リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

COVID-19感染拡大がわが国のリプロダクティブ・ヘルス領域に及ぼした影響について

日本産科婦人科学会リプロダクティブ・ヘルス普及推進委員会の発表

COVID-19感染拡大は産婦人科医療に大きな影響をもたらしました。
医療提供・受診行動の抑制がおこりました。

  • 「不要不急」の診療の差し控えが医療機関側・患者側の双方でおきました。

結果として、必要な診療が行われない、急いだ方がいい受診が差し控えられた可能性があります。

  • 医療機関側では、院内感染を防止し、安全に医療及び分娩を提供できる環境を確保するため様々な対応が行われました。
  • 不妊治療の差し控え
  • 婦人科悪性腫瘍診療制限の発生
  • 婦人科良性疾患手術の延期

◆「with コロナ」の段階での診療のあり方を検討する必要があります。

  • 立会分娩の中止
  • 面会の中止(病院全体・産科病棟・NICU

◆結果として、妊産婦さんに大きな心理的ストレスが加わりました。
◆立会分娩の中止、産科病棟の面会中止は妊産婦さんに孤立感をもたらした可能性があります。また、NICUの面会中止は、母子分離による愛着形成を阻害する結果になった可能性があります。

里帰り分娩の差し控えをめぐって

  • 感染者が少ない地域の分娩施設では、感染地域から里帰りの受入を回避する傾向がありました。里帰りの妊婦さんに2週間の自己隔離が要請された場合もありました。

◆「with コロナ」の段階での里帰り分娩のあり方を検討する必要があります。

COVID-19感染拡大がわが国のリプロダクティブ・ヘルス領域に及ぼした影響について|公益社団法人 日本産科婦人科学会