リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

リプロの重要書をオンラインで

7月12日の日記で、メアリ・ウルストンクラフトの本がオンラインで読めると紹介しました。もうひとつ、リプロ分野の研究者には必携の重要書の各国版がまるごとオンラインでダウンロードできます。ただし、英語と日本語はありません……。もとの本はOxford Univ. Pressで販売中です。

Rebecca Cook &B.M. Dickens and M.F. Fathalla, Reproductive Health and Human Rights: Integrating Medicine, Ethics and Law (Oxford Univ. Press,2003)

著者のひとりレベッカ・クックは、トロント大学法学部の国際人権法の教授で、リプロダクティヴ・ヘルス&ライツと女性の人権に関して多数の論文があり、国際産婦人科ジャーナルの倫理的・法的問題担当の共同編集者やHuman Rights QuarterlyやReproductive Health Mattersの編集顧問も務め、WHOの『安全な中絶』という報告書の執筆にも参加しています。

カナダは女性の人権を信じたモーゲンテーラー医師(ユダヤ系の男性)の信念に満ちた法廷闘争の末に、最高裁判決によって中絶禁止法を全廃した国。リプロにかかわる人権や医療や倫理を考えるには重要な国なのに、いつもアメリカの影に隠れてしまって、なかなかその実態を知られていません。

各国版を置いているのは、著作権を放棄してでも読んでほしいという著者たちの意気込みなのかな? あまり古くならないうちに、これを日本語にできないものか!?