リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究

打出喜義先生他のオランダ中絶医療実態調査の科研報告書

2012 年度 実施状況報告書
我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究
研究課題

研究課題/領域番号 24659238
研究種目
挑戦的萌芽研究

研究機関 金沢大学
研究代表者
打出 喜義 金沢大学, 大学病院, 講師 (00168709)
研究分担者 水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード 中絶医療
研究概要
1.ミーティング:第一回目は、平成24年5月19日、神奈川県立保健福祉大学において開かれ、海外調査予定国であるオランダの地理関係やオランダの2005年妊娠中絶法評価報告書(http://www.ngva.net/downloads/WAZ_evaluatie_Definitieve_webversie_b.pdf)の情報を交換した。第二回目は、平成24年9月6日、金沢大学医薬保健学域保健学類11号館1219教室で開かれ、オランダにおける中絶の提供状況についての知識の共有と、中絶を求める女性の調査(翻訳資料)の検討を行い、加えて、オランダの調査日程変更の検討が行なわれた。第三回目は、平成24年10月27日、金沢大学医薬保健学域保健学類5号館5209教室で開かれ、水野の妊娠・出産と産後休暇予定をふまえ、オランダ訪問計画を再考するとともに、国内調査(アンケート)の原案作成が話し合われた。
2.学会発表:平成24年11月17日 於金沢大学医薬保健学域保健学類・鶴間地区で行なわれた「第31回 日本医学哲学・倫理学会大会 ワークショップ」で「妊娠中絶の何が問題か」を発表した。
3.翻訳(オランダ語→日本語):CASAの組織(http://www.casa.nl/werken-bij-casa/organisatie)の翻訳と「Evalatie Wet afbreking Zwangerscap」の3章から5章の翻訳を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている

理由
同年度予定のオランダ訪問(オランダの中絶医療に潜在する医療者の意識、医学教育のあり方、中絶感や法規制につき学術的調査・研究を行う)が、主担当者の水野の妊娠、出産、産後休暇のために、繰り越さざるを得なくなったため.

今後の研究の推進方策
平成25年度には、水野の産休あけを待って、オランダ訪問を実行し、オランダの中絶医療に潜在する医療者の意識、医学教育のあり方、中絶感や法規制につき学術的調査・研究を行う。
同時に、国内の中絶医療と中絶ケアの実態に関する調査・研究を推進する。

次年度の研究費の使用計画
平成24年度の76万円あまりの予算が執行されなかったが、これは、オランダへの訪問調査が主担当者の水野の妊娠・出産・産休で実施出来なかったからである。また、平成24年度に購入予定としていた調査のためのICレコーダやPCの購入は平成25年度とし、それに伴う費用は繰り越すこととした。
平成25年度の研究費使用計画
○ 調査のための備品(ICレコーダ、PCなど)購入に15万円程度を予定
○ 2名のオランダ訪問の旅費として80万円、ミーティングや学会出席のための国内旅費として20万円を予定
○ その他、調査費として60万円を予定

研究成果 (1件)
すべて 2012

すべて 学会発表

[学会発表] 妊娠中絶の何が問題か2012
Author(s)打出 喜義
Organizer第31回 日本医学哲学・倫理学会大会
Place of Presentation金沢大学医薬保健学域保健学類・鶴間地区(石川県)
Year and Date20121117-20121118


