リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

各政党の堕胎罪に関する姿勢

アライズ総合法律事務所/すぺーすアライズが、刑法堕胎罪(ただし不同意堕胎罪を除く)撤廃に関する公開アンケート回答を公開しました。各政党の女性のリプロダクティヴ・ヘルス&ライツへの関心の度合いや姿勢がある程度分かります。ぜひご覧になってみてください。

アンケート内容はこちらにあります。

回答結果はこちらにあります。

アンケートの依頼文は次のとおりです。(私の判断で住所等は省きます。)

2010年6月4日

各政党代表者 御中

==住所省略==
==電話省略==
すぺーすアライズ  室長 麻 鳥 澄 江
事務局長 鈴 木 ふ み

刑法堕胎罪(ただし不同意堕胎罪を除く)撤廃に関する
公開アンケートへのご協力のお願い

 貴党におかれましては、益々ご清栄のことと存じます。
私ども、「すぺーすアライズ」は女性の人権と健康の実現を目指す国際NGOです。昨年2009年7月の国連女性差別撤委員会における第6次日本レポート審議にむけNGOレポートを提出し、ニューヨークでの審議に先立ち同委員に対してさまざまな情報提供をいたしました。

 その審議の結果、同委員会は、『女性と健康に関する委員会の一般勧告第24号や「北京宣言及び行動綱領」に沿って、人工妊娠中絶を受ける女性に罰則を科す規定を削除するため、可能であれば人工妊娠中絶を犯罪とする法令を改正するよう締約国に勧告する。』との最終見解を発表しました。日本は、1985年に女性差別撤廃条約を批准していますが、その第2条(g)では、締約国の義務として「女子に対する差別となる自国のすべての刑罰規定を廃止すること」を規定しています。

 日本の刑法には、堕胎罪が規定されており、そのうち212条から214条までは妊娠した女性の意思に基づく人工妊娠中絶について、中絶した女性本人やその施術者を処罰する規定が存在しており、女性差別撤廃条約批准以降も具体的な見直しの動きをうかがい知ることができません。

 妊娠の原因となる性交渉は男女の責任ある判断によるものであるはずであり、この妊娠を終わらせる人工妊娠中絶について妊娠した女性のみを処罰する規定を維持することは女性に対する差別的刑罰法規であり、女性の健康について必要な医療へのアクセスを妨げるものです。

 なお、少子化対策の観点から堕胎罪の存続が必要と考える人もいるようですが、人工妊娠中絶について女性のみを処罰することは、女性差別であり、人権侵害であることはもちろんのこと、少子化対策としての効果も期待できません。必要なことは、望まない妊娠を防ぐための性教育や避妊具の提供、女性に対する暴力の根絶、女性の貧困解消をはじめとする女性のエンパワーメントのはずです。

 既に国際社会は、各国政府に女性のみを処罰する刑罰法規を撤廃すべきことを求めており、日本政府に対しても上記の通り刑法堕胎罪(ただし不同意堕胎罪を除く)撤廃を求める勧告が出されており、その実行は、政府の「政治的意思」にかかっております。

 そこで、すぺーすアライズでは、来る参議院議員選挙に先立ち、各政党に対し、刑法堕胎罪撤廃に関し、公開アンケートを実施することにいたしました。
 つきましては、お忙しいところ恐縮ですが、別紙の質問について貴党としてのご回答を、2010年6月21日(月)までに、047−320−3553宛に、ファックスでご送付下さいますよう、ご協力をお願い申し上げます。各党からの回答の結果は、当団体等のウェブサイトへの掲載、その他のネットワークを通じて広く公開させていただきます。

 ※ 当団体では堕胎罪撤廃の要望署名を集約しており約1万件の署名が集まっております。
http://www12.ocn.ne.jp/~allies/space/dataizai-teppai-shomeiyoushi.pdf

アンケート回答の送付先 FAX:==省略==
回答期限:2010年6月21日(月)

アンケート内容は次のとおりです。

刑法堕胎罪(ただし不同意堕胎罪を除く)撤廃に関する公開アンケート

  政党名:             党
  回答日:       年  月  日

質問1.日本が批准している女性差別撤廃条約について、同条約の遵守及び履行を貴党の重要課題に位置づけていますか。

質問2.1995年世界女性会議で採択された北京行動綱領について、その履行を貴党の重要課題に位置づけていますか。

質問3.国連女性差別撤廃委員会の勧告に基づいた女性差別撤廃について、貴党はどのように位置づけていますか。

質問4.刑法堕胎罪規定(ただし不同意堕胎罪を除く)の撤廃について賛成ですか、反対ですか。

質問5.賛成、また、反対の理由は何ですか。

質問6.賛成と答えた場合、規定撤廃に向けて、具体的にどのような行動や日程、法務省との調整等をお考えですか。

質問7.反対と答えた場合、何が堕胎罪(不同意堕胎を除く)撤廃の障壁になっていますか、賛成に変わるための条件は何ですか。

質問8.関連するコメントがあればお書きください。

アンケートへのご協力、ありがとうございました。 以上


アンケートの結果はこちらをご覧下さい。