとその法律はすぐに効力を失うが、「憲法不合致」というのは、その法律をすぐに廃止すると混乱が生まれるので法改正などの対応を求めることだ。憲法裁は、堕胎罪を即座に廃止することはしないが、2020年末までの法改正を求めた。この期限までに法改正がされない場合は堕胎罪の規定は全面的に廃止となる。

 実は憲法裁は2012年8月にも同じような訴えに対して判断を下したが、合憲4、違憲4で、結果的に合憲となった。この時は、胎児には時期に関係なく生命権があり、これは妊婦の自己決定権に優先するとして堕胎罪を合憲とした。

 しかし、今回の決定は「堕胎罪の規定は妊娠した女性の自己決定権を制限して、胎児の生命の保護という公益にのみ絶対的な優位性を与えている」と指摘し、7年前の合憲判断とは異なる判断を下した。

 憲法裁は、胎児が母体を離れて生存できる時期を「22週前後」と判断した。つまり、中絶を許容できるのは妊娠22週前後までとし、その期間は妊婦の自己決定権を最大限尊重すべきだということだ。早産をしても約22週以後は胎児が生存できる可能性が高いためだ。

 今後は、国会が堕胎罪の改正に取り組むことになるが、韓国内の意見はさまざまだ。保守的傾向の強い人々は依然として「胎児の生命権」を主張して人工中絶を禁止すべきとする。これに対し、堕胎罪そのものを廃止すべきだと主張する人々もいる。

 韓国政府が今年2月に発表した調査では、17年の人工中絶件数は約5万件という。これは05年の約34万2千件の約7分の1だった。韓国政府は件数が減ったのは避妊実施率の増加や事後避妊薬処方件数の増加、妊娠可能女性人口の減少などのためとした。しかし、中絶が違法な状況で、女性が政府の調査に正直に答えるとは思えないとし、実態を把握していない数字だとする声もある。

 これまでも妊娠中絶は違法だが、現実には広く行われてきた。韓国メディアによると、過去5年間の堕胎罪の起訴件数は年間10数人程度だ。

 一方で、ネットで妊娠中絶薬を違法取引するケースが増えている。朝鮮日報によると、妊娠中絶薬の違法取引での摘発件数は13年には514件だったが、昨年2197件と約4倍になった。これも実際の違法取引のほんの一部の可能性が高い。

 今回の憲法裁判所の堕胎罪を違憲とする判断は、韓国社会の意見の変化を反映したものといえるが、国会での法改正ではさまざまな意見が出そうだ。

(ジャーナリスト 平井 久志)

Female CEOs Take a Stance For Reproductive Rights And Challenge Corporations To Join

ForbesWomenの記事

文Estrella Jaramillo
Women's Health Advocate and Entrepreneur.

中絶に対してアメリカ一厳しいと言われているアラバマ州法に反対するために、女性の健康に関する企業7社のCEOが合同で広告を打った。

www.forbes.com

Abortion is: 中絶は:
a personal choice 個人的な選択
health care 医療
lifesaving 命を救う
gender equality ジェンダー平等
owing your own body 自分の身体を自分で所有すること
not a crime 罪じゃない
not up for debate ディベートのテーマじゃない

流産のリスク、黄体ホルモン投与で軽減=英研究

BBC NEWS Japan

引用貼り付け

 流産や妊娠初期に出血を経験した女性に黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与することで、次の妊娠で流産の確率を下げられると、英バーミンガム大学の研究チームが発表した。
 この研究では妊娠中の女性4000人を対象に臨床実験を行った。
 流産を2度経験したサマンサ・アレンさん(31)は、8週間にわたって黄体ホルモンを摂取したところ、息子のノアちゃんを授かった。
 黄体ホルモンは子宮内膜を維持したり、免疫系を支援したりするのに必要なホルモンで、妊娠時に不可欠なもの。
 アレンさんは研究の一環として、妊娠16週まで1日2回、黄体ホルモンの膣用座薬を処方された。
 アレンさんによると、黄体ホルモンの投与から1週間で出血が止まり、その後は問題なく妊娠が継続した。
 流産を経験した女性が1人でも多く、この効用を得てほしいとアレンさんは話した。
 「他の女性が私と同じような苦しみを味わわなくていいようになってほしい。流産は女性に悪影響を及ぼすので」
 妊娠した女性の5人に1人が流産を経験する。妊娠初期の出血は、流産のリスクを高めるとされている。
 黄体ホルモンの投与はすでに体外受精の一環で行われているため、アレンさんは臨床実験への参加にためらいはなかったという。
 バーミンガム大学の研究チームが学術誌「 New England Journal of Medicine」に発表した研究では、4000人の被験者のうち2000人に黄体ホルモンを、もう2000人には偽薬を投与した。
 被験者は全員、妊娠初期に出血を経験したことのある女性だった。
 黄体ホルモンを摂取しても出血がおさまらない被験者もいたが、最も効果が大きかったのは流産を繰り返し経験している女性で、出産の確率は15%上昇した。
 3回以上流産を経験した被験者のうち、黄体ホルモンを投与した137人中98人が赤ちゃんを出産した。一方、偽薬を摂取していた148人で赤ちゃんを授かったのは85人だった。
 研究を主導したバーミンガム女性・小児病院のアリ・クーマラサミー氏は、この治療法によって何千人もの赤ちゃんが救われると話した。
 「国立医療技術評価機構(NICE)がこの研究結果を考慮し、流産の可能性のある女性に対するガイドラインを更新してくれることを願っている」
 現在、流産のリスクを負った女性に対して「私たちができることは何もない」とクーマラサミー氏は説明した。
 一方で、流産の原因は複雑なため、黄体ホルモンによる治療で全ての女性を助けられるわけではないと指摘している。
 流産に関する慈善団体「トミーズ」のジェイン・ブリューウィン会長は、「これは流産を経験したカップルにとって重要な研究結果だ。これからはたくさんの命を救い、流産の苦しみを阻止できる画期的で効果の高い治療法を選ぶことができる」と話した。
 「さらなる研究によって治療法が増え、究極的にはより多くの流産を阻止できるようになるという確信が持てた」

タイの中絶事情様変わり

Abortion in Thailand

2005年と2017年のタイの中絶事情を書いた記事のリンクを貼っておきます。わずか12年でタイの中絶事情が様変わりしたことが分かります。

2005年 Induced Abortion in Thailand: Current Situation in Public Hospitals and Legal Perspectives

2017年 ABORTION IN THAILAND: MORE SAFE AND LEGAL THAN YOU MAY HAVE THOUGHT