リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

Clear Blueは1985年に発売

もっと前かと思ってた……💦

About Clearblue: History, expertise and products - Clearblue

The thin blue line: the history of the pregnancy test

一方、こちらの記事によると1978年12月に初めての広告が載ったという。

日本では輸入品を1985年から発売していたらしい。

「こんなん売れん」と逆風 妊娠検査薬、発売したロート社員の執念
朝日新聞 田中奏子2022年2月21日 15時38分


 女性が自ら妊娠しているかどうかをチェックできる妊娠検査薬。日本で初めて一般用医薬品OTC)として発売されてから、今年で30年。いまやドラッグストアで手軽に買えるが、当時は「中絶につながる」といった逆風もあった。全国の薬局を回って理解を広め、国を説得し、世に送り出した社員たちがいた。商品の名前には、ある思いを込めた。

 「どうせ産婦人科行くやん。こんなん売れへんわ」

 1990年、薬剤師に言われた言葉を、ロート製薬の力石正子さん(62)はいまも覚えている。薬局向けに妊娠検査薬の説明をしていた時のことだ。


「なんで日本にはないの?」
 ロート製薬は1899年に大阪市で創業。目薬やスキンケア用品など、ドラッグストアなどで医師の処方箋(せん)なしに誰でも買えるOTCの商品を手がける。体臭ケアのボディーソープ「デオコ」など、女性のための商品を多く開発してきた。その始まりとも言えるのが、妊娠検査薬の日本への導入だった。

 検査薬は、受精卵が着床して胎盤でつくられるhCGホルモンを尿から検出して判定するため、妊娠4~5週の段階でわかる。海外では1980年代から薬局で買えた。

 生理が遅れていることに気づいて初めて妊娠を疑い、産婦人科を受診する。それが日本では一般的だった。しかし、それでは妊娠に気づくのが遅れ、赤ちゃんの中枢神経や心臓がつくられる大事な時期に、服薬や飲酒の恐れがある。力石さんは「なんで日本にはないの、と疑問だった」。

 ロートは85年に輸入品を薬局で発売。当時は医療用医薬品で、薬剤師による対面販売が必要だった。

 目薬の開発部門にいた力石さんは、90年ごろに妊娠検査薬の担当にうつった。販売の拡大には薬剤師の理解が不可欠で、同僚と5人で全国の薬局をまわり「勉強会」を開いた。ほぼ毎日、開店前の朝9時や、閉まった後の夜10時にも。「女性にとってすごく重要な商品になる。お母さんと赤ちゃんを守るためにも、自分で知るということがスタートだ」

 当時の薬剤師は男性が多かった。勉強会は「妊娠とは」から始まった。子宮のイラストを見せ、生理の周期や受精のしくみを話した。産婦人科に行けばいい、という人に、妊娠に早く気づくことの重要性や、女性が産婦人科に行くことのハードルがいかに高いのか、丁寧に語りかけた。


手軽に買える一般用医薬品化 慎重姿勢の国
 ロートが目指した、薬剤師がいなくても買えるOTC化の壁は高かった。当時の新聞記事には産婦人科医や厚生労働省が慎重な姿勢を示した、と残る。「中絶につながる」という意見のほか、医師の一部には陽性なのに誤って陰性と出た場合に妊娠が放置される危険性を指摘する声もあった。

 厚労省の説得のため、ロートの社員たちはほかの複数の製薬会社と一緒に、品質を保証するガイドラインをつくった。判定の精度も高め、92年にようやく認可がおりた。96年には自社開発品を発売。「なんでこの商品がいるんやろって考えたら、自分の体を自分で知るためだよねって」。そんな思いを込めて、力石さんらは商品に「ドゥーテスト」と名付けた。

 捨てるときに中身が見えにくいようにした内袋には、気持ちが明るくなるようにピンクの柄を施した。使った後に喜ぶ人もいれば、がっくりと悲しむ人もいる。いろんな気持ちに寄り添いたかった。力石さん自身は92年、第1子を出産。会社の寮で検査薬を使った時、小躍りしたことを思い出した。

 生殖に関わることを自分で決められるとする「セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」への意識が日本社会は遅れているとされる。緊急避妊薬を処方箋(せん)なしに薬局で買えるようにするための検討はようやく始まり、約80カ国で承認されている経口中絶薬は昨年末に承認申請が出たばかり。

 力石さんは「ようやくここまで来たか、という思い。女性が自分の体を自分で知る、それができる。この商品があって、女性の意識が少しでも変わったのであれば、それはありがたいことです」と話す。

 排卵日検査薬など女性の健康に関わる商品の開発に長く携わり、2018年、ロート初の女性取締役に就いた。今月末、退職を迎える。90年代には育児休業制度もなく、出産後は3カ月で復帰した。「これからの女性は働いているやん。ますます女性を応援する会社であって」

 ロートはいま、育休後の復帰率がほぼ100%。従業員の6割を女性が占めている。(田中奏子)


薬局まわって説いた「妊娠とは」 ロート役員の力石正子さん
 大阪市ロート製薬は1992年、妊娠検査薬を日本で初めて一般医薬品(OTC)として発売しました。開発に携わり、商品の必要性を知ってもらうため全国の薬局をまわった力石正子さん(62)。2018年からは、ロート初の女性取締役にも就任しました。開発に込めた思いや当時といまの時代の変化について聞きました。

……あとは有料記事です。