リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

Feminismに関するドキュメンタリーフィルムたち

Netflixで見つけた作品たち

フェミニズム」「フェミニスト」で検索して出てきた作品の各々について、AIを使って内容を調べてみた。

『彼女の権利、彼らの決断』
原題:「Reversing Roe
監督:Ricki Stern、Anne Sundberg
公開年:2018年
配信:Netflix(2018年9月13日より配信開始)
上映時間:約99分
ウィキペディアに情報あり


内容・構成
テーマ:アメリカ合衆国における中絶の権利争い、とりわけ1973年の画期的な判決《Roe v. Wade(ロー判決)》の覆されつつある現状を、多角的に検証するドキュメンタリー
構成手法:
賛成・反対の両陣営からの証言をバランスよく配し、論争の構造を明らかにする構成。賛成・反対双方から約18名ずつ出演しているという報告もある。
過去から現在までの制度・歴史・政治動向を時系列でたどり、判決の波及と政治的影響を浮き彫りにしている。


見どころと特色
リマインダーとしての構成:
過去の中絶法制の変遷、告発される政治的圧力、そして安全な中絶へのアクセスが徐々に閉ざされていった現実—映像と証言を通じて、視聴者に歴史の重みを伝える意図が強い内容。
専門家・活動家の登場:Gloria Steinemなど著名なフェミニストや、法律家、シリアスな活動家が出演し、専門的裏付けと情緒的訴えを同時に伝えている。
政治的影響の可視化:トランプ政権の登場以降、中絶を巡る法的制約が強まり、特定州では中絶クリニックが事実上壊滅しつつある現状などを示すことで、「権利の後退=可視化しにくい市民への悪影響」として描写されている。

フェミニストからのメッセージ』
基本情報・概要
原題:Feminists: What Were They Thinking?
配信開始年:2018年(Netflixにて配信、Apple TVにもある)
ジャンル:ドキュメンタリー形式で、1970年代のフェミニズム運動を振り返る内容


内容と構成
 本作は、1970年代に写真集『Emergence』によって記録された女性たちの姿を起点に、フェミニズム運動の「当時」と「現在」を映像でつなぎ、運動の歴史と現代への影響を探る。
 写真を通じて、当時フェミニズムに目覚めた女性たちの情熱や苦悩を、彼女たち自身の言葉と共に丁寧に描いている。


登場人物・スタッフ
監督:ジョハナ・デメトラカス(Alanis Obomsawin カナダ先住民の映画監督・活動家)

主な出演者:
Laurie Anderson(アーティスト/パフォーマー

Judy Chicago(アーティスト、『The Dinner Party』で有名)

Jane Fonda(女優・アクティビスト)

Lily Tomlin(女優・コメディアン)

Gloria Steinem(フェミニスト・作家・活動家)

Phyllis Chesler(心理学者・作家)

Michelle Phillips(歌手/The Mamas & the Papas)

Sally Kirkland(女優)


見どころ・特徴
 70年代の女性たちが直面した「仕事か母親か」という二者択一のジレンマや、「フェミニストへの偏見」による疎外など、身近ながら強烈な経験を描く点が印象的である。
 当時の写真を振り返るだけでなく、その人物たちが現在いかに考え、行動しているかを描くことで、「継続する運動の重み」が伝わってくる構成になっている。
 入門編として映像が重すぎず、初心者にもフェミニズムのリアルな声を体感させる親しみやすい作りという評価もある。


評価とレビュー

 シネマンドレイクでは、「入門編としては最適」「生き生きとしたフェミニストの姿が力強く伝わってくる」と肯定的に評価されている。
 トマトメーター(Rotten Tomatoes)でも比較的好評価(Tomatometer 80% 前後)とされている。


まとめ
 『Feminists: What Were They Thinking?』は、70年代のフェミニズムの波と、その後の展開を、リアルな声と写真、映像で紡いだ作品。当時の女性・運動・思想が現代といかに繋がっているのかを、わかりやすく体感できるドキュメンタリーである。

『世界を導くリーダーたち:信念は社会を変えた!』
原題:Live to Lead — Netflixにて2022年12月31日に配信開始されたリミテッドドキュメンタリーシリーズの一つ
監督:Geoff Blackwell
製作総指揮:ヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)ほか


第1話
登場人物:ルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg) — 故・米国連邦最高裁判所判事の最後のインタビューを通じて、女性の平等に捧げたその生涯が語られる。