URL:
https://kaken.nii.ac.jp/report/KAKENHI-PROJECT-24659238/246592382012hokoku/

2013 年度 実施状況報告書
我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究
研究課題

研究課題/領域番号 24659238
研究機関 金沢大学
研究代表者
打出 喜義 金沢大学, 大学病院, 講師 (00168709)
研究分担者 水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
キーワード 中絶医療 / 比較研究 / オランダ
研究概要
研究課題「我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究」の目的としては、(1)欧米の優れた中絶医療・ケアの辞令調査、(2)そうした医療・ケア導入の背景の学術的調査・研究、(3)我が国のリプロダクティブ・ヘルスの改善のための中絶医療変革とその方向性呈示であったが、平成25年度としては「オランダ」訪問を企画し、平成26年3月13日には、人工妊娠中絶に特化した「Abortion Clonic( Rutgershuis-Oost クリニック)」の Dr. Olga Loeber と看護師へのインタビューに加え施設内見学、翌14日には Dr. Evert Ketting 宅を訪問し、インタビューを行なった。
Dr. Olga Loeber はオランダ中絶医協会の前会長であり、Dr. Evert Ketting は前ナイメーヘン大学公衆衛生学部教授で、オランダを中心にヨーロッパの中絶・避妊・性行動について40年近く研究をされており「WHO」や「ユニセフ」のコンサルタントとして現在も活躍されているその道の権威であることから、両氏へのインタビューは、本研究課題の目的の(1)、(2)遂行の上で、大変有意義なものであった。
平成25年度の研究実施計画として、国内の中絶医療と中絶ケア実施に対する調査・研究のため、国内産科医療者のインタビュー、インターネット調査、研究会開催を予定していたが、主担当者の水野の産休のため、行なわれていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している

理由
平成24年度の76万円あまりの予算が執行されなかったが、これは、オランダへの訪問調査が主担当者の水野の妊娠・出産・産休で実施出来なかったからである。また、平成25年度研究実施計画として、国内の中絶医療と中絶ケア実施に対する調査・研究のため国内産科医療者のインタビュー、インターネット調査、研究会開催を予定していたが、これも、主担当者の水野の産休のため行なわれていない。
しかし、平成25年度は、上記オランダ訪問インタビューが行なわれることになり、当初の期待以上の成果が得られたと考えられたことから、本研究は概ね順調に進展しているものと考えた。

今後の研究の推進方策
平成26年度は、オランダ中絶医協会の前会長である Dr. Olga Loeber と、WHOやユニセフコンサルタントとして、現在も活躍されている Dr. Evert Ketting のインタビュー内容の文字おこしを行い、欧米(オランダ)の中絶医療実態を、その歴史と性教育の実態も含めて紹介する予定である。
また、我が国の中絶医療の実態として、まず、我が国で実際に施行されている中絶方法につき、それが世界標準と比べて問題があることを指摘し、我が国の今後のあるべき中絶医療の実姿を「複数学会での公表」「論文にまとめる」などを通して「世論喚起」して行く予定である。
加えて、平成26年度には、当初の平成26年度研究実施計画である「複数学会での公表」「論文にまとめる」「世論喚起」を行なう予定としている

次年度の研究費の使用計画
オランダの訪問・インタビューは、当初、3人を予定していたが、一人が病気のためにオランダ訪問が中止となり、その為に、次年度使用額が発生した。
「我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究」として、当初、オランダとアメリカを予定していたが、交付決定額が予定より減額されたため、オランダのみの訪問となった。 今回54万円程の次年度使用額が発生したため、当初の予定通り、それをアメリカ訪問の費用に充てたいと考えている。

