リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

妊娠9週0日はまだ「人間のミニチュア」には見えない

まさか知っていてわざとではないですよね?

一般社団法人日本家族計画協会の機関誌「家族と健康」第829号に「経口人工妊娠中絶薬、5月正式承認へ―厚労省」という記事が載っている。同会の北村邦夫会長へのインタビュー形式である。

経口人工妊娠中絶薬、5月正式承認へ―厚労省 | 家族と健康 | 一般社団法人日本家族計画協会-JFPA-


この中で、北村氏は「薬による中絶法が加わる意義は大きい」が「手放しで喜んでばかりではいられない」として、次のような発言をしている。

Q)何か問題があるのですか?

A)中絶薬ってあたかも夢の薬のように思われていますが、指示通り飲めば簡単に中絶ができるわけではありません。確かに、9割以上が24時間以内に中絶が完了していますが、その間に、「重い月経」なんて表現をしますが、結構強い痛みを訴える人がいます。もちろん、事前に鎮痛剤を渡しておくことで痛みから解放される方はいますが・・・。出血もそうですね。D&Cや吸引法に比べるとその期間が長引く可能性が高い。妊娠9週ともなると胎児の大きさは22~30㎜と言われ、見た目は人間のミニチュアそのもの。それが出血とともに排出されることで中絶が完了するわけですが、事前にしっかりとした情報提供がなされていないと、相当驚かれるのではないでしょうか。【後略】

フィーゴパックは妊娠9週0日までしか使えない。9週の始めだと平均的な大きさは22.3mmで、まだ2頭身。他の哺乳類の胎児とほとんど見分けがつかず「人間のミニチュア」には到底見えない。以下のサイトの説明と比べても、北村氏の説明は妊娠10週に相当する。わざと間違えて言っているわけではないと信じたいが。

Embryo vs. Fetus: What’s the Difference?