HBCニュース北海道 2/2(木) 12:39配信
O被告(左は1月31日の法廷スケッチ)
去年5月、札幌市のホテルで、出産直後の赤ちゃんを殺害した上、遺体をJR千歳駅のコインロッカー内に放置した罪に問われている23歳の女に2日午前、懲役8年が求刑されました。
住所不定・無職のOA被告は去年5月、札幌市中央区のホテルで、出産直後の男の赤ちゃんを、浴槽内の水中に沈めて殺害した上、遺体をクーラーボックスに入れ、JR千歳駅のコインロッカー内に放置した殺人と死体遺棄の罪に問われています。
これまでの公判でO被告は「自分の都合で赤ちゃんの命を奪ってしまった。許されないことをした」などと話し、起訴内容を認めていました。
これに対して検察は、2日午前の公判で「嬰児を殺害したのは残忍。男性との遊び、暮らしを優先させた極めて自己中心的な行動」だとして、懲役8年を求刑しました。
これまでの公判で、明らかになった犯行までの“顛末”…
山形県で生まれ育ったO被告…母親は公判で、中学時代、ソフトボールに打ち込む「自慢の娘」だったとする一方、大人しく「自分の意見を言わない子だった」と振り返りました。
本人は、いじめを受けるなどして、容姿にコンプレックスを抱き、自分に自信が持てなくなって、次第に男性に依存するようになったといいます。
事件前、マッチングアプリで知り合った仙台市の大学生の男性と交際するために家出し、仙台市で暮らし始めました。
デリバリーヘルスなどの風俗店で働き、競馬で奨学金を使い込んだ男性を援助、自分の家賃も度々滞納するような状況でした。
そして、避妊せずに性行為をされた客の子どもを妊娠…大学を卒業後、札幌市に行くことになった男性に先立ち、去年3月から札幌市で暮らすようになります。
札幌市でも、収入は、マッチングアプリを利用した売春で、ネットカフェや男性の住宅を転々。
妊娠を疑う男性に隠し通し、札幌市中央区のホテルで、1人で出産します。
実は、O被告は以前も一度、妊娠したことがあり、その時は人工中絶…
生まれた赤ちゃんの産声を聞いたとき、前に中絶していた子どもと、生まれたばかりの子どもに「お前だけ幸せになっている」と責められているような気がして、赤ちゃんを水の中に…手足を動かしているように感じたものの、動かなくなるまで、沈めていました。
その後、遺体を、パイプ洗浄剤で溶かそうともしたということです。
母親は「娘が北海道にいることも知らなかった。後悔している。どこかで、そういう事件を起こすのではないかという不安があったけど、見つけてあげることができなくて悔しかった。成人した娘でありながらも私たちの責任は大きい」と涙ながらに話しました。
一方、O被告が「交際している」という認識だった男性は、検察に対し「彼氏、彼女の関係ではない」「好きという感情は、ありません」「楽しいので、一緒にいた。利用していると言われれば、そうかもしれない」「(金銭的にも)甘えていた部分がある」と話していたことも明らかにされています。
公判では終始、泣きながら、後悔、反省の思いを語っていたO被告…
弁護側は「前科前歴がなく、境界知能やグレーゾーンのADHD(注意欠如・多動症、発達障害の一つ)が及ぼした原因は大きい。予期せぬ妊娠、孤立妊娠など酌むべき事情がある」として、保護観察付きの執行猶予が妥当と主張しました。
判決は、3日午後3時に言い渡されます。
2月2日(木)午後0時39分配信
北海道放送(株)
以前も中絶、産声が「お前だけ幸せになっている」と聞こえて…出産直後に赤ちゃん殺害して遺棄、23歳の女に懲役8年求刑(HBCニュース北海道) - Yahoo!ニュース