リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

女性差別差別撤廃に向け 勧告受ける

女性差別『早急に対応を』 国連委、日本に勧告」という記事が昨日付の東京新聞夕刊に載ったようです。

 【ニューヨーク=共同】国連の女性差別撤廃委員会は十九日までに日本政府に対し、男女別姓を認めていない民法の「差別規定」改正など女性差別の完全な撤廃に向け早急な対策を求める勧告を発表した。二〇〇三年の勧告に続き、対策の不備を指摘、女性差別撤廃条約の履行を迫る厳しい内容で、政府は迅速な対応を迫られそうだ。

 勧告書によると、委員会は日本が前回の勧告後も差別撤廃に向けた十分な取り組みをしていないことに「遺憾」を表明。特に民法などの法律や、雇用・賃金で男女差別が残っていると指摘、早急な取り組みを要請した。委員会は先月二十三日、六年ぶりに日本の同条約の実施状況を審査、日本政府が現状を報告した。

選択議定書を批准することで、政府の違反について個人が国連に対して通報することが可能になります。OECD加盟国中、この選択議定書を批准していないのは日本とアメリカだけ。これが批准されれば、たとえば刑法堕胎罪は女性差別的ではないかといった訴えを、日本女性が国連の女性差別撤廃委員会に対して行えるようになるわけで、政府はそうした事態を回避するために批准を渋っているものと思われます。新政権にはぜひ批准を期待したいですよね!

日本女性差別撤廃条約NGOネットワークは、各政党に対する女性差別撤廃条約「選択議定書」に関する公開アンケート結果をこちらで公開しています。

追記:大きな誤記があったようです。「OECD加盟国中、この選択議定書を批准しているのは日本とアメリカだけ」……なあんて、どういうわけか正反対を気づかずに書いていました。お恥ずかしい!

なお、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」に関する文書は、男女共同参画局のページに次のようにまとめられています。

女子差別撤廃条約について

○ 条約の全文【html形式】/印刷用ファイル(A3サイズ)【PDF形式:604KB】

○ 女子差別撤廃委員会

○ 一般勧告[PDF形式]

○ 第4回報告(平成10年7月)

○ 第5回報告(平成14年9月)

○ 第4回・第5回報告審査に関する女子差別撤廃委員会からの質問事項に対する回答
(英語/日本語)[PDF形式]

○ 第4回・第5回報告審議(平成15年7月)

○ 第4回及び第5回報告に対する女子差別撤廃委員会最終コメント
(英語/日本語)[PDF形式]

○ 第6回報告(英語/日本語)[PDF形式](平成20年4月)

○ 第6回報告審査に関する女子差別撤廃委員会からの質問事項に対する回答
(英語/日本語)[PDF形式]


○ 第6回報告審議(平成21年8月)


○ 第6回報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解
(英語/日本語)[PDF形式]