リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

米国が中絶へのアクセスを後退させたことを受け、仏上院は中絶の権利を憲法に明記することを決議した

France 24, Issued on: 28/02/2024 - 20:10, Modified: 28/02/2024 - 21:19

French Senate votes to enshrine abortion access in the constitution after US rollback

仮訳します。

 フランスの上院議員は水曜日、中絶へのアクセスを憲法に明記することを決議した。月曜日に予定されている両院の5分の3以上の賛成で法案が承認されれば、フランスは中絶手術を憲法で保障する世界初の国になる。


写真キャプション:2024年2月28日、パリで中絶の権利をフランス憲法に明記する政府案に関する採決のための討論会に出席するフランス上院議員たち。AFP=時事


 水曜日の投票は、下院(国民議会)が1月にこの提案を圧倒的多数で承認した後に行われた。

 エマニュエル・マクロン大統領の政府は、憲法第34条を改正し、「女性の中絶の自由は保障されている」と明記するよう求めていた。

 2022年、米最高裁は中絶へのアクセスを全国的に保障した1973年のロー対ウェイド判決を覆した。

 1975年に非犯罪化された中絶の道徳性を問う政党は、フランス議会にはなかった。一部の保守派はその文言を批判していたが、ほとんどの議員は憲法改正に賛成していた。


 下院は2022年に中絶の「権利」を明記することを承認したが、一部の上院議員はこの言葉に反対していた。昨年、上院は代わりに「自由」という言葉を使うことに同意すると述べたが、長い議論の末、政府は最終的に妥協案として「liberté garantie」という表現に落ち着いた。

 2022年11月にフランスの世論調査会社IFOPが行った調査では、フランス国民の86%が中絶を憲法上の権利とすることを支持していた。

 憲法改正には、伝統的にヴェルサイユ宮殿で開催される合同議会で、5分の3以上の賛成による最終承認が必要となる。

 エリゼ宮は声明で、上院が承認案を可決した直後、マクロン大統領は月曜日に議員をヴェルサイユ宮殿に呼び、改憲を正式に決定すると発表した。