リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

「妊娠を誰にも打ち明けられず」新生児を空き家の庭に埋めた女…懲役1年6月求刑

読売新聞 2021/07/10 14:17

 生まれたばかりの娘の遺体を長野県東御市 新張(みはり) の空き家の庭に埋めたとして、死体遺棄罪に問われた横浜市保土ヶ谷区峰岡町、無職の被告の女(22)の初公判が9日、長野地裁上田支部(坂本達也裁判官)であった。女は「間違いありません」と起訴事実を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。判決は26日。

 検察側の冒頭陳述などによると、女は今年5月2日、かつて住んでいた空き家の庭に穴を掘り、遺体を埋めて遺棄したとされる。4月28日に横浜市の自宅アパート内で出産したが、29日頃に死亡。保冷バッグに遺体を入れ、一人で空き家に向かったという。

 検察側は「無計画に女児を出産して安易に犯行に至った」と指摘。弁護側は「未成年時の生活環境に恵まれず、犯行時は心身ともに混乱していた」とした。

またしても孤立出産で刑事罰に問われる事件がありました。

 「信頼できる人がおらず、妊娠を誰にも打ち明けられなかった」。被告人質問で女は消え入りそうな声で話した。

 女は幼い頃に両親を亡くした。親族に引き取られたが、中学生と高校生の時に祖母と叔母が他界。次第にふさぎ込むようになったという。高校卒業後に一人で上京し、風俗店など職を転々とした。生活も困窮していたという。妊娠が判明したのは昨年9月頃。女は「産むつもりはなかったが、お金が足りず、中絶手術を受けられないと思った」と語った。

日本の高い中絶費用が女性を孤立出産に追いやってしまった。

 予期せぬ妊娠の相談に応じている「うえだみなみ乳児院」(上田市)の産前産後母子支援コーディネーター・小林千夏さんによると、傷ついた体験があると誰かを信用し、相談すること自体がハードルになるという。小林さんは「匿名でもいいので、話を聞いてもらうことが大切だ」と指摘する。

 小林さんらが相談に応じている県の窓口「にんしんSOSながの」には2020年度、210件(前年度比19件増)の相談が寄せられた。10歳代(56件)と20歳代(57件)で半数以上を占め、内容は「妊娠不安」(61件)や「予期せぬ妊娠のいきさつと今後の悩み」(26件)が多かった。

 県内の女性(20)は窓口への相談をきっかけに交際相手と話し合い、中絶手術を決断した。女性は「考えを否定することなく親身に聞いてくれ、驚きや焦りでぐちゃぐちゃだった気持ちが整理された」と話す。

 「にんしんSOSながの」は24時間、無料で電話相談を受け付けている。小林さんは「あらゆる関係者と連携してサポートするので解決策は必ず見つかる。一人で抱え込まないでほしい」と呼びかけている。

行政にも無料の相談窓口があるし、全国に「にんしんSOS」などの民間の相談機関があります。まずはどこかにつながってほしい。

動機について次に報じられています。
望まぬ妊娠の末…赤ちゃんの遺体を遺棄 母親(22)に執行猶予付き判決 裁判官「反省し、供養の意思ある」(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース