リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

第2回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会

女性の委員の意見にも耳を傾けて!


オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会の1回~最新まで

第2~7回で緊急避妊薬の話題が出ていましたが、一番まとまった議論が行われている4回を紹介します。

第4回検討会のリンクはこちら

一方、第2回には、次のような発言も見られました。認定 NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長の山口育子さん。12人の検討会メンバーのうち唯一の女性です。

第2回議事録

○山口構成員 山口でございます。
2つ意見がございましてす。まず1つが(省略)
もう一つが、5ページの「これまで初診対面診療の原則の例外として」ということで5つ要望があった事例がございます。
私は、この5つある中の上の4つについては、やはり、対面診察は欠かせないだろうと思っています。
例えば、EDは心疾患があるかどうか、しっかりと診ていかないと死亡例も出ています。
皮膚科の脱毛もそうですけれども、やはり、患部を診て判断することがとても大事かと思います。
ただ、この5つの中で少し位置づけが違うと思うのが、一番下の緊急避妊薬、アフターピルと呼ばれているもののことです。
特に、望まない妊娠だけではなくて、例えば、デートレイプと言われるような拒否ができなかった、あるいは一番問題は性的被害に遭ったというような、特に十代の若い女性も被害を受けていることが結構多いです。
そういう中で、きょう、このメンバーの中で、オブザーバーの方以外で女性は私しかいないので、敢えて発言させていただきます。実は性的被害ということを受けたときに、非常に心の傷になってしまって、受診の必要は、私はあると思うのですけれども、受診そのもの自体のハードルが物すごく高いと思っています。
それを、例えば、オンライン診療で、まず、お話ができて、それでアフターピルということで八十何パーセント防げるということからすると、安心感を得た上で、そして、受診をする必要性をそこで感じて理解した上で受診する。通常と逆の順番のほうが安心できることが多いのではないかと、このことに関しては、そう思っています。
特に、被害を受けて、それを隠そうとする方も結構いらして、妊娠しなかったら誰にもわからなかったしからと自分の胸にだけしまってしまう。あるいは、子供の場合だったら自分を責めてしまって、親であったり、他人に対しても隠そうとしているということが、私自身の経験も含めて、周りを見ていてもそういう人が比較的多いなということを思っています。

もし、妊娠してしまいますと、その人の人生にもかかわることですし、その女性だけではなくて、女性の子供自体、その2つの命ということに大きくかかわってくる。心の傷も絡んでくるということを考えたときには、できれば、これはオンライン診療で初診から認めていくという方向で考えてはどうなのかなと思います。
実際、アフターピルということでは、なかなか認められないことで、本当は何の薬かわからないものが裏で横行しているという現実を考えると、医師というきちんとした人を通して出してもらうほうが安心感につながるのではないかと思っているところです。
ただ、1つ懸念は、アフターピル専門みたいな感じで、そこだけを商売にしてしまうようなオンライン診療があってはいけないので、そこに対しては、きちんと本人確認も含めた対策を講じることは必要だと思うのですけれども、女性を守るという観点からも、ここはほかと位置づけを違えて考えるべきできないかなと思っております。
以上です。

一方でこんな意見も。

○高林構成員 高林です。
(中略)
私はアフターピルの問題、山口先生がおっしゃるように非常に重要な問題で、救いがないのは困るというのもよくわかります。ただ、逆に言うと、これが悪用されて、安易に幾らでも出せるよという形になったら、本当に簡単に若い女性が、ここでもらえるという感じでやられたら、これは非常に悪用になってしまうし、あるいは転売などという話も出てくるかもしれないし、ここはよほど限定的に、極めて厳格に運用ができる形が少なくともないとまずいかなと思うのと、疾患名をはっきりと断定して、これだけというふうに、もしするのであれば、それだけとはっきりしたほうがよろしいのかなと思います。