リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

乳児遺棄容疑で母逮捕 相談受けた慈恵病院、警察に苦言「女性保護すべきだ」

毎日新聞 020年12月10日 19時17分(最終更新 12月11日 12時09分)

乳児遺棄容疑で母逮捕 相談受けた慈恵病院、警察に苦言「女性保護すべきだ」 - 毎日新聞

 親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご赤ちゃんポスト)」を運営する熊本市の慈恵病院は10日、記者会見し、死産したとみられる赤ちゃんを東京都品川区のマンションに遺棄したとして7日に警視庁大井署に死体遺棄容疑で逮捕された20代女性から6、7日に相談を受けていたと明らかにした。蓮田健院長は「女性は保護されるべきで、逮捕は非常に遺憾だ」と指摘。妊娠で不安がある場合は同病院の無料電話(0120・783・449)に相談するよう呼び掛けた。


 蓮田院長によると、6日午後11時27分、女性から「朝7時ごろに自宅で死産をしてしまった。生活が苦しく、体調が悪くなり、先月ごろ仕事を辞めた。両親とも死別しており、頼れる人もなく、身分証も保険証もない。どうしたらいいか」と病院にメールがあった。7日に病院側と電話でやり取りをした女性が「少なくない出血がある」と告げたため、蓮田院長は保護が必要だと判断して大井署に通報した。


 同署は7日、女性が赤ちゃんの遺体を黒のポリ袋に入れて放置したとして、死体遺棄容疑で逮捕した。


 蓮田院長によると、女性は「10月ごろには(おなかの中で赤ちゃんが)動いていたが、11月ごろに動かなくなった。便秘だと思って安心していた。12月にやっと生理が来たと思ったら大出血した」と話したという。蓮田院長は「赤ちゃんは子宮内で死亡したとみられる。身寄りもなく、生理が来たと思ったら赤ちゃんが出てきた。冷静には対応できない」と語った。


 また、蓮田院長は「望まない妊娠をした女性は『妊娠をしていないはずだ』と自分に都合のいい解釈をして対応を先延ばしにすることがよくある」と指摘。妊娠や出産で悩みがあれば同病院に迷わず連絡するよう呼び掛けた。


 女性への対応について、大井署の古畑雄二副署長は取材に「遺体は別の物と一緒にポリ袋に入れて放置されており、死体遺棄容疑が成立するのは明らかで、逮捕は妥当と考えている」と語った。【清水晃平、土江洋範】