リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

第201回国会 衆議院 外務委員会 第2号 令和2年3月6日

ユニバーサル・ヘルス・ケア(UHC)やセクシュアル&リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR)をめぐる国会答弁

176 森山浩行
○森山(浩)委員 (前略)
 さて、女性問題なんですけれども、九月、国連のUHCハイレベル会合に続いて、二〇一九年、去年の十一月、ケニアで開催をされました国際人口開発会議二十五周年ナイロビ・サミット、これで、日本のコミットメントを発表されています。
 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を推進することにより、国際人口開発会議の行動計画の残された課題に取り組むということ。当時、駐ケニア日本大使館の堀江大使が参加をされていますけれども、特に、人道危機状況に置かれている人々、女性や少女に性と生殖に関する健康に関するサービスを享受できるように最大限の努力をする必要性、また、人口問題、特に少子高齢化、都市化に関する日本の知見を国際社会と共有するだけでなく、日々の、生涯を通じた政策実施の面でも取り組むというようなことで言っておりまして、高い評価を受けたわけなんですけれども、これについて、その後、どんな形で取組しているよ、あるいは取組していくよというようなお話がありますでしょうか。
177 塚田玉樹
○塚田政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘のとおり、昨年九月、国連総会におきまして、UHCをテーマとしたハイレベルの会合を初めて開催されまして、全会一致で政治宣言が採択されたところであります。
 この宣言の中には、二〇三〇年までに性と生殖に関する保健サービスを全ての人が利用できるようにする旨が記載されておりまして、これは、我が国を含む全ての国連加盟国が、UHC達成に向けて、女性の性と生殖に関する権利を重視しているということのあらわれだというふうに言えると思います。
 なお、この宣言の取りまとめに当たりまして、我が国は、五十カ国以上から成るUHCの有志グループを立ち上げまして、その議長として取りまとめに貢献したところであります。
 また、昨年の十一月のナイロビ・サミットにおきましては、我が国は政府代表の演説におきまして、女性と女児が脆弱な環境下に置かれ、最も支援が届きにくい人々だということに注目して、こういった女性と、性と生殖に関する権利を重視する、そのアクセスとサービスを保障すべきだということを表明しますとともに、超党派の議連を代表する形で国会の議員の方々にも参加していただいて、演説を行ったところでございます。
178 森山浩行
○森山(浩)委員 まあ、やったということなんですが、その後のフォローがどうなっているのかという質問でありまして、私も国際人口問題議員懇談会のメンバーということで取り組んでいるわけなんですが、今回の補正予算でも、国連人口基金への約十億円の予算が拠出をされています。開発途上国における人口増加に対して、あるいはこれからの少子高齢化に向かう新興国に対して、あるいは今のセクシュアル・リプロダクティブヘルス、こういった面に関して取組をしていくんだということ、宣言はされていますけれども、その後、あるいはこれからどうやっていくんだというような部分、大臣にお聞きをしたいんですが。
179 茂木敏充
○茂木国務大臣 まず、女性活躍、これは途上国においてはどうしても社会政策的な側面を持つ部分はあるんですが、国際社会全体として、若しくは途上国も含めて、長い目で見たら、これは単なる社会政策として捉えるのではなくて、経済社会に多様な視点や新たな創意工夫をもたらし、社会の活力を生み出す大きな源になる、こういう前向きな捉え方が重要だと考えております。
 日本政府として、国際女性会議、WAW!を過去五回開催したほか、昨年のG20大阪サミットにおいて女性のエンパワーメントに関する首脳特別イベントを開催する等、ジェンダー平等に向けた積極的な発信を行ってきているところであります。
 四月に開催を予定しておりました第六回のWAW!につきまして、主たるテーマをWAW!ウイズ・メン、男性と一緒につくるWAW!、固定観念から自由になろう、こういった形で開催しようとしておりましたけれども、残念ながら、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況を踏まえて延期することになったところであります。
 ただ、我が国として、この問題に取り組んでいくというコミットメントは、変わらず、しっかりした取組を今後とも進めていきたいと思います。
180 森山浩行
○森山(浩)委員 ありがとうございます。
 三月八日は、国連が制定をした国際女性デーでございます。千三百二十五号を始めとして、女性の権利や尊厳を保障するということ、女性の命や健康を守る、特にジェンダーに基づく暴力を削減、なくすということが重要になってくるかと思います。
 特にジェンダーギャップ指数、これは深刻で、特に政治分野においては、議員立法成立時にも私は事務局を務めておりますけれども、絶望的に低い状況にもあります。これは、我々男性議員、あるいは大臣も男性でありますから、男性がしっかり取り組んでいくということが、この女性問題をやっていくという中では非常に重要な部分ではないかなというふうに思っています。
 今ちょっと一部言っていただきましたが、取組の意向をお願いいたします。
181 茂木敏充
○茂木国務大臣 まず、男性だ、女性だ、そういった区分とか区別をなくしていく。バリアフリーの世界でもそうだと思うんですけれども、肉体的なバリアフリーと同時に、精神的なバリアフリー、これを取り払っていくことが必要でありまして、この中でも、やはり、女性の議員の方もたくさんいらっしゃるな、こんなふうに思っておりますけれども、特にそういった方の方が、さまざまな意味で発言力が強いなと思っております。それについてはいろいろ異論があるところもあるかもしれませんけれども。
 こういったやはり多様な意見を国政の場にも取り入れていく、また、さまざまな社会の場に取り入れていく、率直に言って、日本はおくれているのは間違いないんですから、そういう認識を持って取り組む必要があると思っております。
182 森山浩行
○森山(浩)委員 そうですね。私は、この間、政治改革、倫選特などでも議論をしてきていますけれども、クオータ制であるとか、あるいは政党ごとにしっかり女性候補を擁立するであるとかも含めまして、きちんとやっていかなきゃいけないなというふうに思っております。
 それでは、女性問題についてはしっかり取り組んでいただくということと、次は水問題ですね。(後略)

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