リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

妊娠、中絶共に後ろ倒しに?

先日の保健・衛生行政業務報告の統計等を元に、平成16年度から平成20年度まで5年間の推定妊娠数(中絶件数+出生数)を計算し、推定妊娠数および推定中絶数の年齢グループごとの分布を見てみた。実際には、事後避妊と未届けの中絶があるはずなので、妊娠数はもっと増えるだろうが、それでも何かしらの傾向が見て取れる。

全体的には、妊娠と出産が後ろ倒しになりつつあり、30代前半をピークに30代で産むケースが全出生の過半数を占めるまでになった。逆に中絶は20代前半までの中絶率が高く、婚姻年齢の上昇も考慮すれば、若すぎる時には中絶し、比較的上の年齢では結婚して出産というパターンがあるのかもしれない。

なお、30代後半と40代以降に明らかに出生数の増加が見られる。団塊ジュニアが現在30代後半であることも影響しているだろうが、他にも不妊治療などで「望んだ妊娠」をし、「出生」する人々が増えているのかもしれない。不妊治療の結果による出生数は、統計的に把握されているのかどうかは、知らないけれど。