【連載振返り企画】中絶再考⑥「女性差別」(2019.12.18)
1960年代後半から1970年代初頭にかけて、世界的に女性解放運動が広がった背景には、避妊ピルの登場があった。女性が自らの生殖をコントロールできる画期的な手段として、避妊ピルは女性運動の主要な獲得目標となった。しかし、避妊が十分に機能しない場合のバックアップとして、安全な中絶も不可欠だった。1970年頃には、従来よりも安全な吸引法が登場し、1980年代には中絶薬が開発され、中絶の早期化と自己管理が進んだ。WHOも中絶薬による自己管理を推奨しているが、日本では導入が大きく遅れている。避妊ピルさえ1999年まで禁じられ、中絶薬も未だに十分に普及していない。この状況に、筆者は女性の生殖の自己決定権が制限されている現状を嘆き、改めて「女性差別からの解放」を訴える。
中絶再考 その6 女性差別 by 塚原久美|LOVE PIECE CLUB(ラブピースクラブ)