リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ハンセン氏病胎児標本問題を報じるテレビ・ニュースで,慰霊祭のようすと,富山国際大学の藤野豊さんがコメントしているところを偶然見かけた。ちらっとしか見なかったので誤解しているかもしれないけれど,この病気が精液を経由して感染すると昭和23年当時のハンセン氏病の権威が思いこみで言った証拠を藤野さんが見つけた(あとで事実確認しておく予定)……という報道だったようだ。藤野さんによれば,国は「胎児の標本を長年放置してきたことにしか謝罪しておらず,患者に対して強制堕胎等を行なったことに対する謝罪はない」という。

前にも述べたが,この問題については,「胎児の尊厳がそこなわれた」ことへの遺憾の念や怒りが表明されることがしばしばあるが,リプロダクティヴ・ライツの観点から「患者の尊厳がそこなわれた」ことをストレートに主張すべきだろう。そのように考えたほうが,国の側の謝罪の問題性を明確にできるように思う。