朝日新聞 聞き手・大貫聡子2024年5月11日 11時00分
売春の客待ちをしたとして女性の摘発が相次いでいます。売買春は違法なのに、取り締まりの対象が女性ばかりに偏るのはなぜなのでしょうか。ジェンダー史研究者の金富子(キム・プジャ)さんは売春防止法のあり方に問題があると指摘します。(聞き手・大貫聡子)
女性支援団体に同行し、売春のための客待ちをする女性たちが集まる新宿・大久保公園に行ったことがあります。驚いたのが、女性に声をかける男性客の堂々とした態度でした。
日本では男性が女性の性を買っても許されるという風潮が根深いからでしょう。加えて売春防止法に大きな問題があります。
第3条は「何人も、売春をし、又(また)はその相手方となってはならない」、つまり売っても買ってもいけないと禁止を宣言しますが、罰則はありません。一方で第5条は、「公衆の目にふれるような方法で」売春の相手方になるよう勧誘したり、客待ちしたりすることを禁じ、売る側に罰則を科します。
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