リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

 さっそくですが,備忘録も兼ねてご紹介。washingtonpost.com > Nation > Scienceに掲載された2006/04/02の記事です。

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/04/01/AR2006040101145.html?referrer=email

 リード文は以下のとおり。

U.S. Firm Says It Made Stem Cells From Human Testes

By Maggie Fox

Reuters

Sunday, April 2, 2006; Page A10

U.S. researchers said yesterday they had transformed immature cells from men's testicles into stem cells, which they then coaxed into becoming nerve, heart and bone cells.<<<<<<<<<<<<<<<<<<


 つまり男性の精巣から取った未熟な生殖細胞をもとに,幹細胞が樹立されたというお話。


 従来,幹細胞樹立のために卵細胞がしばしば用いられてきたが,その採取には多大なリスクを伴うものだった。卵細胞は女性の身体の中にあるため,麻酔や排卵誘発剤を用いなければならないからだ。韓国の研究者が自分の部下や学生の女性たちにほぼ強制的に卵子提供を行わせてきたことは,倫理問題として日本でも報道された。


 ところが,今度は未熟な精子細胞が用いられるようになったらしい。採取方法については,この記事には見あたらないけど,たぶん卵子を採るよりは簡単なんじゃないかなぁ……男性が多数派であるバイオエシストたちが,この話題にどう反応するものかが興味深いけど,もしかしたら,全面的に無視されたりして……?