URL:
https://kaken.nii.ac.jp/report/KAKENHI-PROJECT-24659238/246592382013hokoku/

2014 年度 実施状況報告書
我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究
研究課題

研究課題/領域番号 24659238
研究機関 金沢大学
研究代表者
打出 喜義 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00168709)
研究分担者 水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード 中絶医療 / 比較研究 / オランダ
研究実績の概要
研究課題「わが国と欧米の中絶医療実態の比較研究」の目的としては、(1)欧米の優れた中絶医療・ケアの事例調査。(2)そうした医療・ケア導入の背景の学術的調査・研究、(3)わが国のリプロダクティブ・ヘルス改善の為の中絶医療変革とその方向性の呈示であり、この目的の下に、平成26年3月13日には、オランダ訪問を行ない、人口妊娠中絶に特化した「Abortion Clinic (Rutgershuis-Oost クリニック」の Dr. Olga Loeber と看護師へのインタビューと施設内見学を行なった。翌14日には Dr Evert Ketting 宅を訪問しインタビューを行った。
Dr. Olga Loeber はオランダ中絶医協会の前会長であり、 Dr Evert Ketting は前ナイメーヘン大学公衆衛生学教授であって、オランダを中心にヨーロッパの中絶・避妊・性行動について40年近く研究をされており、また「WHO」や「ユニセフ」のコンサルタントとして現在も活躍されている方であることから、両氏へのインタビューは、本研究課題遂行のうえで大変有意義なものであって、それを、現在、まとめつつある状況にある。
また、現在のオランダにおける優れた中絶医療・ケアの状況が、どのような経緯で、そうなってきたのかの歴史・背景を探ることにより、わが国のあるべき姿を描ける可能性もあり、そのために、主に、オランダに関する文献調査も進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている

理由
平成24年度は研究分担者の妊娠・出産・育児休暇の為に、同年度の欧州訪問予定が25年度に持ち越された。平成26年度は、研究代表者の大学退職と市内総合病院産婦人科部長就任に伴う研究協力員への職替えもあって、平成26年度に予定されていた米国訪問が不可能となり、研究の遂行に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策
平成27年度は、平成26年度に予定されていた米国訪問を実行し、米国の中絶医療の実態を調査する予定である。また、平成27年度は、本事業の最終年度となるので、前年度に行なわれたオランダ中絶医協会全会長の Dr Evert Ketting と WHO やユニセフコンサルタントとして今も活躍されている Dr Evert Ketting のインタビューの文字おこしを完了し、事業報告とする予定である。

次年度使用額が生じた理由
平成24年度は、研究分担者の妊娠・出産・育児休暇の為に平成24年度の欧州訪問の予定が25年度に持ち越された。平成26年度は研究代表者の大学退職、市内総合病院産婦人科部長就任に伴う協力研究員への職替えの為に、平成26年度に予定されていた米国訪問が不可能となり、その為に未使用学が発生した。

次年度使用額の使用計画
平成27年度には、平成26年度に予定されていた米国訪問を実行し、米国の中絶医療の実態を調査する。また、平成27年度は本事業の最終年度となるので、前年度に行なわれたオランダ中絶医協会前会長の Dr. Olga Loeber と、WHO やユニセフコンサルタントとして今も活躍されている Dr. Evert Ketting のインタビュー文字おこしを行い、事業報告とする為、未使用学を使用する予定である。

URL:
https://kaken.nii.ac.jp/report/KAKENHI-PROJECT-24659238/246592382014hokoku/

2015 年度 研究成果報告書
我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究
研究課題

PDF
研究課題/領域番号 24659238
研究種目
挑戦的萌芽研究

配分区分 基金
研究分野 医療社会学
研究機関 金沢大学
研究代表者
打出 喜義 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00168709)
研究分担者 水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
研究協力者 森脇 健介
加藤 雅枝
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード 中絶医療
研究成果の概要
オランダ中絶医協会前会長オルハ・ルーバー医師へのインタビューにより、オランダの中絶医療・ケアの実際が、以下の点から明らかとなった。 (1)性教育の徹底、(2)中絶前後のカウンセリング、(3)安全な中絶手技の導入、(4) 看護師へのメンタルケア、(5)妊娠中絶費用の無料化
オランダでの妊娠中絶は、我が国のようにオンデマンドで行われておらず、中絶に至るまでの女性はトータルにケアされ、尊重されるシステムが整備されていた。こうしたシステムは、我が国では未だ整えられてはおらず、早急な導入が必要であると考えられた。

