堕胎罪違憲判決も勝ち取った韓国のフェミニズムと社会運動
一般社団法人生活経済政策研究所主催
「社会運動の再生にむけて〜韓国の労働・市民運動から学ぶ〜Vol. 1」
「韓国の女性運動活動家が語る#MeToo運動―いかに韓国女性たちはつながり、たたかったのか?」
時間: 2020年9月24日18時~オンライン開催
http://www.seikatsuken.or.jp/research/index.html
以下、研究所ホームページより
「社会運動の再生~韓国の労働・市民運動から学ぶ」プロジェクト
日本において労働運動を含む社会運動全体が分断や縮小、高齢化の課題を抱え、十分に対抗的な力を持つに至っていません。このため、①組織の縮小及び次世代への継承困難の問題や組織運営のノウハウの情報交換や次世代育成、②相互理解の不足による日韓関係の悪化を踏まえた日韓市民社会の交流促進、③ジェンダー差別や男性中心主義を克服し、男女平等参画な社会運動・労働運動のあり方を学ぶことなどを目標に、日本と様々な面で共通点を持つ韓国社会における取り組みに学びながら、社会運動の再生について考え、次世代のリーダーを養成します。
主査
三浦まり(上智大学)
委員
小谷幸(日本大学)
金成垣(東京大学)
桔川純子(明治大学)
金美珍(大原社研) コーディネーター
事務局
大門正彦(生活研専務理事)
柳煌碩(生活研研究員)
以下は、塚原の学んだこと。
●韓国のフェミニズムは4世代に分かれる。
*第1世代 女性運動、母親運動(昔からある)
*第2世代 1980年代の民主化運動から立ち上がった流れ
学生運動と「労働運動+キリスト教女性運動」
この系譜から1987年、民主化が実現した年に、韓国女性団体連合(KWAU)が立ち上がる
政府との交渉、ロビーイング、対案提示、制度導入などを進める。
最初の成果は1993年の性暴力特別法。その後も
1995年 女性発展法
1997年 DV法
2005年 性売買法
などが続く。クオータ制度も導入。
このグループは雑多な組み合わせで、保守派は保守系の議員に、進歩派は進歩系の議員に働きかけるなど役割分担していた。
*第3世代
民主化後に20代を過ごした世代はそうした政府との交渉に「違和感」を抱き、「young feminists」と名乗ってインターネットやフェミ系雑誌などにものを書くように。
1990年代の女性学の担い手になっていった。
*第4世代
「young young feminists」と呼ばれる。ツイッターを武器にして、大衆を動かすのに長けている。この世代は20代の半数がフェミニストを名乗る時代で、解放感とエンパワーに満ちている。
「メガリア」と呼ばれるミソジニーに反対するフェミニストたちによるサイトで、女性嫌悪のミラーリングを行った。(かなり激しい男性ヘイト?)●現在は、これら4世代がすべて同時に活動している。
2016年カンナム駅女性殺人事件を機に「大衆フェミニズム」化
2018年ヘファ駅デモは数万人規模で韓国で最大。
その後も、堕胎罪廃止、ソラネット、N版部屋問題などで活躍。●法廷闘争も
裁判、被害者支援、制度改革、政策提言など盛んに。
ハッシュタグ共有。
青互台国民請願運動(政府へのご意見箱に大人数で書き込みし、回答を迫る)
社会的なイシューの形成、ネット世論形成が巧い。●女性の党 女性議員2割
●#MeeToo運動は女性の9割が支持。男性の支持はやや低下気味だが、20代は高い。
「男性身体者」排除問題。●強姦罪 同意の有無を問うことについて1991年~30年間問題提起している。
●堕胎罪⇒性平等に反するもの、リプロダクティブ・ヘルスの問題として取り上げた
●新聞社にジェンダーデスクを置くなど、メディア改革も。
●要職男性によるセクハラ事件などを通じて「ジェンダー・センシティブ」に欠けるとの判決を勝ち取る。
●バッシングも起きているが、韓国フェミは今も闘いを続けている!