主な出演者(エピソードごと)
 本シリーズで取り上げられているリーダーたちは以下の通り:
★Ruth Bader Ginsburg — 故最高裁判事、女性の平等を追求した人生を振り返る
★Greta Thunberg — スウェーデンの気候変動青年活動家
Bryan Stevenson — 人権弁護士、冤罪被害者支援と人種正義に取り組む
★Jacinda Ardern — ニュージーランド元首相、共感とリーダーシップを語る
Siya Kolisi — 南アフリカラグビー初の黒人キャプテン、慈善活動にも注力
★Gloria Steinem — フェミニズムの先駆者、作家・活動家
Albie Sachs — 反アパルトヘイト活動家、政治 судьбеと闘いの語り手


内容の要点
 各人物が人生を通じて信念を貫いた軌跡を、インタビューと回顧を通じて掘り下げるシリーズ。ギンズバーグの回では女性の法的平等とその闘いに特化した内容となっている。
 作品全体の趣旨は、ネルソン・マンデラの価値観(道徳的勇気と他者を思う思想)を受け継ぎ、世界をよりよく導く人々の「声」を届けることにあり、製作コンセプトがそのままタイトルになっている。

『グロリア・オールレッド』
原題:Seeing Allred
形式:2018年公開のNetflixオリジナルドキュメンタリー(上映時間 約96分)
監督:Roberta Grossman、Sophie Sartain
概要:女性の権利擁護を掲げて活動してきた敏腕弁護士グロリア・オールレッドに密着。公私両面からその生き方と活動が描かれている。


2. 主な出演者(インタビュー等で登場)
Gloria Allred(本人)
Lisa Bloom(娘、同じく弁護士)
Bill Cosby(一部キャリアに関わる訴訟の関連人物として映像などで登場)
Roy Moore(政治家、中絶関連などの訴訟で言及)
Gloria Steinem(フェミニスト運動の重鎮として登場)


3. 人物像と評価(プロフィール)
人物概要:
Gloria Rachel Allred(グロリア・レイチェル・ブルームとして誕生、1941年7月3日)
職業・活動:アメリカの女性の権利弁護士・人権活動家。性的暴力、職場差別、女性の権利に関する訴訟を多数担当。National Women's Hall of Fameに殿堂入り。
法律事務所:Allred, Maroko & Goldberg の共同設立者。多くの女性権利訴訟を扱う業界屈指の事務所
非営利活動:「Women's Equal Rights Legal Defense and Education Fund(WERLDEF)」代表
象徴的な活動:Hunter Tylo の妊娠解雇訴訟、カリフォルニア州同性婚合法化に関する訴訟などで成果


評価・批判
 支持:「弱者を代弁する不屈の戦士」として高く評価され、歴史に残る多数の法的成果を上げてきた人物と見なされている。
批判的な見方:プレスを用いた戦略的手法は「注目を狙っている」として批判されることもあり、クライアントに対し高圧的な契約(NDAや手数料設定など)を強制しているとの指摘もある。

『The Light We Carry: Michelle Obama and Oprah Winfrey』(原題そのまま)
形式:Netflixオリジナル・ドキュメンタリー特番(トーク形式)
配信開始日:2023年4月25日配信開始
監督:Linda Mendoza


内容・構成
主題:ミシェル・オバマが自身のベストセラー第2作『The Light We Carry: Overcoming in Uncertain Times』の背景や、人生で培った「内なる光」を支えるツールについて、オプラ・ウィンフリーとの対話を通じて語り合う一冊から派生した特番。
登場:ミシェル・オバマ本人とオプラ・ウィンフリーが出演し、人生の教訓、恐れとの向き合い方、友情、自信、自分を保つ方法などについて率直に対話。
テーマ例:「不確実な時代にどう自分の“光”を見つけ、守るか」というテーマを、自身の経験と実生活に根ざしたアドバイスとして提示している。


評価・反響
Emmyノミネート:本作は「Outstanding Hosted Nonfiction Series or Special」でプライムタイム・クリエイティブ・アーツ・エミー賞にノミネートされた。
受賞/話題:オーディオブック版『The Light We Carry』はグラミー賞(Best Audio Book, Narration, and Storytelling Recording)を受賞するなど、作品としての評価も高い。
書籍の評価:著書はニューヨーク・タイムズのベストセラーとなり、精神的な支えとなるツールや思索を提供する内容として肯定的に受け止められている。


