リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

国連総会第3委員会における政府代表顧問ステートメント

国連総会第3委員会

結局は、ここでもはりぼての国内の成果を示すだけで、あとはUN-Womenへの2400万ドル支出、「紛争下の性的暴力に関する事務総長特別代表(SRSG-SVC)」の女性と少女のエンパワーメントに1100万ドル支出を誇っているだけ。合わせて38億5000万円、国内の女性のエンパワーメントに、政府はいったいいくらかけているのか。10分の1もないのでは?

国連総会第3委員会は、国連総会の6つの主要委員会の1つであり、主に社会開発や人権問題について取り扱っています。毎年秋に開催される国連総会第3委員会における「女性の地位向上」に関する議論に、我が国も積極的に参加しています。

国連総会第3委員会(社会開発)ホームページ
政府代表顧問ステートメント(外務省:国連の場における演説ホームページへリンク)

2019年第74回 議題26:「⼥性の地位向上」に関する宮崎あかね政府代表顧問によるステートメント(英文)
仮訳します。

議長。

男女共同参画と女性のエンパワーメントは、女性の可能性を最大限に引き出します。日本は、女性のエンパワーメントを継続することで、社会の最大の可能性を引き出すことができると認識しており、世界中で「女性が輝く社会」を実現することを目指して、国際協力や開発援助を強化しています。

北京宣言・行動綱領から25周年、安全保障理事会決議1325から20周年となる2020年に向けて、日本は女性のエンパワーメントを推進するための国内および国際的な取り組みをさらに強化していきます。

議長。

まず、国内での取り組みについてご紹介します。5月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、6月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の改正を行いました。前者は、事業主の行動計画策定義務の拡大や情報開示の充実などにより、女性の職場への積極的な参加を一層促進することを目的としており、後者は、DVや児童虐待との関連性を考慮し、関係機関の連携・協力により、配偶者からの暴力の早期発見・介入による被害者の保護を向上させることを目的としています。

また、日本は、G20のエンゲージメントグループであるW20と共同で、3月に「第5回女性のための世界会議(WAW!)」を開催し、安倍首相は、2018年から2020年までの3年間で、開発途上国の少なくとも400万人の少女と女性に質の高い教育と人材育成の機会を提供するという日本のコミットメントを表明しました。

さらに、今年のG20議長国である日本は、G20大阪サミットの傍らで「女性のエンパワーメントに関するリーダーズスペシャルイベント」を開催し、メインテーマの一つとして「女性のエンパワーメント」について議論しました。特に、(1)女性の労働参加におけるジェンダーギャップの縮小、(2)女子・女性の教育支援の強化、(3)女性のビジネスリーダーや起業家との関わりなどが強調され、これらはG20大阪リーダーズ宣言にも盛り込まれました。

また、国連との連携については、昨年、日本はUN-Womenに総額約2,400万ドルの拠出を行いました。UN-Womenのトップドナーの一つとして、日本は今後も開発途上国でのプロジェクトを支援していきます。また、先月第1回目が開催された日本とUN-Womenの政策対話の継続は、様々な分野でのパートナーシップの強化に貢献するものと確信しています。

また、日本は「紛争下の性的暴力に関する事務総長特別代表(SRSG-SVC)」の活動を一貫して支援しており、中東・アフリカにおける紛争の影響を受けた女性・少女のエンパワーメントや、紛争下の性的暴力を防止するための司法制度の改善を支援するために、現時点で総額1,100万米ドルを拠出しています。

また、日本は、関連する国や機関と協力して、「女性、平和、安全保障」の課題を推進してきました。例えば、日本はUN-WomenやUNFPAの紛争被害女性支援や紛争時の性的暴力防止を目的としたプロジェクトを支援し、アフガニスタンに対しては国際協力機構(JICA)を通じて、司法制度や捜査手続き、軍隊や警察の能力強化のための支援を行っています。


議長。

最後になりますが、日本は国連機関、加盟国、民間企業、市民社会のパートナーの協力を得て、「女性が輝く社会」の実現に向けた努力を続けています。これに関連して、第6回WAW! シンポジウムは、来年4月3日、4日に東京で開催されます。世界中からのご参加をお待ちしております。

ありがとうございました。