リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ALL ABOUT JAPANで「実は増えている! 40歳代の中絶」という記事を見つけました(ガイド:大庭ナナコさん,掲載日:2006年10月30日)。

以下は要旨です。

平成17年の出生数は106万2604人、前年の111万721人より4万8117人減少し、少子化が進行する一方,年間約30万件もの人工妊娠中絶術が行われている。出生数を約100万人と考えれば、だいたい4回の妊娠に1回の割合で中絶手術が行われている。

日本の人工中絶手術は、件数だけをみると20〜30歳代の女性が多いが、「妊娠した場合に中絶を選択する割合」を見てみると、実は10歳代と40歳代以上の女性の割合が非常に高い。

その原因は→しっかりした避妊知識がないこと。特に「産後の避妊」に気を配っていない。

日本ではピルが普及していない一方,コンドームの避妊効果を100%だと勘違いしている人も多い。コンドームの避妊失敗率は15%。膣外射精が避妊法の一つとしてカウントされているのは日本くらい。

続いて,大葉さんが挙げている避妊失敗率の一覧を引用します。

■各種避妊法の失敗率
・避妊手術・・・・・・・・・・・女性0.5%(0.5%)男性0.15%(0.10%)
経口避妊薬(低用量ピル)・・・5%(0.1%)
・女性用コンドーム・・・・・・・6.3%
・コンドーム・・・・・・・・・・14%(3%)
・殺精子剤・・・・・・・・・・・26%(6%)
基礎体温法・・・・・・・・・・20%
・オギノ式・・・・・・・・・・・25%(1〜9%)
※失敗率は一般的な使用の場合。( )内は理想的な使用の場合の失敗率。低用量経口避妊薬(OC)の医師向け情報提供資料より抜粋

避妊に失敗した場合の緊急避妊ピルについても説明がありました。

使い方としては、無防備なセックスが行われた72時間以内(3日以内)に服用し、次に、その12時間後に服用します。正確に使用した場合でも失敗率は約2%ありますが、身体への負担は軽く、高い確率で望まない妊娠を阻止できる方法

こういう情報が広く知られるのって,たいせつなことですね。