リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

「母体」はあくまでも管理対象にすぎず「妊婦」自身の意向は無視なのだろうか?

厚生労働科学研究成果データベースでの検索

三重大 池田智明先生の厚労省科研費による研究3種「池田智明」「中絶」で検索したら3年度分の研究が出てきました

1
201219017A
研究年度:
平成24(2012)年度
総括/総合:
総括
人工妊娠中絶、妊産婦死亡の地域格差に関する研究
研究代表者(所属機関): 池田 智明(三重大学 大学院医学系研究科・生命医科学専攻・臨床医学系講座・産科婦人科学)

2
201312002A
研究年度:
平成25(2013)年度
総括/総合:
総括
人工妊娠中絶の地域格差に関する研究
研究代表者(所属機関): 池田 智明(三重大学 大学院医学系研究科 臨床医学系講座 産科婦人科学)

3
201410006A・201410006B
研究年度:
平成26(2014)年度
総括/総合:
総括・総合
人工妊娠中絶の地域格差に関する研究
研究代表者(所属機関): 池田 智明(三重大学 大学院医学系研究科)

2つ目の研究は、下記を調べるために何度も見ていました。その成果は、『女性学』28号に載せています。関連記事を紹介しておきます。

分担研究「我が国の人口妊娠中絶の方法と合併症」中井章人、関口敦子

okumi.hatenablog.com

okumi.hatenablog.com


でもそれ以外のところはあまりちゃんと読んでなくて、今になって他の人から「こんなのがあるよ」と言われて読んでみました。


その結果、H24年度の「人工妊娠中絶、妊産婦死亡の地域格差に関する研究」の結果として「母体安全への提言」]というマニュアルが作られることになっていたのを知り、最新版(2019)を見てみて、ちょっと嫌な気分になりました。


確かに母子ともに死なないことは重要だと思うのですが、なんだか生身の女性の視点が皆無であるのが不気味で……当人の意向など全く無視で、入院させたり、帝王切開にしたり、他の医療施設に送ることにしたりと、医師がすべてを決定していく流れになっているのです。まさに「子産み機械」として「母体」の管理しか考えられてないように思えます。「女性」の扱いについて全く無頓着である印象を受けました。