リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

If These Walls Could Talk 1952

以前、Youtubeの画像をブログに送信したら、すごく簡単に貼りついたのですが、今はリンク切れになっているようです。(2020/6/1)以下、2009年に書いたコメントはそのままにしておきます。
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これは映画『スリー・ウィメン この壁が話せたら』の一部です。デミ・ムーア演じる清楚な女性は、戦争で夫を失ったショックのさなかに、以前より彼女に惹かれていた夫の弟から強引にアプローチされて妊娠してしまい、その事実を一人胸に秘めて堕胎に踏み切るという設定です。この映画は、1952年、1974年、1996年に予定外の妊娠をした女性たちの運命を描いたもので、Youtubeから引用したシーンでは1952年の女性が非合法堕胎を受けるところからその結末までが描かれています。

なお、「刑法堕胎罪」という言葉があっても「中絶罪」という言葉がないように、違法の含意がある「堕胎」と、合法的で医療のなかで行われる「人工妊娠中絶」という二つの言葉は区別する必要があります。(人工妊娠中絶、略して中絶という言葉が日本で使われるようになったのは、優生保護法によって、従来違法であった「堕胎」が合法化されたときです。)

ところで、少し前に話題になったルーマニアの映画『4ヶ月、3週と2日』や、イギリスの『ヴェラ・ドレイク』でも、非合法堕胎のシーンが出てきますが、男性堕胎師が行うのは常に掻爬であるのに、ヴェラという女性は一種の堕胎薬を使っていたことは、少し考えてみる必要があるかもしれません。