まとめ
『The Light We Carry: Michelle Obama and Oprah Winfrey』は、ミシェル・オバマの新著をベースにしたNetflixスペシャル版であり、著者自身とオプラの対話を通じ「誰もが持つ“光”を育み、守る方法」を丁寧に語っている。エミー賞ノミネートやグラミー賞受賞など、その文化的・批評的評価も高く、この時代に必要な「心のツール」として訴求力のある作品。

『オプラ+ヴィオラ
原題:Oprah + Viola: A Netflix Special Event
形式:Netflixオリジナルのドキュメンタリー特番(トーク形式)
配信開始年:2022年(ストリーミング開始は2022年4月22日頃)
上映時間:約48分


内容・構成
 主役は女優 Viola Davis。彼女の自伝『Finding Me』について、オプラ・ウィンフリーが本人にインタビューする形式。
 Viオラが受けた幼少期の「想像を絶する貧困」「衝撃的な虐待」など、深刻な体験とそれを乗り越えた人生の軌跡が語られる。


主な出演者(英語表記)
 Viola Davis – Actress, author of the memoir Finding Me
 Oprah Winfrey – Interviewer, media icon

 また、製作にはTara Montgomery, Terry Wood, Fatima Elswifyが関与している(プロデューサー、監督などの立場)


特徴・視聴ポイント
 
率直な語り口:「希望を諦めることが、むしろ自分を解放し、平和と赦し、自己肯定感をもたらした」と語るViolaの言葉に強く共鳴する。
インタビューの評判:Rotten Tomatoesでは、「Oprahは敬意をもち、忍耐強く、ヴィオラのストーリーにフォーカスしてインタビューしている」と評価されている。
構成の見どころ:「メディア界の二大女性リーダーによる対話」という点で、感情的な共感とインスピレーションを同時に与える内容。

『シークレット・ラブ 65年後のカミングアウト』
原題:A Secret Love
形式:ドキュメンタリー映画Netflixオリジナル)
公開年:2020年、4月29日より配信開始
上映時間:約83分
監督:Chris Bolan(テリー・ドナヒューの甥)
製作:Ryan Murphy、Alexa L. Fogel、Brendan Mason、Jason Blum(Blumhouse Productions)
ストーリー:
 1947年に出会い、ほぼ70年間(主に65年以上)、恋人としての関係を隠し続けたテリー・ドナヒューとパット・ヘンシェルの実話を描くドキュメンタリー。
 テリーは“All‑American Girls Pro Baseball League”(映画『A League of Their Own』のモデル)に所属した選手で、パットと共にシカゴでインテリアデザインの仕事や生活を築いた。

秘密の経緯とカミングアウト:
 
周囲には「親友」「ルームメイト」「いとこ」と偽って付き合い、関係を46年間隠し通した。
 2009年、80代になってから家族(特に甥)の前でカミングアウトし、「本当の自分」で生きることの解放感を得たと語った。
映像手法とテーマ:
 昔の写真やホームムービーを交えつつ、彼女たちの鮮やかな人生と「秘密の恋」が浮かび上がる。
 パーキンソン病など老いに直面しながらも、相互支援と愛を貫く姿が心に迫る。


キャスト(主な登場人物)

Terry Donahue – 元プロ野球選手(キャッチャー)、本作の主人公の一人

Pat Henschel – パートナー兼共同生活者

Diana Bolan – テリーの姪で、カミングアウトのきっかけとなった人物

Chris Bolan – ディレクター(テリーの甥)

批評評価:
 Timeは「人生の重みと社会の圧力を乗り越えた、やさしくも深い愛の物語」と肯定的に評している。
 一部では「同性愛への微妙な偏見が見え隠れする描き方」として批判的な視点も指摘されている。
視聴者への響き:
 多くの人が“#loveislove”という共感の声とともに反応。「人生の普通の日々にこそ、尊厳ある恋と幸福がある」と感じさせる作品である。


まとめ
 『A Secret Love』は、戦後すぐに出会い、その後65年以上にわたり秘密にしたまま深く結びついた2人の女性の人生を描いたドキュメンタリー。年老いてからのカミングアウト、社会的規範との葛藤、愛と絆、そして老いとの向き合い—複数の重層的なテーマを静かに描いている。
 この映画は、恋愛やLGBTQに限らず、秘密を抱えたまま生きる人々—特に高齢者—への共感と希望になる映像体験として価値がある。

