新聞赤旗
妊娠中絶 「配偶者同意」廃止を
市民団体 2回目署名提出
2022年6月28日【社会】安全に避妊・人工妊娠中絶する権利の実現を求める市民団体「#もっと安全な中絶をアクション」は27日、中絶の際に「配偶者の同意」を課す母体保護法の規定の廃止を求める約8万2000人分の署名を厚生労働省に提出しました。合わせて、世界保健機関(WHO)の中絶に関する最新のガイドラインが提言する世界標準の中絶ケアの実現と、そのための法整備を求める要望書を提出しました。
署名はオンラインで実施。昨年9月には1次分・約4万人分を提出しており、約10カ月で賛同者が倍に膨らんだ形です。
厚労省は、中絶手術の際に原則、配偶者の同意が必要とし、DV(配偶者やパートナーからの暴力)などで相手の同意を得ることが困難な場合などに限って不要としています。提出後の記者会見で、同団体の梶谷風音さんは、相手が「配偶者」に当たらなくても、病院で同意書の提出を求められる事例も多数あると指摘。「署名を始めた約1年前と比べ、『配偶者同意』要件のおかしさに気づき、声を上げる人が格段に増えた。国は、『国民的な議論が深まらない』と法整備に後ろ向きだが、国民の無関心・無知に責任転嫁して人権侵害を放置してはならない」と訴えました。
塚原久美さん(中絶問題研究家)は、署名提出の際、厚労省の担当課長に「国民的な議論が必要と言うなら、議論の場をつくってほしい」と求めました。