リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

asahi.comの記事によれば,奈良県では,意識不明の重体になった妊婦が県内外の病院をたらい回しにされたあげく,出産後に死亡した今年8月の事件を受けて,来月の定例県議会に提出する特別会計補正予算案で,高度な治療を必要とする母子を受け入れ可能な「総合周産期母子医療センター」の整備事業に1200万円を計上すると発表した。

 同センターは、厚生労働省が各都道府県に07年度中の整備を呼びかけているが、奈良県は未整備となっていた。奈良県立医大付属病院(橿原市)の産婦人科に設置。母体・胎児集中治療室(MFICU)を現在の3床からセンター化の指定基準である6床に増床するほか、医師や看護師も増員する。08年1月からの開設を予定している。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611270034.html

日本産婦人科医会のホームページには,厚生労働省母子保健課提供の全国の周産期母子医療センターの所在が掲載されています。それによると,同センターには以下の2種類があるらしい。

総合周産期母子医療センター

相当規模の母体・胎児集中治療管理室を含む産科病棟及び新生児集中治療管理室を含む新生児病棟を備え、常時の母体及び新生児搬送受入体制を有し、合併症妊娠、重症妊娠中毒症、切迫早産、胎児異常等母体又は児におけるリスクの高い妊娠に対する医療及び高度な新生児医療等の周産期医療を行うことができる医療施設をいう。

地域周産期母子医療センター

産科及び小児科等を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設をいう。

http://www.jaog.or.jp/japanese/jigyo/JYOSEI/center.htm

この地図で見る限り,秋田,山形,岐阜,長崎,佐賀,鹿児島,宮崎も未整備県。わたしの暮らす石川県には,かろうじて総合センターが1箇所あるけど,地域センターは皆無。「整備されている」はずの他の県のなかにも,総合センターが1つあるだけの県が散見され,決して「手厚い」とは言いがたいことが分かる。