レディー・ガガ:Five Foot Two』
原題:Gaga: Five Foot Two
形式:Netflixオリジナル・ドキュメンタリー映画
公開年:2017年9月22日(Netflix配信開始)/トロント国際映画祭でプレミア上映もあり
監督:Chris Moukarbel
上映時間:約100分


内容・構成
 Gaga: Five Foot Twoは、レディー・ガガ(Stefani Germanotta)の2016年のアルバム『Joanne』制作と、2017年のスーパーボウル・ハーフタイムショー出演に密着したドキュメンタリーである。
内容のポイント:
 アルバム制作、ツアーの準備、家庭やプライベートな側面、そして慢性的な痛みに苦しむ姿など、「華やかさの裏のリアルな姿」を描く cinémavérité スタイルの作品。
 ガガが抱える関節痛や線維筋痛症(fibromyalgia)との闘い、また家族愛、孤独感、芸術への情熱が率直に映されている。


出演者(主な登場人物)

Lady Gaga(本人)

家族や関係者も多数登場:

Angelina Calderone Germanotta(祖母)

Cynthia Germanotta(母)

Joe Germanotta(父)

Natali Germanotta(妹)

Sonja Durham(Haus of Gaga メンバー・友人)

Bobby Campbell(マネージャー)

Tony Bennett、Brian Newman(ミュージシャン)

Florence Welch、BloodPop、Mark Ronson(プロデューサー/コラボレーター)

Richy Jackson(振付師)

Frederic Aspiras(ヘアスタイリスト)

Donatella Versace(ファッションデザイナー)


評価・見どころ
批評の傾向:

Rotten Tomatoes:評価約72~74%
Vanity Fair は「感情的でエモーショナルな探求」と評し、観客からスタンディングオベーションを受けたと報じている。
Pitchfork は「豪華なペルソナの裏にいる、本当のStefaniを見せる作品」と評した。


視聴ポイント:
 痛みに耐えながら制作や舞台に挑むガガの“人間”としての苦悩とプロフェッショナルな姿の対比が心に響く内容。
 『Joanne』を祖母に聴かせるシーンは特に象徴的で、視聴者に深い共感を呼ぶ。


まとめ
 『Gaga: Five Foot Two』は、ポップアイコンの裏側にある人間・Stefani Germanottaの姿を、アルバム制作やスーパーボウル出演を通して赤裸々に映し出すドキュメンタリー。慢性疾患、愛、孤独、芸術への葛藤など、内面の揺らぎを繊細に捉えており、「スター像の裏にある人間らしさ」を伝える貴重な映像資料といえる。

チェルシーが考える:私と白人特権』
原題:「Hello, Privilege. It’s Me, Chelsea」
監督:Alex Stapleton
公開年:2019年
配信:Netflix(2019年9月13日より配信開始)
上映時間:約64分
ウィキペディアに情報あり


内容・構成

テーマ:
 白人特権(White Privilege)の存在と、それがアメリカ社会の人種的不平等をどのように再生産しているのかを問い直す。コメディアンのチェルシー・ハンドラーが、自身の特権を認識し直す過程を起点に、多様な立場の人々との対話を通じて構成される。


構成手法:

 チェルシー本人の体験談(コメディ業界での成功、黒人男性との過去の交際など)を交えながら進行。

 大学キャンパス、地域社会、専門家インタビューなど多様な現場で対話を重ねる。

 取り上げられる声は、黒人やラテン系の活動家・研究者から、白人の一般市民や共和党支持層まで幅広い。

 自己批判的なナレーションと、時に不器用さを残した本人の問いかけが特徴。


見どころと特色

視聴者への問いかけ:
 「白人特権」は目に見えにくい構造であることを、チェルシー自身が恥や不安を抱えながら可視化していく姿が核になっている。観客に「自分はどうか」と内省を促す仕掛けが強い。


専門的・社会的視点:
 社会学者や活動家のコメントを挟むことで、単なる個人的体験談にとどまらず、制度的不平等とのつながりを理解できる構成。


葛藤の描写:
 本人の無知や軽率な発言が指摘される場面を隠さず映し出すことで、議論を「きれいにまとめない」誠実さがある。


批判も含むドキュメンタリー:
 チェルシーの視点が中心であるため「自己中心的」との批判も存在するが、その不完全さ自体が「特権を学ぶ過程」を象徴的に表現している。