リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

《フォスター・ペアレントとリプロの話》

PUSH Journal で知った話だが,フォスター・ペアレント協会(Foster Paresnts Plan)で,子どもや青少年をHIV/AIDSから守るキャンペーン「the Circle of Hope(希望の環)」をくり広げているそうだ。

いわく,「性と生殖の健康にまつわる意志決定に関連した文化的経済的社会的要因は,単なる知識の獲得よりもはるかに影響が大きい」……たとえば,いくらHIV予防のABC「禁欲(abstinence),貞節(be faithful),コンドーム(condom)の使用」を教わっていても,サハラ以南のアフリカでは若い少女が複数の性的パートナーを経験してきた年上の男性と結婚するのが普通であり,しかも結婚相手とのあいだでコンドームを使用することは文化的に抑制されていたりするという。(アフリカのHIV蔓延の陰には,そうした風習があったのか……。)詳しくは→http://www.plan-international.org/news/publications/

直接的に日本人女性のリプロダクティヴ・ヘルスとは関係ないけれど,じつはまだプランが渋谷に事務所を構えていた時代,プランで翻訳のボランティアやアルバイトをしていたことがあるもので,思わず懐かしくなっちゃって。それにしても,かつては子どものHIVや性に関わる話は少なくとも表には出てこなかったものなのに……もはや隠してはいられないほど危機的な状況だということなのか。今や子どもの人権に関する国際会議などでも,HIVは常に重要なテーマのひとつになっている。