リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

自由か権利か?:ルクセンブルク憲法に明記される「中絶の自由」

RTL TODAY Update: 06.10.2025 14:44

RTL Today - Freedom or right?: Abortion freedom to be enshrined in Luxembourg's constitution

仮訳します。

 ここ数週間、ルクセンブルク議会では憲法において中絶を「権利」と記すべきか、それとも「自由」とすべきかをめぐり議論が交わされてきた。

 金曜日、制度問題を扱う議会委員会がこの論点を決着させ、大多数の議員が「自由」という表現に賛成票を投じた。

 憲法学者リュック・ホイシュリングの説明によれば、この用語は医師の良心の自由をより強く保障するものだ。つまり、この枠組みでは女性には中絶を求める自由がある一方、医師にはそれを行わない自由も残される。

 代替民主改革党(ADR)のフレッド・ケウプ議員だけがこの変更に反対票を投じた。彼はこう述べた。
「結局は生命がいつ始まるのかという同じ問いです。ある人はこう考え、別の人は違う見方をする。しかし、生命の権利に反すると信じる人々の意見を尊重することは重要だと思います。この問題がもたらす一種の高揚感の中でも、異論を忘れず、彼らの意見に敬意を払うべきです。それは良いことだと思います。」

 今回の決定により「中絶の自由」は憲法に明記されることになる。妊娠の自主的な中断(VTP)は市民的自由を定める第2章に組み込まれる。この改正が発効するには、まだ代議院での3分の2以上の賛成が必要だが、採決時には十分な支持を得られる見込みだ。

 この憲法改正は、左派(déi Lénk)のマルク・バウム議員が提出した提案に端を発している。次の段階として、憲法改正案は国務院へ送られ、今後数週間以内に同院の意見が示される見通しだ。