自由記述の分野
産婦人科

URL:
https://kaken.nii.ac.jp/report/KAKENHI-PROJECT-24659238/24659238seika/

2015 年度 実績報告書
我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究
研究課題

研究課題/領域番号 24659238
研究機関 金沢大学
研究代表者
打出 喜義 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00168709)
研究分担者 水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード 中絶医療 / 比較研究 / オランダ
研究実績の概要
最終年度実施研究の成果: 2014年3月13日、オランダ・アルンヘム(Arnhem)にあるミルドレッド・ルトヘルスハイス・クリニック(Mildred Rutgershuis kliniek、オランダで最初にできた中絶クリニック)で、オランダ中絶医協会(NGvA, Nederlandse Genootschap van Abortusartsen)前会長オルハ・ルーバー医師(Olga Loeber〈MD〉)に行なったインタビューの文字起こし、及び、オランダ妊娠中絶法評価報告書抄訳を作成し、オランダとわが国の中絶医療実態の比較研究を試みた。
本研究から判った事: 1984年にオンデマンド(請求次第)で中絶が認められたオランダでは、中絶医療は健康保険の対象ではあるが、匿名化はなされていた。中絶の95%はクリニックで行なわれており、その方法はディスポ・プラスティック吸引法が主流であった。病院では薬剤による中絶も行なわれているが、中絶クリニックではあまり行なわれていない模様であった。中絶希望患者に対し、医師には養子縁組制度など中絶回避のための説明が義務づけられ、5日間の待機期間を経ても中絶意志が変わらなければ中絶を受けられる制度があった。中絶施設は、ペンションのような概観で清潔で明るく施術後は中絶後ケアとして十分なカウンセリングの機会があった。オランダの中絶率は増加しており出生数1000のうち8件となっているが、その主な理由は被西欧諸国からの移民で、その原因には文化的背景などが関わっているとの話があり、オランダ人に中絶が少ない理由としてカルヴァン主義的背景が挙げられていた。
本研究の意義、重要性: オランダの中絶医療の現況調査により、わが国における(1)早期からの性教育リプロダクティブ・ヘルス、ライツ)、(2)中絶法の改善、(3)カウンセリング(ケア)の必要性が再認識された。

備考
オランダでの中絶医療のインタビュー内容(約1.8万字)とオランダ妊娠中絶法評価報告書抄訳(約9万字)は、Webページに掲載予定。

URL:
https://kaken.nii.ac.jp/report/KAKENHI-PROJECT-24659238/246592382015jisseki/

公開日: 2017-01-06

我が国と欧米の中絶医療実態の比較研究
研究課題


サマリー
研究課題/領域番号 24659238
研究種目
挑戦的萌芽研究

配分区分 基金
研究分野 医療社会学
研究機関 金沢大学
研究代表者
打出 喜義 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00168709)
研究分担者 水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
研究協力者 森脇 健介
加藤 雅枝
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
研究課題ステータス 完了 (2015年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2014年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2012年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード 中絶医療 / 比較研究 / オランダ
研究成果の概要
オランダ中絶医協会前会長オルハ・ルーバー医師へのインタビューにより、オランダの中絶医療・ケアの実際が、以下の点から明らかとなった。 (1)性教育の徹底、(2)中絶前後のカウンセリング、(3)安全な中絶手技の導入、(4) 看護師へのメンタルケア、(5)妊娠中絶費用の無料化
オランダでの妊娠中絶は、我が国のようにオンデマンドで行われておらず、中絶に至るまでの女性はトータルにケアされ、尊重されるシステムが整備されていた。こうしたシステムは、我が国では未だ整えられてはおらず、早急な導入が必要であると考えられた。

報告書 (5件)
2015 実績報告書 研究成果報告書 ( PDF )
2014 実施状況報告書
2013 実施状況報告書
2012 実施状況報告書
研究成果 (1件)
すべて 2012

すべて 学会発表

[学会発表] 妊娠中絶の何が問題か2012
URL:
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24659238/

公開日: 2013-05-31 更新日: 2019-07-29